コンニチハ、カート・コバーンです。
(Nirvanaと同様にPearl Jamも「前作を超えるアルバムを創るプレッシャー」を受けている点で共感できるか?という問いに対して)
ああ、でも今回のアルバム(In Utero)ほど、あいつらがオーディエンスに挑戦していないことは確かだね。
あいつらは健全なロック・バンドさ。万人に好かれる優等生ロックバンドなのさ(笑)。
ちぇ、もうちょっとましな言い方を考えていたのにさ。
何が頭にくるって、僕ら自分たちの持てる最高の曲だけを集めて1枚のアルバムを創ることに、いつも必死なんだ。今いるバンドの大半よりも、僕達の方が勝っていると自負しているよ。
でもアルバムを創るには、何曲かキャッチーな曲があれば、残りはクソのようなバッド・カンパニーのパクリで構わないんだということを思い知らされたね。
もし僕が賢かったら、「ネヴァーマインド」の曲を15年間分のアルバムに小出しにしていただろう。でも僕にそんなことはできない。
昔から僕が好きだったのは、エアロスミスの「ロックス」、セックス・ピストルズの「勝手にしやがれ!!」、レッド・ツェッペリンの「レッド・ツェッペリンII」、AC/DCの「バック・イン・ブラック」というように、次々と名曲が飛び出してくるようなアルバムだったんだ。
カート・コバーン トリビュートから引用。元記事は1994年1月27日のローリング・ストーン誌のインタビュー。
去年はNirvanaの2ndアルバムIn Uteroリリースから30周年ということでリマスター盤がリリースされる祭りが実施されていましたが、Pearl Jamの2ndアルバムVsも30周年でした。
Pearl JamはNirvanaと異なり基本的に何十周年記念祭りは頻繁に実施しないのですが、Vsは去年ひっそりと30周年記念盤がリリースされました。
VSの音楽的内容に関しては、冒頭のカート・コバーンのように保守的だという批判はありますし、的を射ていると思います。
それに1stのTenと比べると全体的なサウンドが違いますし、ギターの歪み具合や尖っていてドライなサウンドが「流行りに合わせた」と否定的に解釈されてもしょうがないと思います。
世間では評判が悪いかもしれませんが、でも私は好きなアルバムです。
話を戻しますと、30周年記念盤としてリリースされたのは45回転2枚組レコードと、33回転1枚組クリアレコードです。私は45回転盤だけ買えばいいやと思っていましたが、間違えてClear盤を購入してしまったので結局両方買うハメになってしまいました。
そういうわけでアイキャッチ画像は両方を撮影したものです。45回転盤は2枚組なんで4面あります。
45回転と33回転のちがいについてはご自身で調べていただきたいですが、簡単にいうと45回転の方が理論上は音質がよいはずです。今回の30周年記念盤はどうでしょうか?
聞き比べに使用したのは以下の2枚です。まずはUSオリジナル盤のZ 53136。私が所持しているのはマトリクスが53136-2Aなので残念ながらマトリクス1ではないです。
続いては2011年のリマスター盤。これがリリースされたときにこのブログにも書いた記憶がありますが、これは素朴な音を好むレコード愛好家にとっては本当にすばらしい音がします。私はオリジナル盤よりも好きです。今回の30周年記念盤はこれを超えられるのでしょうか?
聞き比べた曲はDaughterです。結論からいいますと、私が好きな順は下記のとおりです。
- 2011年盤
- 2023年45回転盤
- 2023年33回転盤
- USオリジナル盤
USオリジナル盤は高音が強いので残念ながら昔と変わらず今の私も好きではないです。逆に低音は弱いですし。
今回の30周年記念盤はそれほど高音が強くなく、低音は2011年盤よりも太い音がするので、迫力のあるよいサウンドだと思います。
ですが私の好みからいえば、やはり素朴でパンチ力の弱い音がする2011年盤がベストです。
2023年盤の45回転と33回転の違いですが、音の大きさは当然のことながら2dbほど45回転の方が大きいです。
音質については正直に申し上げますとあまり違いがわかりませんでした。確かにハイハットの音は45回転盤の方がきれいに聞こえますがブラシーボかもしれません。
聞き比べてすぐにわかるほど違いはないです。ですから33回転盤でも充分かもしれません。
この記事を書いている現在ではまだ入手困難ではないので、気になる方は早めにどうぞ。Clear盤はこんな感じです。
過去の作品は好きなんですが、Backspacer以降のPearl Jamは生ぬるくて好きになれません。最新作のDark Matterも私にとってはイマイチでした。
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