以前、MFSL盤とかORG盤とか世間一般では高音質と言われているものを取り上げました。
MFSLもORGも、オリジナルアナログマスターを独自にリマスターして販売している会社です。
まあ人気がない話題なんですが、さすがにNirvanaを取り上げると関心を持つ人が多いような気がします。
以下、以前の記事の一部
Nirvana / Nevermindのリマスター盤の紹介(2009年ORG盤)
Metallica / Master Of PuppetsのMFSL盤
PixiesでSACDのSACD層を96khz/24bitのWAVでアナログ録音
ただ、こういう高音質盤と呼ばれるものは本当に高音質なんでしょうかねえ?
そういうわけで、違いがわかりやすいように聞き比べてみました。
Foobar2000というオーディオプレーヤーのReplaygainとABXという機能を使用しました。
高音質盤がアナログレコードしかリリースされていないものは、アナログレコードの音をWAVで取り込んで、そのWAVから生成したMP3を使用しています。
ビットレートはV2です。
まずはNirvanaのDrain Youです。
上が通常のCDから生成したMP3。
下がORG盤アナログレコードをWAVで取り込んで生成したMP3です。
2つのファイルを選択して右クリックしてReplaygainを選びます。
リプレイゲインっていうのは2つのファイルの音の大きさを同じぐらいにしてくれる機能です。
音の大きさが違うとわかりやすいように聞き比べられませんので。
ただ、リプレイゲインを使用するにはタグ情報を書き込めるファイル形式じゃないとダメです。
WAVは不可、MP3とFlacは可です。
Flacを生成するのは面倒なんで今回はMP3で。
まあ2つのファイルは同じ条件なんだからMP3でも充分でしょう。
次はABXを選択。
リプレイゲインを使用するにチェックを入れてください。
Aを再生をクリックすると通常のMP3、Bを再生をクリックするとORG盤のMP3が再生されます。
上の画像はBのMP3の58.8秒を再生していますが、この状態でAを再生をクリックして切り替えると、AのMP3の58.8秒に切り替わります。
曲の同じ箇所を瞬時に聞き比べできるので違いがわかりやすいです。
ビットレートの違うMP3を聞き比べテストするときにABXは使用されます。
Xを再生、Yを再生をクリックすると、AとBのどちらかのMP3が再生されます。
どちらが再生されているのかはわかりません。
XはAとBのどちらなのか?を当てるわけです。
ただし、今回はAとBの曲が始まるまでの空白時間が微妙に違うので多少ずれています。
音質以前にそのズレでどちらが再生されているのかわかってしまいますから、純粋なABXテストはできません。
まあ聞き比べやすいからこの機能を使うってことで。
で、聞き比べの結果はORG盤は凄いです。
たぶん90%以上の人がORG盤は高音質だと答えると思いますよ。
ORG盤を聞いた後だと通常盤なんて聞いてられませんw
低音も良く出ていますし、高音はキンキンしていません。
全ての面でORG盤が通常盤を凌駕しています。
通常盤はシャーシャーしているのが良くわかりますし、ドラムの音がとても不自然です。こりゃあIn UteroのORG盤も買った方がいいかなあ。
Foobar2000のABXを使用して聞き比べると違いが良くわかります。
続いてNirvanaのMFSL盤と行きたいところですが、私はMFSL盤を持っていません。
中古で馬鹿みたいにプレミアが付いていますからねえ。
私が持っているMFSL盤はPixies。
そういうわけでPixiesのGiganticです。
PixiesのMFSL盤はSACDとしてリリースされていますけど、SACDだけじゃなく普通の音楽CDのデータも搭載している2層式ハイブリッド盤なんで、普通のCDプレーヤーでも再生できますし、PCのドライヴで普通の音楽CDのデータを読み込んでMP3を作ることもできます。
今回はこのMP3を利用しています。
聞き比べてみると、通常盤よりもMFSL盤の方が力強くて音がしっかりしています。
特にドラムとベースの音が素晴らしいです。
通常盤は貧弱な感じがします。
これもMFSL盤は高音質だと言ってよいでしょう。
ただ上のNirvanaのDrain Youほど違いは大きくないです。
最後にMetallicaのMaster Of PuppetsのMFSL盤と先日リリースされたリマスター盤。
リマスター盤は従来の盤の音圧を上げただけで、音質の変化はほとんどないんで従来の盤を使用しても良いんですが、まあ折角ですからw
MetallicaのMFSL盤はアナログレコードしかリリースされていないので、NirvanaのDrain Youと同じ方法を取ります。
あらためてABXを使用して聞き比べてみると、これはかなり違いますよ。
確かにMFSL盤の宣伝文句どおり「誰も聞いたことがなかったメタリカ」ですよw
MFSL盤はドンシャリ(高音と低音を強調して中音を絞ったサウンド)感が皆無です。
よく言えば、まろやかで疲れない音。
悪く言えば、バスドラは迫力ないしギターもシンバルも高音の鋭さ不足。
どちらがマスターテープの音に近いんですかねえ?
好みがわかれそうな音です。
私はMFSL盤の音はあまり好きになれそうにないです。
レコードで聞くなら良いかもしれませんが…。
こういう音楽はドンシャリが良く似合うからなあ。
確かに音質は大幅に違いますが、MFSL盤が高音質か否かは意見が分かれるでしょう。
まあこうやって聞き比べてみるのも面白いですよ。
Foobar2000はフリーソフトなんで、興味のある方はやってみて下さい。
コメント
MP3に落としてる段階でまったく無意味な実験ですね。
おつかれさん。
このブログでは名前無しは禁止なのでこちらで名付けさせてもらいました。
どちらもMP3で条件は同じなんで無意味ではないと思いますけどね。
大体、wavやFlacと高ビットレートMP3をABXテストしたことがある方なら、MP3もそれなりの音質だと理解していると思います。
まあbbiq.jp1号さんと同じことを考える人がいるかもしれないんで、CDから生成したFlacとレコードから生成したFlacを先ほど聞き比べてみましたが結果は同じでした。
「Flacに落としている段階で無意味」だという人もいるかもしれないんでw、CDとレコードを聞き比べた結果も書いておきましょう。
これだと音の大きさをFoobarで揃えることができないんで聞き比べ難いんですが、結果は同じでした。
そういうわけです。
mobilefree.jp経由でのコメントおつかれさん。