ロックで熱狂興奮団結は馬鹿らしい?

コンニチハ、Pavementのスティーヴ・マルクマスです。

(フォルモア・ジャイヴの「おやすみロックンロール」と歌った後の泣きのギターソロは)最近のアメリカン・ギター・バンドのほとんどが持つ一種陳腐なセンチメンタリティを僕なりに揶揄したものでね。

まだまだ自分たちの音楽やライヴが聞き手を団結させる、みたいな妄想があるわけで、個人的にそういう聞き手側の個性も心理状態も無視した無神経なセンチメンタリティってのにはものすごく不快感を覚えちゃってね。

聞き手を操作したいとは思わなくても、聞き手がバンド側から乱暴なくくり方をされてるって点にはすごく同情を感じてたわけだから。

だってこれだけオーディエンスの知識や体験が積み重ねられてきた現在、未だに60年代70年代の「興奮」と同じ常套手段が通じると思い込んでるなんてバンド側の傲慢もいいとこだよ。

ものすごく聞き手側の知性を侮辱したやり方だと思うな。
まあ僕の書く歌詞はあちこちで「まるで英国人並のシニカル(皮肉な態度をとるさま。冷笑的。嘲笑的。)さだ」なんていわれるけど、未だに過去のロックのやり方で平気なバンド連中の方が僕らなんかよりよっぽどシニカアルだって。
バンドは充分それをわかっていながらやってるんだからさ。

ほんとに連中のライヴを見るたびにそう思うもんね。
毎晩毎晩同じ曲を同じ演奏でやっていながら無理やりオーディエンス側に対し「あの興奮」を要求するんだぜ。

あれじゃまるで8年近くも付き合った彼女に毎晩同じ体位でセックスして無理やり「興奮しろ」っていってるのとほとんど同じじゃない? (ロッキングオン1994年5月号)

昨夜は3時頃までサッカーを見ていました。
昨日のリバプールは良かったです。
チェルシーに勝てるとは思っていませんでした。

サッカーの熱狂力って凄いですね。
テレビの前で一人で騒いでいました。

ロックは熱狂的になれる音楽ですが、こういう熱狂って馬鹿らしいと思ったことってありませんか?


サッカーのワールドカップのときに日本代表を応援している群衆を馬鹿らしいと醒めた目で見てしまうような感覚です。

冒頭のスティーヴ・マルクマスのインタビューは、ロッキングオンを語る上でしばしば問題視される誘導尋問って気もするんですがw
つまりインタビューアが望むような回答をするように仕向けるっていいますかね。

でも初期のPavementの、ライヴはリハーサルって感じのチャランポランなライヴと脱力サウンド、Fillmore Jiveで「おやすみロックンロール もう必要とされていないから」と歌っていることを考慮すれば、ロックで熱狂することを否定していると解釈されても不自然ではないとは思います。

ライヴで、フロントマンの振る手に合わせてみんなで手を振り、曲のサビやフロントマンが客席へマイクを突き出したらみんなで大合唱、みたいなね。
ロックはオーディエンスを団結させるのですw
最近は観客にタオルを振り回させるバンドがいるんですって?

みんな我を忘れたかのようにダイブやモッシュ、首を振ったりジャンプしたり大盛り上がり。
しかも演奏しているバンドもそれを望んでいて、ステージの上から観客を支配したような王様気分になっている。

こういう状況を「馬鹿らしい」と醒めた目で見てしまうことってありませんか?

私はたまにありますよ。
特にロックで馴れ合い団結熱狂っていうのは好きになれませんね。
特にスタジアム級のライヴで多い気がします。
Guns N’ RosesのKnockin’ On Heavens Doorでの大合唱なんてわかりやすいかと。

Guns N’ Roses – Tokyo Dome 1992 – Knocking on Heavens Door (youtube)

後はバツ日本のバツジャンプとか。
昔はバツジャンプをやらないと、周りの人から「チケットが売り切れててライヴにこれないヤツもいるんだから、お前もちゃんとやれ!」って怒られると聞いたことがありますけど、本当なんですかねえ?

バツ日本 バツ(Tokyo Dome 1992.01.06) (youtube)

ひねくれ者としてはそういう団結熱狂パフォーマンスは大嫌いですw
集団行動は嫌いですし。
平和ボケした単なる馴れ合いって感じがしてね。

まあ別に周りの人に敵意を持っているわけではないですよ。
でも何で団結せねばならんのかと。
しかもそれを押し付けられるとね…。

ロックで熱狂して「忘我の境地」っていうのはとても全否定なんてできませんけど、そういう人々を醒めた目で見てしまうこともあります。
だから私もシニカルw(皮肉な態度をとるさま。冷笑的。嘲笑的。)。

皆さんはいかがでしょうか?

ロックだけじゃないですけどね。
トランス聞きながらトランス状態っていうのもありますし。

まあ確かにやる気のないPavementを聞いていると、「60年代から続いているあの興奮」が馬鹿らしく感じてしまうことで今日は終了。

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