RapemanのKim Gordon’s Pantiesの解釈

Rapeman / Two Nuns And A Pack MuleのA面のラベル 90年代オルタナ

コンニチハ、PJ ハーヴェイです。

ビッグ・ブラックには、 ピーンと張りつめたワイヤーみたいなものを感じてた。

その次のレイプマンについては、 よく知らなかったの。

ただ、私が彼と組むと聞いて、たくさんの人が電話をかけてきたわ。

「本当にいいの?彼は女癖が悪いのよ、知ってる?」って。

すべての発端は、あのレイプマン事件よ。でも、それは彼の人間性とは、 まったく無関係なのに。

つまり2人のアルビニがいるってわけ。

マスコミの目から見たアルビニと、本当のアルビニとね。

PJ Harvey クロスビート1993年9月号

「コンニチハ、誰々です。」ではじまる元ネタすら知る人ぞ知る状態になりつつある今日この頃ですが、Big Blackのページの更新はそこそこ進んでおります。

現在はRapemanのTwo Nuns and a Pack Muleの文章を変更する作業にとりかかろうとしているところです。

レイプマンというバンド名は日本の漫画から拝借されたわけですが、当然のことながら女性軽視的、女性差別的だと批判され、アルビニは女性嫌悪症だのなんだのと誤解を生むこととなり、バンド名ばかりが話題となって音楽的に正当に評価されていないのが残念だと思います。

PJハーヴェイは冒頭の発言に加え、「マスコミはアルビニとレコーディングした自分にアルビニが女性嫌悪症だと確認したがり、自分がそのように答えないとマスコミは想像で(アルビニがどんなに嫌な人間か)書き立てる。」とも発言しています。

ただ、そのバンド名でKim Gordon’s Pantiesなんて曲を発表してしまったら、それはしょうがないかなあとも思います、火に油を注ぐといいますか。

キム・ゴードンは言わずと知れたSonic Youthのメンバーで、曲に登場するサーストンはバンドメイトで配偶者のサーストン・ムーアですが、物議をかもしたであろうこの曲はいったい何なのでしょうか?

アルビニがインスパイアされたであろう出来事として、Big Blackのライヴ中にキム・ゴードンがアルビニへ、自分がロックの神様だと感じられるような誕生日プレゼントとして、駅の自販機で購入したパンティをステージに投げたというのがあります。

このことについてはSonic Youthのオフィシャルサイトの掲示板にキムのインタビューが掲載されています。ただし、時期とメディア名は不明です。

音楽的にはSonic Youth風のギターリフに笑ってしまう曲ですが、歌詞の内容はどうでしょうか。

この曲も衝撃的な曲名ばかりが取り上げられ、中身ついてあまり語られることがないのが残念です。

歌詞の序盤はSonic Youthの名曲Schizophreniaのパロディなのはあきらかですね。

以下、私の訳です。

Kim Gordon’s Panties

キムゴードンのパンティ

I went up to Milwaukee to see an old friend of mine

旧友に会いにミルウォーキーに行った

And Thurston came over, he was out of his mind

サーストンがやってきたが、彼は正気ではなかった

He said, ‘I’d like to just sit with her

彼は言った。「彼女と一緒にいたい

Old friend fucked up in my head

旧友は俺の頭をおかしくする

If I had that to go home to

もし帰る場所があるのなら

I’d never leave again

俺は二度と離れたりはしない」

Hey I’m a red blooded man

ヘイ、俺は精力旺盛な男

Like (her so much he blistered)?

彼女が好きすぎて水ぶくれになってしまう彼みたいに(この部分の和約は難しいです)

I’d hang that woman’s panties

俺はあの女性のパンティを吊るそう

From his car aerial

彼の車のアンテナに

Hate to see a friend go queer

友人が同性愛者になるのを見たくない

Knowing what’s going to waste

無駄だとわかっていても

I went up to Milwaukee to see an old friend of mine

旧友に会いにミルウォーキーへ行った

And Thurston came over, he was out of his mind

サーストンがやってきたが、彼は正気ではなかった

Any red blooded man

精力旺盛な男

Like (her so much he blistered)?

彼女が好きすぎて水ぶくれになってしまう彼みたいに

I’d hang that woman’s panties

俺はあの女性のパンティを吊るそう

From his car aerial

彼の車のアンテナに

解釈が難しい歌詞なんで、それについて書かれている記事を参考にしていただきたいところです。リンク先は海外サイトですがリンクをGoogleの翻訳にしてあるんで、日本語に翻訳されたものが表示されます。

3つ目のSongtellはAIが解釈しているのだとか、恐ろしい時代になりましたね。

男の支配欲だとか征服欲だとかを露骨に表現した不快な曲だと思う方もいると思いますが、個人的には低能で下品な曲だとは思えません。

そのような価値観を批判しているとも受け取れるからです。

紹介したサイトのうち2つでは、語り手がキム・ゴードンのパンティを入手できるほど親密な間柄だと解釈していますが、私もそうなのかなあと思います。ただ解釈は難しい、というかいろいろなとらえ方ができるともいえるので、奥が深いんですかね。

友人が気が狂うほど好きな女性のパンティを友人の車のアンテナにつるすというのはどういう意味があるのでしょうか?

リンク先の解釈にもありますが、友人に対して自分の力を見せつける、女性を征服したと誇示したい、語り手とサーストンの関係はどうなる?、サーストンとキムの関係は?、報われないサーストンは同性愛者となるのか?など、様々な人間模様が浮かび上がります。

男性の女性に対するアホな欲も含め、いろいろな感情を思い起こさせてくれる面白い歌詞だと思います。

当然のことながら、架空の物語にサーストンとキムを登場させただけで、現実の二人についての曲ではないのは明らかですが、この曲にサーストンがキレたというエピソードがあるのですが本当でしょうか?

Sonic Youthの1988年のロンドン公演で前座だったRapemanがこの曲を演奏したため、Sonic Youthのアンコールのときに、アルビニがギターのコードで縛られ、10分間にわたって尻を蹴られたという書き込みがSonic YouthのオフィシャルサイトのBBSに書き込まれているのですが本当なのでしょうか?

おそらく1988年10月16日のライヴでしょう。

SONIC YOUTH: 10/16/88 – London, England @ The Astoria

これに関しては映像も音声も発見できませんでしたし、当事者の発言も見つからないので本当だと断言するのは難しいですかね。

仮に本当だとしても、本気で怒ってやったのか?、ショウの一環としてジョークでやったのかも不明です。

おそらくやったとしてもジョークだと思いますけどね。

今日はこの辺で。

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