NirvanaのNevermindの過大評価論
コンニチハ、SUB POPのフォトグラファーのチャールズ・ピーターソンです。
Nirvanaの最大の功績は、アンダーグラウンドのバンドに世間の注目を集めたことです。(クラシック・アルバムズ : ネヴァーマインドより)
やっぱり、きわどい話題の方が人気があるなあと思う今日この頃です。
Nirvanaの話題は久しぶりのような気がします。
まあ散々書いてきましたから。
何年か前のクロスビートの記事だったと思いますが、某ジャーナリストの方が若い人にNevermindを聞かせたら、「普通の音だね。」と言われて、この音が「普通」になってしまったのか…と時代の流れを感じたとか書いていた記憶があります。
まあ来年はNevermind20周年ですからねえ。
時の流れは恐ろしいもんです。
Sex PistolsのNever Mind The Bollocksを当時聞いた人の中に、うるさい音楽だと思ったと言っていた人がいましたけど、もう何十年も前からピストルズの音はうるさくなくなっているでしょう?
それと同じようなもんだと思います。
当時はメインストリームに存在しなかった異質なサウンドだったのが、時を経てそういうバンドがメインストリームに進出するにつれ、普通のサウンドになってしまったようです。
まあ80年代のアンダーグラウンドを良く知るスティーヴ・アルビニやジャック・エンディーノは当時から「インディに良くあるサウンド」だと感じていたようですが。
NirvanaのNevermindは過大評価されているという意見が目立ち始めたのはいつからでしょうかねえ?
検索すると2005年の過大評価されすぎのアルバム・トップ10っていうのが出てきたりw
個人的には、このランキングの中だとColdplayとOasisの良さはさっぱりわかりませんw
Nirvanaの場合は自殺によって神格化されている部分が好きになれない人も多いんじゃないかと思います。
その神格化によってNevermindが過大評価されていると。
音楽だけ聞けば世間で大絶賛されているほど大したことないよと。
何で売れたのかわからない、挙句の果てには死んでから売れたなどというウソもw
当時のBurrnなんかには、チャート研究としてNevermindと同年リリースのMetallicaのBlack Album、GNRのUse Your Illusion、Morley CrueのDecade Of Decadenceと共にチャートアクションやなぜ売れたのかの分析記事が載っていましたけど、Nevermindが売れたのは最大の謎とか書かれていました。
まあ確かに私は昔ほどNevermindを聞きませんし、私は音楽的にはBlack FlagやBig Blackなどの方が長く聞けるアルバムだと思います。
だから何て言うのかなあ、Sex PistolsのNever Mind The Bollocks同様、普通の音になってしまった現在、個人の好みや相性の問題なんじゃないっすかw
ただ、ロックとは何か?というのは人によって解釈が異なる難しい話。
ロックを「音楽だけじゃなく周辺事情や時代背景も含む文化」だとするなら、Nevermindの実績は無視できません。
まあ自殺による神格化はどうかと思いますけど…。
Nirvanaの場合、「グランジを流行らせた」とか「時代を変えた」との一言で具体的に踏み込んだ記述が少ないのが残念ですが、最大の功績は冒頭に書いたとおりアンダーグラウンドのバンドに世間の注目を集めたことでしょう。
詳しくはNirvanaの功績を読んで欲しいですが、当時はインターネットなんてなかったですから。
インターネット世代がインターネットがない時代を想像して理解するのは難しいかなw
現在ではインディ・アンダーグラウンドのバンドはインターネットで直ちに全世界に紹介されて聞かれていますけど、当時はそんなんじゃなかったです。
ネットがない代わりに、MTVやその他のメディアの影響力が強かったようですけど、アンダーグラウンドはそれらに無視され続け、本当にマニアックな世界だったようです。
今でこそ「インディがインディらしくなくなる」ほど、インディが栄えていますけど、偶然とはいえNevermindが売れてなかったら、PavementやFlaming Lipsもマニアックなバンドで終わっていたかもしれませんし、今ほどインディに注目が集まってなかったかもしれません。
だからまあ、Nevermindの音楽性が好きになれなくても、アンダーグラウンドのバンドに世間の注目を集めたことだけは評価して欲しいです。
特に現在のインディ・バンドが好きに人にはね。
まあ、インディがインディらしくなくなった現在、Nevermindの功績ではなく功罪だと思う人もいるかもしれませんけどねw
Nevermindがインディ・アンダーグラウンドを殺したんだとw
まあ人の感想はそれぞれですから、過大評価だろうが過小評価だろうが正当評価だろうが何でも良いと思います。
どんなバンドでもそれらは付きまといますしね。