ミッシェル・ガン・エレファントの2025年のリマスターレコードの音質についての続編です。
前回はGEAR BLUESまで述べたので今回はカサノバ・スネイクです。
前回の記事はこちら。
カサノバ・スネイクのリリースは音圧競争(英語でいうところのLoudness War)真っただ中の2000年で、このアルバムもその影響下にあります。
前作のGEAR BLUESは音圧を上げすぎたデメリットが垣間見えていましたが、カサノバ・スネイクは音圧至上主義の権化といっていいほど酷いものです。高音がキンキンしていて、悪い意味でうるさいです。特に「裸の太陽」を聞けばよくわかりますが、音圧を上げ過ぎて音が割れていて、クリッピングノイズらしきものがよく聞こえます。2000年のCDは本当にひどい音質です。
今回のリマスターでは改善されているのでしょうか。比較したのは2000年のCD、2000年のレコード、そして2025年のレコードです。今回はハイレゾは購入していません。

「裸の太陽」で聞き比べましたが、上述したように2000年のCDは論外です。2025年のレコードを聞くと2000年のCDが音圧至上主義に毒されているマスタリングなのがよくわかります。
2025年のレコードは高音がキンキンしておらず音が飛んでくる感覚はありません。低音がしっかりしていると思います。気のせいかもしれませんが、奥行きもあるような気がします。
高音が少しぼやけた感じで低音が強く感じるというレコードらしい音です。
私はよい音だと思いますけど、人によっては「こもっている」と毛嫌いするのでしょうか。
2000年のレコードは高音重視の音質です。Plasma Diveで聞き比べてみると顕著なのですが、低音がスカスカで貧弱な音です。現在におけるプレミア価格の割には・・・って感じです。私は2025年のレコードの音の方が好きです。
そういうわけで、2025年のレコードは音圧主義的マスタリングから脱却したすばらしいサウンドです。
次のロデオ・タンデム・ビート・スペクターのCDも酷い音ですから、2025年のレコードでは修正されていることを期待しています。まあこの記事を書いている翌日が発売日なんですが。


