Black Flag (ブラック・フラッグ)

Black Flag 24曲 (You Tube)

Black Flag (ブラック・フラッグ)の概要

80年代のインディ・オルタナティヴ・シーンで無視できない最重要バンドの一つ。

グレッグ・ギンを中心に76年に南カリフォルニアで結成。

メンバーの入れ替わりが激しく、初期のボーカリストは後にCircle Jerksで活動するキース・モリスだったこともある。

81年にワシントンD.C.で活動していたヘンリー・ロリンズがヴォーカルで加入。

音楽性はハードコアと呼ばれ、この手のバンドの中では元祖的な存在だが、UKハードコアのように2ビート一辺倒というわけではない。

グレッグとロリンズはパンクだけでなくBlack Sabbathなどのメタルからも影響を受けており、ロリンズ加入後はメタルの要素も前面に出てくるようになった。

当時のパンク界ではタブーであったヘヴィメタルの要素を取り入れたのはシアトルバンドの専売特許のように思われているが、Black Flagが元祖的な存在で、シアトルはおろか全米のインディバンドの多くはBlack Flagの影響下にあると断言していいだろう。

当時は1977年以前の音楽を信じるな!、みたいなルールがあって鉄の壁が立ちはだかっていたんだ。

それを突然ブラック・フラッグなんかがディープ・パープルやブラック・サバスみたいなヘヴィメタルをやりだして何だか変なことになって、シアトル辺りでもマッドハニーやニルヴァーナが77年以前のハードロックを見直し出して。

Sonic Youth / サーストン・ムーア BUZZ Vol.41 April 2003から引用

83年~84年頃かな、ブラック・フラッグがシアトルにプレイしに来て、僕とジェフ(Pearl Jam)とスティーヴとマーク(2人ともMudhoney)で見に行ったら全員が凄い感銘を受けちゃってさ。

今までの早いだけのパンクじゃなくて、ヘヴィでパワフルな新しいサウンドだっただろう?

そのライヴの後にMy Warとかがリリースされて一気にのめり込んだんだよ。

あれは僕らに大きな影響を与えてくれたよ。

Green River / アレックス・ヴィンセント クロスビート1995年2月号から引用

また83年にリリースされたアルバムMy Warで、ミドル・スロー・テンポでジワジワと迫り来るヘヴィネスを追求したのことは画期的だった。

それは後にMelvinsを経由してシアトルに広まることとなる。

詳しくはMelvinsの影響力を参考にしてほしい。

このような音楽性はドゥーム・メタルやストーナー・ロック、ドローン、90年代ヘヴィネス、グランジと呼ばれる音楽の先駆けになったと断言してもよいだろう。

このような音楽性と彼等がツアーを重ねることによって構築されたインディネットワークは、後続のバンドに多大な影響を与えることになった。

詳しくはBlack FlagとSonic Youthを読んで欲しい。

警官や自殺の曲、落ち込みに失恋、猛スピードで飛ばす車の勢いがBlack Flagさ。

ヘンリー・ロリンズ パンク:アティテュードから引用

ロリンズ加入後は、ストレスの塊が猛烈に怒り狂うようなスーパーバンドと化したが、メタルの影響を感じさせるようになったこともあり、生粋のハードコア・ファンからの批判もあったようだ。

スローダウンしたBlack Flagを快く思っていなかった人はアメリカ中にたくさんいたよ。

でもここら辺(シアトル近郊)じゃあ本当に凄いことだと思われていたんだ。

奇妙でとんでもないサウンドだったよ。

Mudhoney / スティーヴ・ターナー Black FlagのWikipedia(英語)から引用

85年頃からハードコア・シーンは失速。

バンドは86年にグレッグからロリンズへの「バンドは辞める。」という電話により解散。

86年に俺は決心した、バンドを止めるにはいい時期だ。

Black Flagの周りには何の文化も残っていなかった。

振り出しに戻ったのさ。

グレッグ・ギン アメリカン・ハードコア から引用

グレッグとロリンズの対立も解散理由といわれ、解散後のインタビューではお互いをボロクソにけなしていたらしい。

解散後は、ヘンリーはRollins Bandを結成、グレッグはソロアルバムを発表している。

Black Flagは2003年に単発的に再結成ライヴを行ったが、その10年後の2013年に本格的に再結成し、アルバムもリリースした。

当初は2代目ヴォーカリストのロン・レイズが参加していたがクビになり、現在はグレッグ・ギン以外のメンバーは過去のBlack Flagと関わりがなかった人ばかりだ。

一方で初代ヴォーカリストのキース・モリスは、Black Flagとゆかりのあるメンバーを揃えFlagなるバンドを結成し、Black Flagの曲を演奏するツアーを行った。

しかし当然のことながらグレッグの怒りを買ってしまう。

グレッグと元メンバーの関係は今でも最悪なのだろうか。

関連リンク

Black Flag (ブラック・フラッグ)のアルバム紹介

おすすめアルバム

グランジをメタルとパンクの融合とするならば、このアルバムが全ての始まりといえる。

My Warと双璧をなす名盤。

個人的にはこのライヴアルバムが最高傑作。

その他アルバム(時系列順)

コンピレーション(ロリンズ加入以前の音源)

ライヴアルバム

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