CDよりもレコードの方が音が良い理由を考えてみる

コンニチハ、ニール・ヤングです。

デジタル音楽のパイオニアであるスティーブ・ジョブズは自宅ではアナログレコードを聞いていました。

ニール・ヤング、スティーヴ・ジョブスが生きていたらアナログ・サウンドの復活に取り組んでいたはずだと語る

前回と似たような始まり方ですが、このニールの発言に驚いた人が結構いたようですね。
特にアップル信者には多そうですね。

私はアップル製品とは無縁な生活を送っていますし、むしろ「アップル製品を持っているのがクール」というブランド戦略に嫌悪感を抱いているような人間なんで、大きな驚きはないです。

まあ皮肉な話だなあと笑ってしまいましたが。


ですが本当にCDやWAVなどのデジタル音源よりもアナログレコードの方が音が良いのでしょうか。
私はまだ多くのレコードを所持していませんが、いろいろ聞いてきた身として言えるのは、レコードの方が音が良いことが多いです。

順位としてはこんな感じです。

1位 アナログレコード
2位 アナログレコードからデジタル化した音源
3位 CDやMP3などのデジタル音源

レコードが良い理由はいろいろあるでしょう。

アナログレコードとCDでマスタリングが大幅に違う

これについては以前も書きましたし、一から書くと長くなるので省略。
結局のところ前回書いたように、CDとかレコードとか「入れ物」の問題ではなく作り手によるところが最も大きいと思います。

Red Hot Chili PeppersのStadium ArcadiumのCDの音は最悪です

記事で紹介したMP3はもう既にダウンロードできなくなっています。
実際に聞いてもらうのが手っ取り早いんですが・・・

ですが、CDと同じようなマスターを使用していると思われるレコードも沢山あります。
そういう場合はどうでしょうか。

レコード再生特有のボカシ効果

鮮明なクリアな音が必ずしも良いわけではありません。
人工的な感じがすることも多いです。

多少ぼけた音の方が温かみがあって、それを好む人も多いのではないでしょうか。

ボヤけ効果かどうかはわかりませんが、高音が多少目立たなくなりボリュームを上げても疲れませんし、温かみのある低音が増して厚い音が出るように感じます。

レコードの方が音が小さい

何回も書いている通り、最近のCDは音圧競争のため、絶えずCDにおける最大音量が出ているようにマスタリングされていて、小さいボリュームで大きな音が出ます。
そのため音が飛んでくるような感じがします。

レコードではそんなことはありません。
音は小さいです。

それじゃあ音量を上げれば変わらないのでは?と思うかもしれません。
でもレコードの方が良く聞こえます。

まあ思い込みかもしれませんがw、考えられる理由はプリメインアンプのボリュームを上げるからでしょうか。
アンプのボリュームをある程度上げないと良い音がしない気がします。
音が小さければそれだけボリュームのノブをひねるわけで。

ギャングエラーという言葉もありますしね。

あとは音圧主義のCDよりも音の定位が後ろのような気がします。
ボリュームを上げても音が飛んでくる感じがしません。
やっぱり0dB超えまくりの音は良くないのかもしれません。

思い込み、気分の問題

上と多少関係のあることですが、思い込みによって良い音に聞こえることもあります。
食事中に汚物の話をするとメシが不味くなるのと同じです。

私はABXテストなどの話題を出すこともありますが、思い込みで聞くことを完全否定はしていないです。
「WAVとMP3の違いなんてわからないけど、圧縮音源は圧縮されているから嫌だ」というのも全然アリだと思います。

ターンテーブルにレコードをのせて針を落とし、レコードがグルグル回るのを眺めながら聞く。
最高じゃあないですか。
ジャック・ホワイトが言うように、音楽を最も「体験」できるのがレコードです。

考えられる理由はこんなところです。
最も音に影響が出るのは、やはり制作側の意図でしょうか。
レコードだろうがCDだろうが、出てくる音が悪ければダメです。

レコードの方が良い場合が多いですが、中には何だかなあと思うものもあります。
次回はそういうレコードを紹介します。

コメント

  1. ガム より:

    お初です。前にタモリ倶楽部で、アナログレコード
    のことをやっていたんですがcdは音の幅が決まっていて、アナログは音の幅が決まってないらしいんですよ。だからアナログの方が、音に深みがあるみたいなことを言ってました。でも結局作り手がどうするかで変わるんですね。勉強になります。

  2. Hyottoko より:

    CDは数字上44.1khz/16bitが限界です。
    アナログの場合はデジタルと違って明確な限界値は無いようですが、アナログがこれを超えているのかは諸説あるようです。
    Wikipediaにはダイナミックレンジに関してアナログレコードの方が劣るというようなことが書いてあります。

    純粋にメディアとしての性能はCDの方が上のような気がします。
    レコードから制作したWAVやMP3でも、それなりにレコードのような音は楽しめます。
    つまりCDでもレコードのような音は出せると思います。

    でもレコードで聞くのが一番好きです。
    カートリッジで音が変わる楽しみもありますし。

  3. ガム より:

    お返事ありがとうございます。
    限界値がないが、超えてるかは分からないんですか
    なるほど。どうもありがとうございました!

  4. Hyottoko より:

    どういたしまして。
    いろいろ聞いてみて下さい。
    数値だけでは測れないものもあると思います。

  5. […] レコード至上主義の人もレコードだけを楽しんでいる様です。 […]

  6. jgman より:

    CDから規格でXrcd、SHM-CD、Bluspec、HDCDなど多く発売されましたが残念ながら決めてに欠け・・
    SACDと言った最終兵器を発売しました。
    ハイレゾ同様にCDを凌駕するダイナミックレンジの広さが売りだった訳ですが、コレって結局LPアルバムに回帰した訳です。
    脳内に刷り込んだCDは高音質と言う都市伝説が完全に崩壊した2014年はTVでもCDは音が悪いと断言してしまいました。
    過去20世紀最高のグループである「ビートルズ」は犬や猫にしか聞こえない音を意図的に取り入れた「サージェント〜」を発売したのですが、89年のCD発売によってそのダイナミックレンジはとても狭く奥行きのない音に劣化しました。
    当然犬や猫用の音も消え去った。
    2014年近年からあったLP再熱のキッカケがハイレゾとは、なんとも滑稽な話ではないかw
    良い音を求めた結果、結局LPアルバムのように人間の耳には聞こえずとも肌や体毛などの感覚によって増幅された音が絶対的な高音質だったのだと証明されてしまったのだから♪
    単純にCDの音をレコード化するだけでも音が良くなるのだから、マスターからLPアルバムを作り上げた音の方が高音質なのは云うまでもないでしょうな。
    ただいくらハイレゾなど発売した所で、mp3の音を高音質なプレシーボ効果によって再現できるAKGやBOSEなどのイヤホンやヘッドフォンが発売されてしまってるので売れる可能性は無いでしょう。
    ジョブズやSONYの大罪でもあり、自ら自分の首を締めたのでしょう・・

  7. アラ より:

    ボカし効果!!それですよ!私は最近CDの音の事を、唯々『爆発音』と表現しています。音にボカしが無い為、CDの音を上げた際、とてもバランスが悪く音量設定されてるもんですから、その様な言い方をしましたが、レコードの音を上げると、とても程よく丁度いいバランスの保たれた音が上がるので、レコードの方が好きです。

  8. DJ Pete より:

    レコード所有者です。仕事は東京でDJやダンス音楽のミックスのトラック編集などを過去にしておりました。CDで聴くドンシャリな音は、アナログ音に慣れてる人にとっては、キンキンに聞こえなくもないです。今から、18年前は、まだ、CDとMDが主流で、若干カセットテープなどもありました。そんな時代に、ミックスCDを製作してたのですが、客に言われたことがあります。「同じ曲でもあなたのCDは音が小さいのよね。iPodに入れても、普通にあなたの聴いた後、他のアーチストの曲聴くと突然音デカくなってびっくりするの。」そうです。その時代は完全CDでした。今では若者はCDすら買わず、ダウンロードです。殆どの若い人9割はデジタルです。それらデジタル所有者に合わせるには、デジタルの音に変換しなければなりません。同じ曲でアナログ12インチとCDを聴き比べると、自宅では専用機材でアナログの方が良く聞こえますが、これを単にトラックダウン後、CDに焼き一般のipodに落とすと全く持って音がショボくなります。CD音源を持つ一般所有者にデータ上一緒にするには、コンプなどで、音圧調整をしCDと同等にします。個人で楽しむ分にはアナログレコードで家で楽しめば、良いのですが、MIX CDをつくる場合は、人が持ってる通常の音源レベルの妥当な位置にしなければいけないので、最初は苦労しました。
    自分の場合はここ何十年かで終活を考えると、
    やむ終えず、ガレージ分のレコードを処分または、音質が悪くてもデジタル化をしなきゃなと考えるようになりました。

  9. Hyottoko より:

    私は音楽を仕事にしていないので客や他人に合わせる必要がなく、アンチLoudness Warです。
    マスタリングエンジニアには嫌々音圧を上げていた人もいるようです。

    どういう音が良いと感じるかは人それぞれですが、私はレコードをPCで録音してロクに加工しないで聞いていますが、音は素晴らしいと思っています。
    特にパンチのない音がするM97xEというカートリッジで録音した音は最高です。
    まあ元のレコードの音がコンプレッサーかけ過ぎて平面的な音だとあまり良いとは感じません。

  10. 大網潔 より:

    オーディオマニアのつもりはないですが、外周スタビライザーなど自作してアナログレコードを聴いています。機器はそんなに高級なものではありません。プレーヤーはもう40年も使っているDDプレーヤーです。レコードも40年も前のものですが音質は劣化していないと思います。同じ曲をCDとLPで聴くと、音色は同じなのですが、手っ取り早く言えば、CDで聴くとスカスカなのです。聴いていて楽しくありません。アナログレコードは聴くのに手間がかかりますがそれを差し引いても聴く価値があると思います。

  11. Hyottoko より:

    レコードの方が聞いていて楽しいですよね。古いレコードも最高です。

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