「インディ」という言葉の意味も変わったなあと思う

コンニチハ、Mudhoneyのスティーヴ・ターナーです。

パンクって、最近は全然変わっちゃったよなぁ。
オフスプリングやグリーン・デイとかバッド・レリジョン辺りが山ほどレコードを売るようになる前は、『俺たちはパンクだ』って気軽に言えたけどさぁ…

若い奴らのやってるのはあくまでもハッピー・パンクなワケ。
怒りとか暴力性とか、全然なし。
ひたすらハッピーで、追い詰められた感じがない。

時代は変わったんだよ。
俺は何もオフスプリングやグリーン・デイをこき下ろそうっていうんじゃない。
ただ、あれは俺が考えているパンクじゃないってこと。(ミュージック・ライフ1995年5月号)

若い人には理解できないかもしれませんが、30年以上も生きていると、時代の移り変わりを感じることが多くなりました。
「昔はあんなんじゃなかった。」みたいな感情です。
そう、時代は変わってゆくのですw

上のスティーヴの場合は「パンク」という言葉の移り変わりについてですが、今日は別にポ○プ・パ○クをこき下ろすわけではありません。
「インディ」もだいぶ変わってきたなあと。


もう何年も前から、メジャーとインディの境界が曖昧になり、逆にインディという言葉からはネガティブな発想しか生まれなくなり、バンド自身も「インディ」と呼ばれたくないようですし、私自身も「インディ・ロックが好きです。」と宣言するのを躊躇してしまう状況になりました。

もちろんUSやUK、日本のインディ状況はそれぞれ違うとは思いますけど。

最近、個人的にトドメを刺された気がするのがFriendly FiresのPalaというアルバムでしょうか。
本人達はインディバンド扱いされるよりもポップバンド扱いされたいようですけどね。

本人がPalaとの比較対象として挙げているBackstreet BoysとかNSyncって、最近の若い人は知らないかもしれませんが男性ポップグループです。
日本でいうところのジャ○ーズ系、BIGBANGのような韓国のボーイズグループみたいなもんです。

実際にPalaというアルバムを聞いてみても、アイドルボーイズグループが踊りながら歌っていそうな音楽性です。

そういうアルバムが、「インディロック」を扱っているブログやウェブマガジンで絶賛されているわけです。
Pitchforkですら7点台。
酷評している記事を見たことがありません。

クロスビート7月号でも、新谷さんが「ぶっちゃけ、本作での彼らはもはやボーイズバンド。ヴィジュアルを忘れればお揃いの服で踊りながら歌う情景が目に浮かぶ・・・」と書いていながら星4つ・・・。

嗚呼「インディ」も本当に変わったなあと…。
そう、時代は変わってしまったのです。

新聞で読んだと思いますが、日本にはインディアイドルというのも存在するようですしね。

昔ながらの、メインストリームに敵対心を抱いていた頃のスティーヴ・アルビニよろしくインディ的価値観から開放されたと言えば聞こえは良いでしょう。
ですが、私にはロック全般が生ぬるくなってしまったとしか思えません。

まあ、ダンスミュージックやエレクトロと呼ばれる音楽は、一歩間違えればアイドル系に聞こえてしまうもんですけどね。
個人的にはCSS辺りにもアイドルっぽさを感じた記憶があります。
人によってはLCD Soundsystemはおろか、その手の音楽を全否定する人もいるでしょう。

ウチのサイトでいうと、まあ完全なダンス系ではないですが、Garbage辺りでしょうか。

これをオルタナと言えるのか?ってね。

話がそれてきたんで終わりますが、私は「インディ」は変わったなあと思ってしまうわけです。
まあ最近の若い人にはコテコテのインディスノッブと馬鹿にされそうですけどね。
私には毒とスリルと反逆心が失われすぎて退化しているとしか思えないです。

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