Soundgardenの唯一の来日公演とSuperunknownリリース時の雑誌記事

コンニチハ、Smashing Pumpkinsのダーシーです。
クリス・コーネルを殺してやります!

前回に続いてSoundgardenについてです。
今日は良く言われる「日本で評価が低い」とか「日本嫌い」についてです。
若いファンの方はそういわれてもピンと来ないかもしれません。

[クロスビート特選ニュース] サウンドガーデン、熱い日本公演に期待

この記事にあるように、日本ではパッとしなかったのでしょうか?
昔の雑誌を紐解いて見ましょう。
今日は本当に超長いです。


まず最初に宣言しておきますが、私は最初で最後の来日公演に入っていません。
Soundgardenをどうやって知ったのかは覚えていませんが、私が買ったSuperunknownにはグラミー賞受賞というステッカーが貼ってあったのを覚えています。
だから、Black Hole Sunがグラミー賞を取った以降、1995年ぐらいかなあ。

過ぎ去った昔のことを知るには、当時を知っている人の話を聞くか、古い雑誌を掘り起こして当時の雰囲気を想像するしかありません。
ですが、雑誌に書かれていることが全てではありません。

まずは来日公演の日程。

1994年のSoundgardenの来日公演の日程

写真はrockin’on1994年2月号です。
オーストラリアの有名なフェスであるBig Day Out経由で日本に来ました。
同時期に来日していたのはRamones、Bjork、Urge Overkill、ボブ・ディラン、Smashing Pumpkins、Rollins Bandなど。

東京厚生年金会館は最近、事業仕分けで閉館になりました。
ニュース番組でも報道されていましたね。

時期的にはSuperunknownリリースの約一ヶ月前という微妙なものでした。
ですから、雑誌の記事もSuperunknownの取材と来日公演の記事は密接な関係があります。
まずは言いだしっぺのCROSSBEATの扱い。
写真は1994年4月号です。

クロスビート1994年4月号の目次

目次を見る限り大物扱いされていませんw

クロスビート1994年4月号のSoundgardenの記事

記事も白黒2ページだけ。
今思うと傑作Superunknownの記事にもかかわらずこの扱いは酷いかなあと。

来日公演に関する記述は「ただ初来日公演は予想に反して妙に折り目正しく、勝手に期待したクリス・コーネルのファンタスティックな突っ走りというのはほとんど見られずじまいで拍子抜け。」としか書かれていません。

1994年3月号は所持していませんが、来日公演に関するレポは載ってるのかなあ?
まあ1994年4月号にはボブ・ディランの2月8日の武道館、2月11日のスマパン、2月7日のBjorkのライヴは載っているので、3月号には恐らく載っていないと思います。

つまりクロスビートの記事はこれだけです。
言いだしっぺのクロスビートも扱いはこんなもんだったわけです。
まあスタッフは今と全然違うんでしょうけど。

続いてロッキングオン。
写真は1994年5月号です。

ロッキングオン1994年5月号の目次

取り敢えず記事はありました。
この時代のロキノンって現在Snoozerやってる人も在籍していた時代なんだよなあ。

ロッキングオン1994年5月号のSoundgardenの記事

こちらも白黒2ページ。
来日公演に関する記述は「ホール公演の方は二日酔い状態だったのに加え、客の入りの悪さが気に障ったらしく、いい加減にやっちゃったらしい。」だけ。

これは5月号ですが、私はこの年の4月号を持っていません。
時期的には来日公演のレポが載っていてもおかしくはないんですが、持っている人がいたら教えてください。

写真を撮り忘れてしまったのですが、ロッキングオンはディスクレビューではSuperunknownを一番最初に3人合評という形で扱っています。
まあ他に大物バンドのリリースがなかったということも大きいと思いますけど、予想外でなんだか嬉しいですね。

Superunknownリリース時点では売上的には大物とは言えなかったんですが、2誌とももう少しプッシュしても良かったんじゃないかなあ。
白黒2ページだけじゃ・・・

続いて今は亡きMusic Lifeの1994年2月号。

ミュージックライフ1994年2月号の表紙

以前も紹介しましたが、Soundgardenを表紙にした日本の雑誌は、私が知る限りMusic Lifeだけです。
1993年11月に行われたインタビュー記事をもとに、巻頭から10ページ以上も割いて取り上げています。
今にして思えば他紙にもこれぐらいSuperunknownを押して欲しかったですねえ。

ミュージックライフ1994年2月号のSoundgardenの記事

写真じゃわかりにくいですが、マットが手にしているのはローリングストーン誌の表紙のBlind Melonのメンバーが全裸で写っている写真に、クリスが顔の部分だけ別人に張り替えたもの。
スマパンのダーシーの顔写真も使用され、それを見たダーシーは「誰がやったの?」とスタッフに尋ねクリスだと聞くと「Kill Him!」と叫んだそうですw

続いてMusic Life1994年4月号。

ミュージックライフ1994年4月号の目次

これにはインタビューとライヴ評が掲載されています。

ミュージックライフ1994年4月号のSoundgardenの記事

日本滞在こぼれ話。
ベン以外の3人は飛行機が嫌いだそうです。
クリスは事前に睡眠薬を飲んで飛行中は爆睡だそうです。
日本に来る前のオーストラリアで嵐に巻き込まれ、なかなか着陸できなくて「涙が出そうなほど怖かった」そうです。

ミュージックライフ1994年4月号のSoundgardenのライヴの関する記事

いよいよライヴについての記事です。
2月8日のクラブチッタ川崎の公演です。
全文を掲載するのはあれなんで、要約したものを少し。

客の入りが良くない。
前方では人と人が揉み合う盛り上がりだが後方は案外冷静に「お客さん」している観客も多い。

曲間の妙な間が気になる。
無意味なノイズか単なる間以外の何物でもない。
テンションを保ち次の曲で再攻撃にかかるという展開からは程遠い。

盛り上がらないのは曲間の妙な間だけでなく演奏曲とその並びにも問題があるのではないだろうか。

クリスはカリスマというよりも寧ろハレモノ。
オーディエンスに媚びることなくひたすら思いサウンドを叩きつける彼らは、とても硬派な印象。
だがコアなファン以外には取り付く島もないものであったのも確か。

聞くところによるとこの後のホールでの公演では会場に寒い空気が流れ、そういう観客の前ならば、とクリスとキムは出させたイスに座って演奏してしまうという場面もあり、そこには緊迫ともシラケとも取れるムードが漂ったとか。

クラブチッタ川崎のセットリスト
Room a Thousand Years Wide
Searching With My Good Eyes Closed
Flower
Rusty Cage
I Awake
Hands All Over
Face Polution
Gun
Fell On Black Days
Hunted Down
Spoonman
Beyond The Wheel
Get On Snake
Somewhere
Mind Riot
New Damaged
アンコール
Jesus Christ Pose
Slave & Bulldozer

最後にメタル雑誌のBURRN1994年5月号です。

バーン1994年5月号の目次

意外なことにSoundgardenのインタビューが結構掲載されていました。
まあ主役級に取り上げられたわけじゃあないんですけど。
来日とSuperunknownについても記事になっています。
「メタルとオルタナの架け橋」という評価は的を射ていたと思います。

バーン1994年5月号のSoundgardenの記事

クラブチッタ川崎でのライヴを終えて「楽しかった」と発言していますが、大嘘だろうw

バーン1994年5月号のSoundgardenのライヴレヴュー

こちらも要約したものを。
2月10日の東京厚生年金会館でのライヴレビューです。

のっけからドンヨリしたムードが会場を支配し、3曲目のFlowerまでドンヨリ低速は続く。
キムもベンも黙々と演奏。
クリスの「OK! Party?」という問いかけは皮肉か?

Rusty Cageでやっと観衆に動きが目立ち始めたが、Room a Thousand Years Wideとすぐにヘヴィな流れが戻ってくる。

ベンが不機嫌に目の前のマイクスタンドを払い倒す。
こんなことがあっても他のメンバーは全く関知していない様子。
クリスとキムがパイプ椅子に腰を下ろしてMailman。

曲間曲中を問わず各メンバーのテンションがバラバラで、どうも見ている側も緊張感が続かない。

バンドの方も新曲を有効にセットリストに組み込む手立てをまだ考えていなかったのかもしれないが、選曲、流れ共に不満が残るショウだった。
後で聞いたところによると、この日のバンドは観衆の反応が消極的だったことを気にしていたのだという。
しかし客を乗せるのはバンドの手腕の内である。
この日のショウには、バンドのコミュニケーション不信のようなものが滲み出していたような気がしてならない。

厚生年金会館のセットリスト
Incessant Mace
Searching With My Good Eyes Closed
Flower
Rusty Cage
Room a Thousand Years Wide
Hands All Over
Spoonman
Fell On Black Days
Gun
Somewhere
My Wave
Beyond The Wheel
Mailman
Face Polution
Mind Riot
アンコール
Slave & Bulldozer
Kickstand
Jesus Christ Pose

以上です。
これを見てSoundgardenは日本での評価が低いとか、日本嫌いだと想像される理由がご理解いただけたでしょうか?

まあ最初に書いたように雑誌の記事が全てではありません。
実際に行った方からそこまで悪くはなかったという話を聞いたことがあります。

来日公演は近寄るなオーラが出ている取っ付き難い人のようだったのでしょうか?

セットリストはそれほど悪いとは思えないんですが・・・
Outshinedをやらなかったのはあれですけど。

そもそも疾走感を楽しむバンドではないですしね。
どうせならGun、Beyond The Wheel、Mailmanの3連発ぐらいやれば良かったのにw

私はライヴは見ていないのでこれ以上とやかく言うのはやめましょう。

その後のクリス・コーネルはAudioslaveで一度だけ来日しています。
これは私も見ましたが、観客は満員で反応も悪く無かったですし、不機嫌でも無かったです。

再結成Soundgardenは日本に来ますかねえ?
放置状態にあるとはいえファンサイトが存在する国なんでw、是非とも来てもらいたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました