インディとメジャーを考える 第一回 昔のインディ

ウチのサイトのSonic Youthのページは進化しました。
ちょっと長文すぎるかな(苦笑)。
もう少しで完成です。
俺がバンドの概要を書くと「メジャーVSインディ」になるのはしょうがないですw

本題ですが近年、インディとメジャーの境界線が曖昧になっていると言われます。
俺もその通りだと思うのですが、その理由を問われると即答できるほど自分自身で理解できていないし理屈っぽく分析もしていません。
また、マスコミ連中がインディとメジャーの境界線が曖昧になった理由を理屈っぽく検証した記事を製作した記憶がありません。
というわけで、俺なりに分析してみようかと思います。


まず最初に書きますが、UKインディの歴史は理解していません。
特に昔のUKインディ。
だからUSインディがメインになります。
ですが、当然のことながら現地でリアルタイムでUSインディを体験したわけじゃないので、仕入れた知識で検証することになります。

今のインディを検証する前には昔のインディはどういう状況だったのかを知っておく必要があります。
まあウチのサイトのアンチ商業主義特に売れる音楽を作らせろ鋭いツッコミとインディの欠点を読んで欲しいのですが。

昔のインディは完全にアンダーグラウンド、マニアックな裏舞台でした。
現在のようにインディバンドが大きなメディアに取り上げられることなんて無かったですから。
インターネットもない時代。

インディバンドの多くは「売れる音楽」を製作するのではなく、最優先事項は良い音楽を製作すること、売れる売れない以前に自分が納得のいく音楽を作ることでした。

ですが、「ロックとカネ」は永遠のテーマ。
当事のインディレーベルの多くは金銭的に厳しい状況でした。
正しいインディレーベルの運営方法なんて確立されていませんでした。

80年代のインディ界の王者だったのはBlack Flagで、SSTというインディレーベルを設立しました。
SSTは当事のインディ界では憧れの的でした。
Dinosaur JrやSonic YouthはSSTと契約を結ぶことができて光栄だったと発言しています。

ですが、SSTの設立者であるBlack Flagのグレッグ・ギンは「Black Flagは王者だった。でもカネはなかった。」と言っています。
英語版Wikiによれば、Dinosaur JrのJマスシスは「グレッグ・ジンやSSTのスタッフは大好きだ。でも彼らは金を払わない」と発言したようです。
結局Dinosaur JrやSonic Youthは金銭トラブルでSSTを去り、メジャーレーベルを目指すことになったようです。

今でこそUSインディを代表するSUB POPも例外ではありません。
NirvanaはSUB POPの資金難が原因でアルバム製作を延期させられました。
Mudhoneyも金銭トラブルからメジャーに移籍しました。

HEAVIER THAN HEAVENという本には極貧のカート・コバーンが描写されています。
ジーンズは1着しか所持しておらず、トレイシーのヒモのような生活を送り、乞食に間違えられ、ツアーでは絶えずガソリン代の調達方法を心配しなければならない始末。

こんな生活を送っていれば経済的に安定したメジャーレーベルとの契約を求めてもしょうがない気がします。
Sonic Youthのサーストン・ムーアですら、「メジャーと契約したのは経済的な安心感から。より多くの金が動くんで子供も持てる。」と発言したことがあります。

また、当事のインディレーベルの弱点はレコードの流通力でした。
聞いたことの無いレーベルからリリースされた売れそうに無いレコードを入荷するレコード屋なんて極僅かだったようです。
だから「あのバンドのことは気に入った。でもレコード屋に置いていないから買えない。」という悲劇が起きました。
当事はインターネット通販もダウンロード販売もファイル共有ツールもない時代です。

スティーヴ・アルビニやFugaziのイアン・マッケイのように完全なるインディ至上主義者も存在しましたが、多くのバンドはメジャーを目指したようですね。

そんなインディ・シーンが転機を迎えたのはメジャー第一弾アルバムが大ヒットしたNirvanaです。
「グランジを流行らせたバンド」と片付けられがちですが、Nirvanaの最大の功績はNirvanaの出所であるインディが注目されるようになったことです。
詳しくはNirvanaの功績を読んでください。

でも、この時点ではインディレーベル所属のバンドが大ヒットを記録したわけではなく、インディからメジャーに移ったバンドが大ヒットしていました。
この状況を打ち破ったのはOffspringでした。
インディレーベルのエピタフからリリースしたSmashが1000万枚を越えるセールスを記録し、インディレーベルの存在意義を変えてしまったといわれる事があります。

このような流れからインディは注目されやすくなり、徐々にアンダーグラウンドでマニアックな世界では無くなって行きます。

続きはまたの機会に。

コメント

タイトルとURLをコピーしました