スティーヴ・アルビニはNirvanaをどう思っていたのか?

コンニチハ、スティーヴ・アルビニです。
ニルヴァーナ現象は2つの悪い影響があったと思う。
まず何よりも、ニルヴァーナというバンド自体がもう終わりだってこと。
元々彼らのファンでもなかったし、やっている音楽も、既にあるスタイルの平均レヴェルに過ぎないとは思うけれど、それにしてももう終わりだろう。
メジャーからのカネの誘惑にバンドが屈した場合、大概は潰される。

先日発売されたCROSSBEATにアルビニのインタビューが載っていて驚きました。
インタビューをすることになったきっかけを知って更にビックリ。
アルビニのBig BlackとRapeman、更にはJesus Lizardが日本盤化されたんですって!

嬉しいんですが、今更かよ・・・という複雑な思いです。
もう全部輸入盤で持っているので、大人買いで買い直すか否か迷っています。
国内盤っていっても、どーせ対訳無しでライナーしか付いていないんでしょうし。
でも、入手困難になったら欲しくなるというパターンを繰り返してきたので迷います。

というわけで、今日はスティーヴ・アルビニの話題です。
アルビニをNirvanaのIn Uteroだけで終わらすのは勿体無いんですが、Nirvanaとの関係は何年も経った今はあまり知られていないので、まあ今日はそこら辺の話です。


ウチのサイトを見に来る方々の大半は知っていると思いますが、アルビニはメジャーレーベルのカネの流れを否定するインディ至上主義者。

上の太字の文章は92年、つまりIn Utero以前のインタビューから引用したものです。
まあ、Nirvanaを酷評していると受け止められてもしょうがない発言となっております(苦笑)。

だから、その後Nirvanaのオファーを引き受けたのは何故か?
こんな疑問が湧いてくるのですが、それについては93年のインタビューで語っています。
今回のクロスビートのインタビューは15年振りと書いてありましたが、15年前のインタビューはこれかな?

タダでやってくれと頼まれたなら、恐らくNOと答えていただろうな。
だが、カネをもらうためだけにやったっていうのも真実じゃない。

ニルヴァーナはなんだか気の毒な気がしてね。
彼らは音楽業界の中で誰もフェアに扱ってくれず、みんなが利用しようとするようなレベルにいる。
だから、これはフェアで誠実なレコードを作る方法を提供してやる機会なんじゃないか、みたいな気がしたんだ。
僕が断ったら、連中にはもう選択の余地がなくなり、奪われる一方になってしまうだろ?
あの3人から絞り取ってありったけの金を稼ごうって人間とスタジオに入る羽目になる。

実際、僕のギャラなんて有名プロデューサーの10分の1ってとこじゃないかな。
「今度のアルバムは小規模にやりたい、カネをかけたくない。」って彼らに言われたから、「僕への支払いがいくらかなんて気にしない。」って答えたよ。
僕は彼らに、初めてある程度の主導権を握ってレコードを作ることをさせてやりたかったのさ。

もともと僕はニルヴァーナに対して何の恨みも持っていなかった。
彼らを真似た酷いバンドが溢れたってそれは連中のせいじゃない。
ただ、彼らのことをよく知らなかったし、特にファンでもなかったんだよ。

「既に終わった」と言ったのも、ニルヴァーナは与えられるだけのインパクトをもう与えてしまったからこのまま続くわけないってことなんだ。

彼らは何千といる他のバンドより良くも悪くもない。
僕にとって問題なのは、そのレコードを何らかの形で誇りに思えるか、他人にはできない良い仕事ができるかどうかなんだ。

いい仕事をしたと思っているよ。
アルバムもバンドも心から素晴らしいと認めるかという質問だったら、「そうでもない、ジーザス・リザードほどではないのは確かだ。」って答えるけど、でも本当にいいレコードじゃないかな。

こんな感じに語っています。
インタビュー全文は載せられませんが、いろいろ考えてみて下さい。
In Uteroリミックス問題は疲れたのでやめますw
あーでも、サイトに載せている文を修正しないとなあ・・・

取り敢えず今日は長くなったし面倒なのでこれで終わりですw

コメント

  1. micro より:

    そんなインタビューがあったなんて、知りませんでした。。
    それにしても、すごい事言ってますね・・・

  2. Hyottoko より:

    これはCBの92年6月号と93年9月号のインタビューです。
    リサイクルショップで見かけた際には是非。

    今でこそメジャーとインディの境界線が無くなりつつありますが、当時は違ったようです。
    Nirvanaに限らず、インディからメジャーに移ったバンドに対しては、インディ界隈からセルアウト呼ばわりされたようです。
    カートが苦しんだ原因の一つのようですが・・・

    個人的には、アルビニ以上のインディ主義者であるイアン・マッケイがどう思っていたのか知りたいですw

    アルビニの評価は、音楽的にNirvanaのことは大好きではないというのは変わらなかったものの、多少は心境が変わったようですね。

    レコーディングの合間には、Nirvanaと雪合戦やソリで遊んだそうですw

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