Faith No More (フェイス・ノー・モア)

Faith No More 24曲(You Tube)

Faith No More (フェイス・ノー・モア)の概要

レッチリやJane’s Addictionらと共に、90年代オルタナ期に様々な音楽ジャンルを横断するという意味でクロスオーバー、ミクスチャーと呼ばれ、「音楽ジャンルの崩壊」に一役かったバンドの一つ。

音楽性はキーボードを多用したへヴィメタルを土台にファンクやラップ、プログレなどの要素を垣間見せ、ときにはカントリーや民族音楽なども感じさせるもので、特定のジャンルにカテゴライズするのは難しい。

全盛期にはファンクメタルと呼ばれることが多かったようだが、当人たちはそのことを面白く思っていなかった。

俺たちみんなそんなそのフレーズが大嫌いなんだ。

だいたいファンクメタルっていったい何なんだ?

何の意味もないだろ?全く馬鹿げてる。

どこかのジャーナリストがそういう造語を作り出してみたら、みんながみんな急にその言葉に当てはまる音楽を作ろうと躍起になり始めてさ・・・

そんなジャンルが存在すること自体が嘘偽なんだよ。間違っているのさ。

まあ、レコード屋の連中の中には喜んでいるやつもいるかもしれないけどな(笑) 

Faith No More / マイク・パットン CROSSBEAT1992年7月号から引用

またヴォーカルのマイク・パットンのカオスも魅力の一つであった。

1993年の来日公演では観客の帽子を奪い取りその中に放尿、そしてそれを飲んでしまうという伝説を残した。

Faith No Moreの母体となったのはベースのビル・グールドとドラムのマイク・ボーディンが1979年にサンフランシスコで結成したバンドだ。

1982年にキーボードのロディ・ボッタムが加入、1982年には一時的にコートニー・ラブがヴォーカルだった時期もあったが1983年にはチャック・モズレイがヴォーカルとして加入し、ギターのジム・マーティンも同年にバンドに加わっている。

1985年にインディからWe Care A Lotというアルバムをリリースし、カレッジラジオでオンエアされるようになり注目を集めていった。

その後メジャーレーベルと契約を結び1987年にIntroduce Yourselfというアルバムでメジャーデビューした。

しかし1988年にチャック・モズレイが解雇される。

クロスビート1993年6月号のインタビューによると長期のツアーに出たがらなかったからとのこと。

その後、Mr.Bungleというバンドと掛け持つかたちでマイク・パットンが加入、結果的にこの交代劇は吉と出た。

1989年にリリースされたアルバムThe Real Thingは、ラップとメタルを融合させたEpicというシングルカットされた曲が大ヒットしたこともあり、全世界で300万枚以上売り上げ大きな商業的成功を収めた。

続いて1992年にリリースされたAngel Dustは、ファンクメタルと呼ばれ続けてきた反動からか、意図的にファンクの要素を排除したようだが、もはや形容する言葉が思い浮かばないほど雑多な音楽が高いレベルで融合したものとなり、彼らの最高傑作とされる。

しかし、当時のアメリカではセールスが前作を下回ってしまった。時代を先取りしすぎたのだろうか?

レコード会社の人間とか制作に関わる連中も含め、特定のバンドからは特定のものを期待する奴が多いんだろ。

俺達は同じことを繰り返すタイプのバンドじゃないから、安全パイのレコードは作らない。

「エンジェル・ダスト」は前のアルバムみたいな音になってないんで、それが癇に障った奴もいるだろうし、そういえばレコード会社の連中も言っていたよ、「今度のにあんまり満足していない」って。

あいつらがこういう音にすべきだって思っていたような音に、ちゃんとなってなかったからな。

そういった部分が一部のファンを遠ざけちゃったのかもしれないが・・・。

けど、俺たちは方程式に乗っ取ってやってるわけじゃないし、同じレコードを2度作れって言われたってできやしないんだよ。

やろうとも思わないしな。

Faith No More / マイク・パットン CROSSBEAT1993年6月号から引用

Angel Dust制作中からギタリストのジム・マーティンと他の4人との間で人間的にも音楽的にも不和が生じており、Angel Dustツアー終了後に解雇された。

曲のクレジットには他のメンバーほどジムの名前が表記されることは多くなかったし、「Angel Dustの俺のギターパートは意図的に抑えられている。本当はもっと弾いているんだぜ」(King For A Day, Fool For A Lifetimeのライナー)という発言もあるので、ジムのバンド内での貢献度がどれぐらいあったかはわからないが、ジム解雇後はギタリストが頻繁に交代することとなった。

1997年までに2枚のアルバムをリリースしたものの商業的にも内容的にもピークを過ぎていた。

1998年3月に「個々のプロジェクトを追求するため」に解散した。

解散後、マイク・パットンはFaith No Moreと並行して活動していたMr.Bungleの他にFantomas、Tomahawkなので活躍した。

またIpecac Recordingsというインディレーベルを立ち上げた。

有名どころだとIsis、1999年以降のMelvinsがIpecacから作品をリリースしている。

2009年、解散前のラインナップでUKのフェスティバルで再結成ライヴを行った。

以後数年間はライヴだけの活動だったが、2015年には18年ぶりにアルバムSol Invictusをリリース。

2016年3月現在バンドは今も活動中だ。

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