もう2014年ともなれば90年代ネタでブログを書くのもネタ切れで難しいんですけどね。
約一か月前にこんなニュースが流れました。
ジャック・ホワイト、ソロ新作『ラザレット』が1994年以来最も売れたアナログ盤に認定
Lazarettoは本当に良いアルバムだと思います。
Jack Whiteはソロになってから再び黄金期に突入している感があります。
ただ、このニュースでPearl JamのVitalogyの記録が破られたっていうのは残念な気分になりました。
ラザレットのアナログは初週で4万枚売れ、売り上げの累積が6万枚を超えたとのこと。
初週売り上げ枚数と累積売り上げ枚数のどちらもVitalogyの記録を塗り替えたそうです。
まあ時代背景が違うからこういう記録は無意味な気がしますけどね。
Pearl JamのVitalogyは、まあウチのサイトを見に来る方々には説明不要な気がしますけど、カートが自殺した1994年にリリースされた3rdアルバムです。
もう20年も前なんですね・・・
90年代前半といえば、レコードがCDに土俵際まで追い詰められていた時期ですからねえ。
下の画像はアメリカでのレコード生産枚数をグラフ化したものです。
ミリオンですから100万枚単位です。
You will find more statistics at Statista
2013年に生産されたレコードは約600万枚です。
Lazarettoがリリースされた2014年はさらに上をいくでしょう。
対して20年前の1994年はというと、60万枚から70万枚の間でしょうか。
2013年の10分の1ですね。
そんなアナログレコード氷河期にVitalogyは初週で3万4000枚も売り上げました。
Lazarettoとの差は6000枚しかないですね。
いったいなぜレコード不遇の時代にそんなに売れたのでしょうか?
最も大きいと思われるのは、CDの発売日よりも2週間も前にレコードが発売されたからでしょう。
当時のPearl Jamは何百万枚もの売り上げを期待できるメガバンドで、そんなバンドがCDに先駆けてレコード先行リリースしたわけですから、何としても早く聞きたい熱烈なファンはレコードを買ったでしょう。
当時はネットで試聴なんてできませんでしたし。
私の記憶が正しければ、レコードの売り上げだけで週間ビルボードチャートの50位ぐらいに入ったはずです。
ではなぜこんなリリース手法をとったのかというと、この件に関する本人たちのインタビューを目にしたことがないんで実際のところはよくわかりませんが、レコードに対する愛があったのは間違いないと思います。
Vitalogyの2曲目のSpin the Black Circleからそれはよくわかります。
歌詞を無視して曲だけ聞くと怒りに満ち溢れた曲と思ってしまいます。
しかし「黒い輪を回せ」という曲のタイトルどおり、レコードに関することを歌っています。
私はレコードに興味を持つまで、この歌詞なんて全く記憶に残っていなかったです。
アルバムのブックレットにはSpin the Black Circleの歌詞の下にはCD is like BAD ACID. No For Production or Consumption. VIVA LA VINYL.(CDは悪いLSDのようだ。製造も消費もすべきではない。レコード万歳。)との記載があります。
このようにレコード不遇の時代に頑張っていたことがよくわかります。
あとは反商業的な姿勢も影響していたのかもしれません。
そういう時代でしたから。
Vitalogyは本のような特殊パッケージですが、これに関する費用はレコード会社ではなくバンド側が負担していたと思います。
日本盤には歌詞以外の本のような特殊パッケージに記載されている文章の和訳もついているんでおススメです。
中古なら悲しいことに1円と送料で買えます。
まあCDですけどね。
Pearl Jam / Vitalogy リンク先はamazon
まあそういうわけで、レコード氷河期に「レコード万歳」と主張していたVitalogyの記録が破られると聞いたときは残念にも感じてしまいました。
でもそれだけレコードが注目を集めているってことですから勿論良いことだと思います。
私は残念なことにお、このVitalogyのオリジナルレコードは持っていません。
リマスターレコードのみです。
何回か中古屋で見かけたことはあったんですけど、アナログレコーディングかどうかよくわからないから敬遠してしまいました。
数年前は3000円ぐらいだったと思いますけど、現在だとどのぐらいの値段でしょうか?
買っておけばよかったなあ。
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