Foo FightersのSonic Highwaysの感想

最近のFoo Fihgtersはビッグになりすぎてオルタナティヴとは言い難いですね。
2000年代以降のインディが好きな方にはあんまり縁のないバンドというイメージもあります。

まあそれこそレッチリなんかよりは刺激的で冒険的なことはしていると思います。

今日は今更ながら去年リリースされたSonic Highwaysについてです。
これは同時に制作されたドキュメンタリー映像とともに味わうべきアルバムです。

単純に音楽についてならそれこそ前作のWasting Lightの方が断然よいです。
そこそこのアルバムって感じです。

許しがたいのはこのアルバムのレコードは内周歪みが結構ひどいです。
2枚組にしてくれればよかったのに。
アナログにこだわりのあるデイヴからは考えられない内周歪みでとても残念でした。

ここからは褒め言葉ですが、このアルバムはテーマが壮大なんですよねえ。
「これはアメリカ音楽史へのラブレターだ」ってことですがこれは大げさな表現ではありません。

収録曲は8曲だけなんですが、1曲ごとに違う都市でレコーディング、その土地の現在と過去の音楽シーンと向き合う中でデイヴが感じたことが歌詞になっています。

各都市の音楽シーンについてやレコーディングの模様がドキュメンタリーとして制作されています。
全8都市で全部で8話、約8時間。
私はWOWOWで放送されたのを見ましたが、これは最近DVDでもリリースされました。
ソニック・ハイウェイズ [DVD] リンク先はamazon

例えば1話目はシカゴですが、シカゴはこういう土地で昔からこういう音楽シーンがあって、こういう人物がいて、こういう音楽歴史があって・・・と紹介され、シカゴの伝説的なスタジオでのレコーディング映像も楽しめます。
シカゴで感じたことをデイヴがアルバム1曲目のSomething From Nothingの歌詞にして、シカゴでレコーディングっていう感じで終わります。
この場合は、シカゴの人たちは「何もないところから作り上げた」ってことでSomething From Nothingというタイトルになったのだろうと。

だから、本当にこのアルバムを理解するとなるとドキュメンタリー映像と歌詞の対訳は必須です。

音楽だけだとそこそこですが、映像と歌詞とともに堪能すると結構面白いです。
デイヴも刺激的なことを思いつくなあと感心してしまいます。

各都市の音楽シーンの紹介ではロック以外の音楽も含まれます。
ジャズ、ブルース、カントリー、大衆ポップもです。

個人的にはニューオリンズの伝統的なジャズを守っているシーンが面白かったですが、ウチのサイトを見に来るような方にとってはアンダーグラウンド、パンクに関心が向くでしょうか。

シカゴといえばスティーヴ・アルビニ、レコーディングもアルビニのスタジオで行われました。
この映像のインタビューで初めて知ったんですが、アルビニもスタジオ経営は金銭的に楽じゃないそうで・・・

ワシントンDCはNirvana以前のデイヴの本拠地でしたし、この土地といえばイアン・マッケイですよね。
もちろん彼も登場します。

ナッシュビルはカントリーがメインなんでウチのサイト関連のバンドは出てきません。

オースティンはAustin City Limitsという有名なテレビ番組の話がメインなんですが、予想外にもJesus Lizardのデヴィッド・ヨウやButthole Surfersのギビー・ハインズが出てきてビックリ。
まあほんの少しですが。
13th Floor Elevatorsというバンドも発見できました。

ロサンゼルスではLAメタルではなくパット・スメアのGerms、都心から離れたパームデザート地帯、まあQOTSAのジョシュ・オムのホームタウンの砂漠の話がメインです。
Kyuss最高です。

デイヴが避けて通れないのはシアトルですね。
シアトルで制作、レコーディングされたのはSubterranean(地下、地下に住む人などという意味)という曲です。
これは地下に石で造られたRobert Lang Studiosでレコーディングされたからっていうのもあるでしょうが、SUB POPの前身はSubterranean Popだったというのもあるでしょう。

最後のニューヨークに至ってはオバマ大統領にもインタビューしていて、デイヴはアメリカ最大の都市で何を感じたのでしょうか?

この作品を堪能するには金も時間もかかりますが、それなりに面白いんでおススメです。

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