いよいよ最終回。
振り返るっていう作業は予想外に難しくてねぇ。
当時思っていたことと、現在振り返って思うことは必ずしも同じわけじゃないし記憶が曖昧な部分も多かった。
だから、何年も前にこのブログで書いたことと違うじゃん!って突っ込まれても困るw
それに、あくまで俺が感じたことだから、それは違うだろう!と思われることも多かったと思います。
最終回だけあって、かつて無いほどの長文です。
まあ、自己満足だから良いんですw
グランジ・オルタナティブのサイトを製作していたこともあって90年代のバンドを聞いてばかりいましたが、去年辺りからそれも一息。
改めて00年代バンドを聞いてみると、結構面白かったりします。
今年の2月にArcade Fireのライヴを見た後に思ったのは、こんな凄いバンドでも何らかのムーヴメントを起こすことができないのならば、もうムーヴメントは発生しないだろうってことでした。
ロックなスターもエミネム以降出現していない。
どこかのインディ・レーベルのオーナーが「1000万枚売るバンドはいなくなる、その代わり100万枚売るバンドが10組出現する。」というようなことを言っていた。
そういう時代なんでしょうねぇ。
何となく分かるでしょ?
今の主流のロックと言えばエモなんでしょうが、それこそニューメタルと比べれば勢いは劣る気がする。
メガヒットが出ない代わりに、「色んなジャンルの音楽が受け入れられる」という理想的な状況になりつつあると思う。
90年代オルタナティブの象徴の一つはロラパルーザだった。
ロラパルーザの衰退を参考にして欲しいですが、大衆は本当の意味でのオルタナティヴを求めていたわけではなく、所謂グランジを求めていた。
オルタナティヴという言葉は本来の意味を失い「ヘヴィメタル以外のラウドでノイジーな音楽」を示す言葉に成り下がってしまった。
オルタナとは?を参考のこと。
ロラパルーザは矛盾していたよね。
ジャンルに拘らずあらゆる音楽を肯定するって姿勢があってこそ成り立っていたはずなのに。
それが真実じゃなかったんだ。
90年代のロラパルーザに参戦したBeckはこのように呟きましたが、今はメガヒットが出ない代わりにジャンルに拘らずあらゆる音楽が肯定される状況だと思います。
なかなか理想的w
90年代のオルタナティヴ・ムーヴメントが成し得なかったことが現実になっている感じですかね。
面白ければどんな音楽ジャンルでもOK!っていうような。
ムーヴメントが起きない代わりにフォロワーがチヤホヤされることもない。
色んな音楽がそこそこの注目を集める!みたいなね。
そういう意味ではUSインディロックに希望を感じています。
USインディには、Arcade FireやBright Eyesのように強く思い入れることができるバンドは少ないけど、面白いバンドは沢山いる。
まあつまらないのも多し、ヘロヘロなサウンドはPavement、シンフォニックな楽器を取り入れているバンドはFlaming Lipsを連想しちゃうけどさ(苦笑)。
何回も言うけど、「様々なジャンルの音楽と融合してきたロックはもうネタ切れ」というのもあるのでしょう。
でも、White Stripesのような2人組とか、最近多いツインドラムなバンドを見ていると、ネタ切れロックをなんとか打ち破ろうとしているように思える。
Gogol Bordelloのように「こんな音楽聞いたことが無い!」っていうのもあったしね。
だから面白いことが起きるのでは?という期待もある。
UKは完全にハイプ(過剰宣伝)が天井を突き破っているような状況だけど、バブルが弾けて面白いことが起きる可能性はあると思う。
個人的にはThe Musicの3rdに期待している。
勝負作となる3rdならアクモンもこれからですしね。
こういうわけで、俺は希望を捨ててはいません。
まあ、時代の空気を反映しているバンドも少ないけどさ。
00年代を一言で言うとブッシュによる暗黒の時代だった。
それを反映しているバンドは少ない。
世界はどんどん恐ろしくなってきている。
まるでファシストがウッドストック20周年を記念してフェスティヴァルを開いているみたいだ…
オゾン層の破壊だの世界が吹き飛ぶだのと周りが言っている所で、どうやってポップスを演奏するんだ?
音楽は聴き手に往復ビンタを食らわすようなものでなければならない。
Ministryのアル・ジュールゲンセンが90年代に発言したんだけど、こういうバンドは確かに少ない。
でも、Arcade FireやBright Eyesのように少なからずも存在するから、希望は捨てません。
結局、2000年代に最も活躍したバンドは90年代バンドのRadioheadでしょうかねぇ(苦笑)。
Kid Aは00年代だったしね。
00年代バンドに限ればStrokesと言いたいところだけど、時代を反映しているという意味でArcade Fireに軍配が上がると思う。
Bright Eyesを贔屓したいところだけど(苦笑)。
未来を予想するのは難しい。
最近復活した「バツ日本」の世界進出と日本のアニメブームが絡んで、日本バンドが世界中でムーヴメントになる可能性も否定できないわけで(苦笑)。
まあ、俺のロックに対する希望の光が幻に終わらないことを祈っております。
まとまりが無いけど、2008年に2000年代を振り返る!はこれにて終了。
Thanks For Your Attention!
コメント
時代の空気を反映しているバンドはなぜか少ないですよね。
平和とは無縁な世の中なのになぜ平和なバンドが多いのだろうと最近のエモなんかを聞くとそう感じてしまいます。
ブッシュは最悪です・・・どんどん状況をひどくするばかりで00年代は本当にブッシュによる暗黒の時代という言葉がよく似合う。
アクモンは2ndがつまらなかったので次に期待したいです。
まだロックに希望を持ちたいですね。
そうですなあ・・・
生ぬるいバンドが多いですよね。
エモなんて単なるポップと思えてしまいます。
でも良いバンドも少ないながらも存在するので今後にも期待したいです。
まさかこのままRock Is Deadにならなければいいんですが・・・
「1000万枚売るバンドはいなくなる、その代わり100万枚売るバンドが10組出現する。」
すっごい頷ける!!!
ほんっと最近こんな状態だよね!
色んなジャンルの音楽を楽しめるなら、私も幸せだなぁ。
バフェで色んな国の食べ物をちょこちょこと食べれる様な感覚よね。w
レディオヘッド、、私悪いけどクリープ以外好きな曲全く無いわ…w
みんな良い良い~って言うんだけどね。。
そして私もThe Music の3rdに凄い期待してる!
最近な~んも彼らの情報が入ってこないけど、いつの間にか解散してたとかは無いよね?w
色んな音楽が注目されているって良いよね!
流行になると似たようなバンドが増えるからねぇ。
同じものばっかり食べてても飽きちゃうよ。
だから俺は広く浅く聞く。
俺はどうしてもOasisが苦手だなあ・・・
The Musicは長い間、表に出てこなかったね。
今年のフジロックに出るらしいよ。
だから解散は無いよw
自分もブログの進行とともにライブラリーを振り返ってみてましたが、なかなか大変でした。
8年って結構な時間ですね。
自分の趣向も少しずつ変化して行くし、シーンも少しずつ、特にリリース方法などが大きく変化して行く事で、もっと面白い音楽が出てくるといいですね。
USインディやカナダオルタナなども、資本の影響を受けすぎずに、良い方向に進んでいってくれるといいなぁ。
>ブログの進行とともにライブラリーを振り返ってみてました
このコーナーを全て読んでくださったのですか!
ありがとうございます。
00年代を振り返ってみると色々感じることもあったと思います。
たったの8年ですが、結構長いですよね。
流行の始まりなんてメディアのハイプからスタートするのだと思いました。
今までは日本の主要雑誌を情報源にしてきましたが、もう止めようかなあ。
自宅は低速回線なので、ネットで自力調査は難しいのですが、騙されて商業的なバンドを聞かされるよりは良いかな。
いつもここに来ている人たちはみんな読んでると思いますよ〜。
僕がいつも読ませてもらっているのはHyottoko さんの切り口が好きだからです。
田中さんの切り口が好きだからSNOOZER読んでます。みたいな感じですよ。(笑)
最近はハイプもさほど悪い物ではないんじゃないか? と思います。
自分も情報に振り回されていなければ、今のような価値観にはなっていなかったでしょうしね。
でも、さすがに今のUKは訳が分からないくらいになっているので、自分で情報を限定しない事にはしょうがないですけどねぇ….
いやー、ネットで長文は嫌われがちなので誰もマトモに読まないだろうと思ってしまいましたw
ありがとうございます。
俺は未だにハイプには騙されてしまいますけど、少しは賢くなったかなあ。
失敗して学ぶというか。
UKは本当に分けがわからないですね。
田中さんはエキセントリックという横文字で面白いことになっていると言っていますが、どんなもんですかねぇ・・・