Sebadoh (セバドー)

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Sebadoh (セバドー)のアルバム紹介

Sebadoh (セバドー)の概要

Dinosaur.Jrに在籍していたルー・バーロウとエリック・ガフニーとの宅録テープ交換から生まれたバンド。
ダイナソー脱退後、ルーはSebadohを中心とするソロ活動に専念するようになった。

このバンドはシアトル出身ではないが、グランジオルタナ期はSUB POPに所属していたので、こちらにカテゴライズすることにした。

SebadohはPavementやBeat Happening同様に、ロー・ファイを確立した重要なバンドと言われている。(ロー・ファイについてはオルタナティブに含まれる音楽ジャンルを参考のこと)

Seadoh 28曲(You Tube)

僕は、自分にはそれしかないからLo-Fiなんだ。・・・

「君はなぜロウ・ファイなのか? なぜ自分を負け犬だと思うのか?」なんてことばっかり聞かれてさ。
中産階級の若造かなんかとしか思われていない。
なぜロウ・ファイがこんな風に受け止められるか分からないよ。・・・

ローファイは、僕が常にそこへ帰って行くであろうレコーディングテクニックなんだ・・・
Lo-Fiを意味のあることだって捉え方が嫌なわけ。
レコーディングの仕方だけによって評価される音楽があるってことがね。
(ルー・バーロウ)

上の発言は同じくロー・ファイと呼ばれたリズ・フェアとの95年の対談から抜粋したもので、安い機材でのレコーディングに多少こだわりがあるようだ。
しかし96年には、好きでロウファイだったわけではなくカネが無かったからだという発言を残している。

実際に、Sebadohは作品を重ねるごとにサウンドが厚くなっていった。
また、クリーンなギターと甘いメロディだけでなく、ダイナソーを連想させる轟音も垣間見せる。

Sebadohは、80年代前半から後半の宅録テープをリリースした後、92年からSUB POPに在籍。
ルーのワンマンバンドというわけではなく、ルー以外のメンバーの曲も多い。
メンバーチェンジを繰り返しながらも4枚のアルバムをリリースしている。

ルー・バーロウはSentridoやFolk Implosion 、ソロ名義などSebadoh以外のプロジェクトでも活動的だった。
Sebadohは2000年頃に終止符が打たれ、ルーは他のプロジェクトに力を注ぐようになった。

2005年にはDinosaur Jrが再結成、2007年にはエリックを含むオリジナルラインナップでのSebadohでツアーをすると宣言。

ルーのメインバンドはDinosaur Jrのようだが、合間を縫って活動を展開中で2013年と2019年にはアルバムをリリースした。

関連リンク


Sebadoh (セバドー)のアルバム紹介

1.スタジオアルバム

The Freed Man

ルーー・バーロウとエリック・ギャフニーによる80年代の自宅録音集なだけあって、デモテープ以下の素朴なサウンドだ。

1曲の長さは1分以下から2分以内、再発盤は収録曲が50曲にも及ぶ。
一人で地道に自宅でレコーディング作業をしている姿が目に浮かぶだろう。

アマチュアのようで、これこそ真のローファイ。
だが、バンドサウンドを求めるなら手を出さない方がいいかも。

The Freed Manの日本盤


III

Homesteadからリリースされた91年の3rdアルバム。
このアルバムからドラマーのジェイソンが加わり3人編成となった。

ギターポップな”Freed Pig”や”Violet Execution”、素朴でローファイ感溢れるアコースティックな”Total Peace”や”Truly Gr-eat Thing”、轟音ギターの”Limb My Limb”、”God Told Me”など様々なタイプの曲が楽しめる。

最も印象的なのはアルバムの中盤から終盤に目立つ、アマチュア的で素朴なフォークソング。
後期のアルバムでは余り聞くことができないので、このアルバムで聞くのが良い。
ただし、脱力感溢れるヘロヘロなサウンドを好きになれるかは人それぞれ。

逆に言えば、コアなLo-Fiファンなら最高傑作に挙げるだろう。

再発盤はエクストラ・トラックを18曲も収録した2枚組。

IIIの日本盤


Bubble and Scrape

93年リリース。
これもIIIと同様に、下手な歌とヘロヘロでショボいサウンドが印象的。
ローファイを理解するには最適なアルバム。

“Fantastic Disaster”のハーモニカ、へなちょこ轟音ソング”Elixir Is Zog”が良い味出してる。
ルーには悪いが、負け犬をいう言葉を連想してしまう。

Bubble and Scrapeの日本盤


Bakesale

94年の5th。
初期ほどヘロヘロ感はないが、必殺ポップソングが満載なので入門にはオススメだ。

少し元気でノイジーな”License To Confuse”、”Careful”、”Magnet’s Coil”の三連発の後は、元気の無い悲しげな曲が続き、ノイジーになったり静かになったり。
ルーの歌声は全体的に脱力的なのでローファイも多少味わえる。

この時点でオリジナルメンバーのエリック・ギャフニーはSebadohを去っているが、バンドの全体像を知るには最適なアルバムだ。

Bakesaleの日本盤


Harmacy

96年作。

バンドの後期にリリースされただけあって、サウンドはローファイではなくしっかりしている。
だが、”Ocean”、”Open Ended”のようなメロディアスな曲では脱力的なヴォーカルを楽しめる。
1曲目の”On Fire”はSebadoh史上屈指の名曲。

“Beauty Of The Ride”のようなDinosaur Jrを連想させる轟音も面白いので、このアルバムから聞いても損しない。

バンドのリーダーはルー・バーロウだが、メンバーに曲作りを求めるタイプ。
その結果、ルー以外のメンバーが製作した曲が約過半数を占めている。

Harmacyの日本盤


The Sebadoh

99年作。

Sebadoh史上、最も元気一杯の内容になっている。
サウンドも、このバンドにしては洗練されている。
メロディセンスも相変わらず素晴らしい。

しかしエネルギッシュな反面、バンドの持ち味である脱力感が失われてしまったとも言えるので評価が難しいところ。

The Sebadohの日本盤


コンピレーションアルバム

Smash Your Head on the Punk Rock

92年のSUB POP第一弾アルバム。
アルバムとは言うものの、UKのレーベルから過去にリリースされた3枚のEPに収録されていた曲を集めたもの。

“Sebadoh Vs Helmet”というEPからも選曲されているが、そのEPがHelmetと製作されたのかは良く分からない。

アルバムのタイトルどおり、轟音なパンクロックな曲が収録されている。

2007年現在、再発されていないようなのでCDの入手は難しい。

Smash Your Head on the Punk Rockの日本盤


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