Beck (ベック)

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Beck (ベック)のアルバム紹介

Beck (ベック)の概要

Nirvana以降のオルタナ・シーンで最重要人物の一人。
芸術家アル・ハンセンの孫であるベックが曲をリリースし始めたのは93年頃で、94年のLoserの大ヒットにより注目を集めた。

ブルース、カウントリーを下敷きに多種多様な音楽を独自のインスピレーションで、芸術的エゴに走って難解な曲を作るのではなく、ポップ化するという音楽性によりオルタナを代表する一人となった。

Beck 28曲

詳しくはカート死後のUSオルタナ3大バンドを読んで欲しが、彼が取り入れる音楽はあまりにも多種多様で真似不可能。

ベックをオルタナティヴと呼ぶのに疑問を抱く人も多いようだが、当時は真新しい音楽だったからだ。
オルタナティヴとは?を参考にして欲しい。

80年代の音楽は大っ嫌いだった。
そこにNirvanaとかが登場して音楽に個性とインスピレーションを呼び戻したんだよ。
お陰で、(91年に書いた)Loserは当時見向きもされなかったのに、(93年にリリースされた時)世に迎え入れられた。

ただ、そこには気の抜けないムードが漂っていたんだよね。
僕が感じたのは、土壌が整ったわけだから今度は笑おうよ、新しい音楽を鳴らそうよ、80年代のゴミが一掃されたスペースで何か新しいことをしよう、ってことなんだ。
(ベック Buzz Vol.18 January 2000から引用)

また、オモチャ箱のようなアルバムの後には、アコギ主体のアルバムをリリースするという商業性を無視したインディを連想させる活動、「ロー・ファイ」、「宅録」、「ルーツ音楽への回帰」といった言葉を連想させる音楽性によるところもオルタナと言われる所以。
ベック以前は、オルタナ=ノイジーなギターという雰囲気だったが、それは見事に崩れ去った。

Beck自身は、「90年代オルタナムーヴメントには片足を突っ込んだ状態で、自分自身はWhite Stripesのような00年代のバンドに共感している」と発言したこともある。

96年のアルバムOdelyで大成功を収めた後、ニュー・メタルに存在感を消された感があるが、音楽シーンの流行り廃りなど気にせず、常にマイペースで現在も活動中。

関連リンク


Beck (ベック)のアルバム紹介

1.スタジオアルバム

Mellow Gold

94年リリース。
今までに録音していた曲を1枚にしたものらしい。
個人的にはこれが一番好きだ。

ごった煮サウンドはすでに健在で質も高い。
しかし、無名時代の録音ということもありLow-Hi感が強く脱力的だ。
そのため以後のアルバムを比べると厭世的な印象を受けるし、聞いていると真面目に生きるのが馬鹿らしくなる。

Loserばかりが注目されがちだが、Pay No MindやSteal My Body Home、Mutherfuckerなど様々な雰囲気を持つ名曲が詰まっている。

Mellow Goldの日本盤


Odelay

96年作でベックの評価を決定付けたアルバム。

多種多様なサウンドを自己流にブレンドし、明るすぎず暗すぎず、ポップだけど奥が深いという非常にバランスのとれた作品なのでこれから聞いて欲しい。

音楽ジャンルをここまで無効化できるベックの引出しの広さとセンスに脱帽すること間違いなし。

プロデュースはDust Brothersと共同で行われた。
このアルバムからはWhere It’ Atがヒットし、グラミー賞を受賞。

Odelayの日本盤


Mutations

98年リリースの「静」のアルバム。
Sea Changeが気に入ったなら是非とも聞いてもらいたい。

椅子に座ってゆったりと聞く類の音楽だが、Sea Changeよりも使用されている楽器が多い気がする。
キャッチーで分かりやすくはないが奥が深い曲が多いので、末永く楽しめる。

「静」のベックの方が好きな人も多いだろう。

Mutationsの日本盤


Midnite Vultures

99年作。

まさにオモチャ箱をひっくり返したような内容で、最もポジティブな雰囲気に溢れるアルバムだ。

初期のPrinsが引き合いに出されギターが最も目立たないが、ポップソングで楽しく踊れそうな曲ばかり。
“Sexx Laws”、”Mixed Bizness”、”Get Real Paid””Beautiful Way”、”Milk & Honey”がオススメ。

Hi-Fiなベックが堪能できるが、世間での評価はイマイチ低いアルバムとなってしまった。

Midnite Vulturesの日本盤


Sea Change

音楽ジャンルをごちゃ混ぜにしたアルバムの後には、ブルース、フォーク、カントリーといった自らのルーツを見直す静のアルバムを発表するのがベック。
その手のアルバムの中では2002年のこれをオススメしたい。

Radioheadで知られるナイジェル・ゴドリッチのプロダクションと、ベックの実父であるデヴィッド・キャンベルのストリングス、効果的なシンセサイザー、そしてベックの深い歌声が見事に融合。
哀愁感がただよう美しくも儚い傑作。

しかし残念ながら当時猛威を奮っていたニューメタルに存在をかき消された感がある。

Sea Changeの日本盤


Guero

05年作。

過去にリリースしてきた様々なアルバムを彷彿させる集大成的なアルバムと評価されることもあるので、まずはこれを聞いてみるのもアリ。
個人的には集大成とは思えないが。

ベックにしてはエレキギターの音が目立つ作風で、曲も”Girl”に代表されるようにポップさ全開で申し分なし。
ベックのキャリアの中でも傑作に入るだろう。

Gueroの初回限定日本盤(2005年)


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