レコードを水洗いしてみました。

洗い終わったレコードをすすいでいるところ アナログ・レコード

*レコードの水洗いの方法について試行錯誤した結果、この記事で従来書いていた方法とは違うやり方で水洗いするようになったので、この記事は2017年10月24日に大幅に内容を書き換えました。

コンニチハ、Hyottokoです。
最近は新作をほとんど聞きません。
レッチリのように昔のバンドの新作もです。
まあ数回は聞きましたが。

そういうわけで、バンドやアルバム批評などをブログに書けません。
書くとしたらメディアやオーディオ機器の内容になってしまいます。
今日はレコードの洗浄についてです。

中古屋で買ったレコードの中には汚れが酷かったり埃にまみれているものが多々あります。
私に言わせてみれば汚れはともかく埃だらけという状態は理解に苦しみます。
私がレコードに入門するときに「再生前には必ずホコリを取る」という知識を仕入れたもので、再生前には必ず実践していますし、そうしていればホコリだらけになることはないと思うからです。

これを実践している人って実は少数派なのでしょうか?
1分もかからない作業なんですけどねえ。

ちなみに私はオーディオテクニカのレコードクリーナーAT-6012を使用しています。
湿式タイプですがクリーナー液は使用せずに乾式として使用しています。

レコードの洗浄というのはネットでいろいろ調べてみると、諸説あって正しい洗浄の仕方というのはないようです。
例えばレコード洗浄液やスプレーはレコードを痛めるから使用しない方がいいとかそういう説です。

まあメーカーの見解、例えばナガオカトレーディングのレコード盤のクリーニングというページもありますが、これは意地悪な見方をすれば商品を売るためのページですし、ここでも「アルコールで拭くのは賛否両論ある」とかはっきりしないことが書かれています。

だからまあ自分の直感と実体験をもとに自分なりの方法を模索していくしかないのですが、このたびレコードの水洗いに挑戦してみることにしました。
中古レコードは前に持ち主にどのように扱われてきたかわかりませんし、聞く前に一度しっかり洗浄したいなあと。

水洗いというと「レコードを水で洗って大丈夫なのか」と心配する方も多いと思いますが、レコード解説書にも書かれていますし、ネットで調べると実践している方も多いです。

ただ人によって方法が違います。
「ああした方が良い」だの「これは使用しない方が良い」だの諸説ありますから。
ここでは私が実践している内容を紹介しますが、参考にする場合は自己責任でお願いします。

まず水道水には不純物が含まれており、それがレコードに残ってしまうとノイズの原因となるという説があります。
言われてみればそうかもしれないと思うのですが、水洗いの過程を全て精製水を使用するのは金銭的に難しいです。
そこで家庭用浄水器を使用します。

家庭用浄水器

次に、水洗いの欠点としてレコードの真ん中のシール(レーベルと呼ばれています)が貼ってある部分が濡れるとダメになってしまうというのがあります。
真ん中のステッカーを保護してやらないといけないんですが、ここでは写真のものを使用しました。

レコードレーベルカバー

取り付けるとこんな感じです。
写真のレコード盤には花柄模様が写っていますが、近くにあるカーテンの模様が写り込んでしまっただけで、レコードは普通のブラック盤です。

レコードレーベルカバーを取り付けたレコード

これは素晴らしい商品です。
これを使用してレーベルが濡れたことなどないですし、水洗いの際は取っ手にもなります。
盤面に直接手で触れるわけにはいきませんから非常に便利です。

私が使用しているのとは違いますがレコードラベル保護プロテクターはamazonで購入できます。

いよいよ水洗浄の取りかかります。
食器洗い用の桶に水と食器洗い用の洗剤を入れ、ガーゼを浸して洗剤をつけます。
ガーゼは旭化成 ベンコット BEMCOT M-3Ⅱ 250X250mm 100枚入です。

食器用洗剤と水を混ぜた液体にガーゼを浸します

そのガーゼで音溝に沿って磨いていきます。
写真では下に置いて磨いていますが、写真撮影のために左手が使えなかっただけで、実際は左手でレコードレーベルカバーの取っ手を持って作業しています。

洗剤をつけたガーゼでレコードを拭いているところ

次にデンターシステマで音溝に沿って磨きます。
デンターシステマはとても細いので音溝深くまで磨くことができるということで、ネット上では使用している方を多く見かけます。

デンターシステマでレコードを洗っているところ

音溝を傷つけてしまうかどうかは不明なのでくれぐれも自己責任で使用してください。
私はとても汚い盤以外はあまり使用しません。
ガーゼで磨いて終わりです。

洗い終わったらすすぎです。
洗剤が残ってしまうとロクなことになりそうにないので私は洗いよりすすぎに時間をかけます。
洗剤をつけたガーゼとは別のガーゼを使用します。
ここでも写真撮影のために左手が使えなかっただけで、実際は左手でレコードレーベルカバーの取っ手を持って作業しています。

洗い終わったレコードをすすいでいるところ

すすぎ終わったらまた別のガーゼで水を拭き取ります。
ガーゼで水を拭き取って絞っての繰り返しです。
写真では少しわかりにくいかもしれませんがレーベルカバーを外すとゴムが付いていたところに沿って水が残っているので忘れずに拭き取ります。

レコードレーベルカバーをはずした後の写真

そうしたら、レコードスタンドに立てかけて乾燥させます。

レコードスタンドで乾燥させているところ

私はBELLDREAMのレコード乾燥台BD-LKD11を使用していますが、評判はまちまちです。
理由としては立てかける際や取り外す際に、鉄の部分で盤面を擦ってしまって傷がついてしまうからです。
くれぐれも慎重に作業しましょう。

先程紹介したナガオカトレーディングのレコード盤のクリーニングというページによると「乾燥後は潤滑剤入りの音溝保護タイプのスプレーを吹き付け、全体を万遍なくみがいてください。洗った後は表面の本来持っている油分も除去されていますので補う必要があります。」と書いてあります。

これも言われてみれば何となく理解できるのですが、自社の商品を売りたいだけなんじゃないかと疑ってしまいます。
レコードクリーナーやスプレーには賛否両論ありますしね。

でもまあレコード停滞期も長年頑張ってきたナガオカ様のおっしゃることを信じて潤滑剤を使用することにしました。

洗ったレコードが乾いたら、ナガオカ レコードクリーナー スタットバン562を使用します。

ナガオカのスタットバン562

レコード盤に潤滑効果を持たせることで、針による摩耗を減らす効果が期待できます。
ただ成分は全くの不明です。
裏面には記載されていません。

ナガオカのスタットバン562の裏側の写真

アルコール類と書かれているだけです。
油は含まれているのでしょうか?他の成分は?

とまあ疑い出すとキリがないのでやめときます。

水洗い後のことに移りますが、水洗いをしたにもかかわらずプチノイズが水洗い以前よりも増えてしまうことがあります。
これは水洗い後によく起きる現象のようです。
理由は洗剤が溝に残っているとか浮き出たゴミが取り切れていないとからしいです(未確認)。

何回か再生して音溝に針を通せば次第にプチノイズは消えていくとのことです。
実際、私のプチノイズが増えてしまったレコードも何回か再生したらプチノイズは消えていきました。
プチノイズが消えなかったらどうしようかと心配しましたが・・・

ただ、5回以上再生しなければ消えない盤もありました。
そういうわけで、水洗いしたレコードを録音してデジタル化する前は一律5回針を通してから行うことにしました。

当たり前のことですが、洗浄で効果があるのはホコリや汚れに対してだけであってキズに起因するノイズには無効です。

最後に水洗いの感想ですが、汚れや埃には絶大な効果を発揮すると思います。
また非常に多くの静電気を帯びた盤も水をかければきれいスッキリ静電気は消えます。

ただし水洗いは非常に手間がかかります。
楽しいのは最初の1枚目だけです。
面倒な作業ですし傷つけないように集中力も使用しますし、疲れる作業です。

BELLDREAMのレコード乾燥台BD-LKD11には11枚までセットできますが、1枚に乾燥台にのせるところまで8分かかるとして11枚だと88分です。
一度にそれだけ水洗いするのは大変です。
私は頑張って一度に11枚を水洗いすることが多いですが、たまに途中で挫折することもあります。

埃や汚れには効果は絶大ですが、手間を考えるとレコード愛がないとできないですね。
水洗いがレコードに与える長期的なダメージについては時が経ってみないとわからないことが多いです。
まあしつこいようですが自己責任でお願いします。

コメント

  1. 彡あしたのかぜ彡 より:

    すごいな・・・の一言でございます。

    レコードが洗えるなんて知りませんでした。
    私もやってみようかしら(。◠‿◠。)

  2. Hyottoko より:

    手間はかかりますが難しいことではないんで是非チャレンジしてみてください。

  3. まお より:

    私も水洗いを始めました。それまではクリーナーとクリーニングクロスで。
    水洗いをすると劇的に音が違うのに驚きました。とても良いですね。
    ただプチプチノイズが不安だっただけに、考察を拝見し一安心しています。有難うございます。

  4. ぴの より:

    レコードの手入れは大変ですよね。私も水洗いしています。
    新品なのに、初めからプチプチとノイズが発生する盤もあります。
    水洗いして、専用のクロスで水を吸い取って、乾かしています。
    ノイズが取れないときは、歯ブラシ(極細毛)で中性洗剤を薄めたものを使用してブラッシングして、その後、水洗いして乾かします。
    結構、改善するレコード盤があるのは確かです。
    恐ろしくも音が良くなるものがあり、その時は、CDを超えた音質となって快感です。
    洗浄も趣味の内と思って努力しています。

  5. Hyottoko より:

    >まおさん

    水洗いの効果は絶大ですよね。
    洗った後に針を通すとプチノイズが多いですし、再生後は針や盤に異物が散見されます。
    やはりすすぎきれていない洗剤なのでしょうか・・・
    音溝の清掃で最も効果があるのは針を通すことかもしれませんね。

  6. Hyottoko より:

    >ぴのさん

    新品のレコードは結構ゴミだらけだったりノイズがしたりしますよね。
    私は新品のレコードは洗剤を使用しない水洗いをしています。
    明らかに汚れがひどいものは洗剤を使用します。

    一度に洗う枚数を少なくすれば面倒臭さは激減するんですが、使い捨てガーゼや洗剤などを用意したら数枚で洗浄終了するのはなんだかもったいないので、乾燥台にのせられる最大枚数である11枚を一度に洗浄してしまいます。
    作業は大変ですが、音が良くなったと実感した時はうれしいです。

  7. たろう より:

    レコード洗浄は水では効果があがりません。
    試しに温水(ぬるま湯)でやってみてください。
    その効果は驚くほどです。もちろん洗浄液など不要です。

  8. Hyottoko より:

    実はいつも温水でやっております。

タイトルとURLをコピーしました