1994年作で生演奏とサンプリングの融合という前作での路線を発展させたものだが、完成度はとてつもなく高く、90年代を代表するアルバムの一つ。
最高傑作といわれることが多く、ぜひとも聞いていただきたいアルバムだ。
ジャズ・フルートのループが素晴らしいSure Shot、ジャズの名曲をサンプリングしたRoot Down、ジャズを取り入れたヒップホップで名を馳せたQ-Tipをゲストにむかえて制作されたGet It Togetherなどのジャズ影響下の曲が印象的だ。
SabrosaやFutterman’s Ruleなどのインストゥルメンタルも冴え渡る。
一方でTough GuyやHeart Attack Manなどのハードコア・パンクもある。
Sabotageは轟音ギターを取り入れたラップ・ロックでモダン・ロック・チャートで健闘し、この曲のビデオが高い評価を得た。
俺たちとしてはたとえば「チェック・ユア・ヘッド」も「イル・コミュニケーション」も、世間が考えてるヒッブホップの枠を超えたヒップホップだったと思ってるってことなんだ。
世間の連中にはヒップホップだとは思えないようなものも、俺たちの定義ではヒップホップに含まれていて、そういうのも含めたヒップホップのために俺たちは活動してるってことなんだよ。
世間のヒップホップ観ってもっと狭いものかもしれないけどね。
「1分間にこれだけの回数のビートを刻んでるのがヒップホップだ」とか「ヒップホップはこうであるべきだ、ああであるべきだ」みたいなさ。
Beastie Boys マイクD / ロッキングオン1998年7月号