1992年作。自身で設立したグランドロイヤルというレーベルからリリースされた。
サンプリングを多用した前作とは正反対で、自ら楽器を手にとっての生演奏が8割を占めているのが最大の特徴であり新機軸。
普通のヒップ・ホップ、ラップグループのイメージとはかけ離れたことをやってのけてきたことがオルタナティヴという言葉を連想させる所以だ。
前作リリース以降、ヒップ・ホップ界隈ではサンプリング使用料が高騰、またサンプリングに関する訴訟は増加。
実際にBeastie Boysも訴訟を起こされたこともある。
生演奏を取り入れた理由はそういう世情も関係していると思われがちだが、実際のところは単純に演奏したかったからとのこと。
(サンプリング問題と今回の生演奏との関連を問われ) いや、生でやったのは俺達がそうしたかったからさ。
聞いている音楽がファンキーでメロウな音だったってことも影響してると思うんだけどね。
でも俺からしたら、そういうサンプリング問題って悲しいよ。
サンプリング許可一つとるのにあれだけの段階を踏んであれだけの金がかかって、その結果、禁止みたいな形になっちゃっているのさ。
可能性が失われていくってことじゃない、それって。 ただ、俺達の場合は本当に生でやりたかったんだ。
サンプリングはサンプリングで使いたいもん使ってるしね。
マイクD ロッキングオン1992年12月号
ジャズやファンクなど様々な音楽ジャンルの影響が垣間見えるが、私たちの趣向からすればロックの要素が満載なのが嬉しいところ。
クロスオーバー、ミクスチャーと呼ばれた音楽が好きな人には違和感なく耳に入ると思う。
ハードロックなPass The Mic、Gratitiude、So What’cha Want、自身のルーツであるハードコアに接近したTime For Livin’、サイケデリックなSomething’s Got To Giveがおススメの曲だ。