1997年作。
アルバムタイトルを直訳すると「300万枚売れるアルバムへの美しい過程」。
前作での商業的失敗に対する皮肉だろうか。
アルバム制作前にベーシストのジェニファー・フィンチが脱退してしまい、残された3人で制作された。
へヴィ一辺倒ではなくなり多様性が増したいうのが全体的な印象だ。
ピアノを取り入れたOff the Wagon、サイケデリックなBitter Wine、昔のアメリカンロックを連想させるNon Existent PatriciaとMe, Myself and Iなどは彼女たちの新境地。
DramaやBad Things、The Masses Are Assesなど攻撃的なサウンドも健在ではあるが、音楽性が多様化した裏で攻撃性やスリルは後退してしまった。
それにI Needの甘ったるいコーラスと緊張感が皆無で、単なるポップソングとしか思えないMoonshineのインパクトが強すぎて、生ぬるくなってしまったと否定的な印象を受けてしまう。
更には前作の商業的失敗から「ヒット曲を書かねばならない」というプレッシャーを感じていたのではないかと疑ってしまう。
ライヴでも緊張感が後退してしまったようで、リリース翌年の来日公演ではクリアな音質と生ぬるい雰囲気を指摘するライヴ評もあった。
この変化を進化と捉えられるかが評価の分かれ目だ。
このアルバムではプロモーションビデオが制作されず、売り上げも伸びず、結果的にメジャーレーベルとの契約を打ち切られてしまうことになってしまった。