PUNK’S NOT DEADの感想

PUNK’S NOT DEADっていう映画を知っています?
概要はbounceニュースで。

パンク/ハードコアの実録映画「PUNK’S NOT DEAD」が、スペシャル・ボックス仕様で2008年1月23日に限定発売

わざわざ買わなくてもレンタル屋で借りることができます。

内容はパンクの歴史をたどっていくようなものです。
昔のパンクから今のパンクまで。

ウチのサイトの90年代パンクに掲載しているようなバンドが何百万枚ものセールスを記録して大衆化した辺りから、疑問を問いかけるような内容になっていく。
あとはNirvanaもかな。


bounceや他のサイトの言葉を借りるなら、「商業ロックへのアンチとして発したパンク」が商業ロックになってしまった、とか「当初はあくまでカウンターカルチャーであったが、現在ではポップカルチャー(大衆文化)として多くの人が受け入れる存在」になってしまった今のパンクをどう思いますか?って感じ。
肯定派と否定派のどちらかを贔屓しているわけではなく、どちらも平等に扱っている。
アンダーグラウンドで支持を広げるベテランバンドを追っかけたかと思えば、大観衆の前でプレイしているような今時のポップパンクと呼ばれるバンドの言い分も聞いている。

俺はどう思うかって?
もちろんイマドキの「音楽性だけパンク」否定論者ですからw

そりゃあ、昔のパンクを実体験したわけじゃあない。
でも、昔はパンクが今現在より危険な存在だったことは理解できる。

L7のジェニファーが「昔は髪を染めるのだって決心が必要だった」と言っていたけど、今はそんなことないでしょう?
俺が中学生の頃は、それこそヤバい行為だったですけどね。
少し茶色くしただけでも不良扱いで教師から呼び出し確実w
まあJリーグが開幕して、髪を染めたり長髪にしたサッカー選手がメディアに登場してから崩れていった記憶がありますけど。

髪を染めるのだって今じゃ普通。
ピアスもタトゥーも普通。
派手なモヒカンだって昔ほどインパクトはない。
パンクという音楽も世間から嫌われるものではない。

つまり、俺には今のパンクは親が嫌う反逆の象徴ではなくなっているとしか思えません。
反逆的に受け取られていないのに昔のパンクと同じことをする、それどころか大衆ウケするようにポップ化しているっていうのがね・・・
イマドキの「音楽だけパンク」は進化するどころか退化していると思います。

昔と比べて親は寛大になった!
じゃあ次は何をする?
アイデアが浮かばないから昔のバンドと同じでいいんじゃない?
みたいなね。

この辺りにもロックはネタ切れっていうのを実感します。

わかりやすく言えば、パンクファッションが氾濫しているこの御時世、オシャレなんてダセエ!と言い放ち、メンバー全員丸坊主に白の無地Tシャツ、しかも毎日それを着続ける!っていう方が反逆心を感じるわけです。
大衆ウケはしないでしょうけどw

この作品の残念なところは、パンクを「音楽ジャンルとしてのパンク」としか捉えていないこと。
PILやSonic Youth、Big Black、Rage Against The Machineなんて出てこない。
パンクとは何ぞや?っていうのは人それぞれだから難しいんですけど、俺は「音楽だけパンクなバンド」よりも他のバンドにパンクを感じます。
俺にとってパンクはDIYを土台にした精神的なものです。

音楽ジャンルとしてのパンクは死んだ。
まあ中には、こいつらは本当に怒っている!っていうバンドもいるかもしれませんが、PUNK IS DEADだ。
パンク精神は、パンクと呼ばれていないバンドに受け継がれていると思う。

だから映画の中の最近のパンクバンドの言い分に納得できる部分もあるけど、それがパンクとは思えませんでしたねぇ。

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