1993年にギタリストのピーター・メンゲデが自身の創造力を発揮して曲作りに参加できないことを理由に脱退し、ロブ・エチェベリアが新たなギタリストとして今作が制作された。
リリースは1994年で、ロック以外のジャンルの音楽性を積極的に取り入れたことがこのアルバムの特徴だ。
主体となっているのはHelmet流のヘヴィな曲だ。Wilma’s RainbowとMilquetoastのギターリフを聞いていると、後にニューメタル、ラップ・メタルの王者として君臨したKornを連想してしまう方は多いと思う。それだけ革新的なバンドであったといえるだろう。
一方でまるでレッチリのようなBiscuits for Smut、ジャズ曲のカバーであるBeautiful Love、ヒップホップっぽいThe Silver Hawaiian、ジャズやウエスタン、ブルースという言葉を連想してしまうSam Hellのように音楽性の幅の広がりを見せた。
当時は音楽的評価もセールスも前作に及ばなかったが、現在では再評価が高まっているとの声も聞かれる。
当時はジャケ買いして「だまされた!」と思った方も多いかもしれないが、ジャケットに関してはペイジは次のように語ったことがある。
アルバムのアートワークは俺達が気に入っているもので、奇麗に撮れている写真であればいいわけ。多くのバンドのジャケットが、単に暴力的でヘヴィーなイメージであればいい、みたいになって、遊びの要素が欠けているように思えたんで、俺達はそれに逆らってみたんだ。
ペイジ・ハミルトン / ロッキングオン1995年1月号から引用