ブームとしてのオルタナティヴが終焉をむかえつつあり、ニューメタルがトレンドになりつつあった1997年にリリースされたアルバム。制作前にギタリストのロブが脱退したが、メンバーを補充せずに制作された。
前作Bettyでジャズやブルースやファンクなどを取り入れて幅を広げた音楽性から一転して原点回帰を図り、メロディアスに歌い上げるヴォーカルを目指した。
1曲目のPureこそ緊張感があるが、ミドルテンポでメロディアスな曲が続くと生ぬるさを感じてしまう。また、サウンドがクリアーで洗練されたものになったのも緊張感の欠如につながっているように思える。ギターリフもキレがないように感じる。アルバムのラストを飾るアップテンポのCrisis Kingもあまり心に響かない。
もちろん、このようなメロディ志向への変化を進化と捉えて今作を評価する意見もある。
今にして思えばニューメタルのさきがけのようなアルバムだったのではないだろうか。(ペイジはオルタナティヴ・ムーブメントもニューメタルも嫌悪しているようだが)
結果的にセールス的にも音楽的評価もさらに落ち込み、バンドは1998年に解散を決意した。理由はペイジと他のメンバーとの関係の悪化だと思われる。