2004年の7thアルバム。
前作のポジティブでポップな要素をあっさりと捨て、再び内向的な路線となった。
「絶望的な愛の王国」といった曲のタイトルからも理解できるだろう。
ドラムはロブ・エリスが叩いているが、その他の楽器とプロデュースはポーリーが全て担当している。
サウンドは原点回帰的と評されることが多い。
シンプルでローファイ、荒削りな仕上がりだ。
しかし過去のアルバムとは一味違うと感じるのは、本人がいうように揺るぎない向上心によるのだと思う。
怒り狂う曲からアコギで歌い上げる曲まで表現力は、初期と比べて確実に変化している。
7作目にもかかわらずマンネリ化とは無縁で、しかも傑作を作り上げるとは、ポーリーは真のアーティストだとしかいいようがない。
この時期のツアーの様子を収録した映像作品としてPlease Leave Quietlyがある。