前作から5年後にリリースされた2016年作で、前作と同様に自身の内面ではなく外の世界について歌ったアルバムとなった。だが今作は母国イングランドのことを取り上げたのではなく、旅行で訪れたアフガニスタン、コソボ、アメリカの首都ワシントンDCの貧困地域で実際に目にしたことがテーマとなっていることが前作と異なる点だ。
リリース当時はLet England Shakeほどの評価を得ることはなかったが、あらためて聞いてみると楽曲の質の高さには驚かされる。メロディが素晴らしいし、古い楽器を織り交ぜた構成は見事で、特にサックスの存在感が抜群だ。隠れた名盤といってもよいかもしれない。
キャッチーなメロディの中に人殺しを繰り返す人類に対する絶望と未来への希望を交錯させたA Line in the Sand、幻想的なRiver Anacostia、とにかく曲が素晴らしいThe Wheel、1ドル恵んでくれと叫んでいる少年を扱ったDollar, Dollarがおススメの曲。


