98年リリースの5thアルバムで、歌詞とサウンド共に転換期にあたる。
歌詞の面では売春婦のアンジェリーナや、かつて都会のレディだったが没落して孤独なキャサリンなど、第三者的な立場で語る歌詞に変化。
また今までのアルバムは、歌詞を付けることを拒否していたが今作からは解禁している。
サウンド面では、ノイジーなギター主導のロックから撤退し、ピアノやダンサンブルなビート、打ち込み音などが主役となっている。ブリストル・サウンド、トリップ・ポップ、Trickyとの共演などからの影響が指摘されている。
音楽性だとPortisheadの暗黒世界が最も近いと思うが、決して「そのまんま」ではない。
自身の情念をストレートに表現しているわけではないが、三人称といってもポーリーが実際に感じたことを物語風に歌っているのだろう。
人生のダークな部分をリアルに表現している。
ダークなビートが印象的なThe Wind、ダークで破壊的な雰囲気とPj Harveyの歌とメロディが美さがマッチしたPerfect Day Elise、妖しいドラムとベースに儚いピアノとコーラスが絡んでくるThe Garden、ピアノ主導のThe River、ハードなNo Girl No Sweetなどが代表曲か。
収録曲全ての質がとても高いので最高傑作に挙げる人も多いだろうし、是非とも聞いてほしいアルバムだ。