95年作。90年代の最高傑作といえばこのアルバムを挙げる人が多いと思う。
前作以上にインディ時代を連想させる作風となっている。
だが初期衝動や本能に従ったというよりは、計算されたノイズとまではいかないが「円熟味」や「ベテラン」という言葉が似合うサウンドだ。
聞けば聞くほど収録曲全ての質が高いことが分かるというSonic Youthらしいスルメアルバム。
特にBecuz、Junkie’s Promise、Saucer – Likeの冒頭3曲とSkip Tracerは人気が高いと思う。
ラストを飾る20分にも及ぶ大曲The Diamond SeaはSonic Youthの新境地。
サーストンのリラックスしたヴォーカルで始まり、ノイズの洪水やクリーントーンを掛け合わせていく構成は美しさや儚さを感じさせる。
本人がいうには、実験的サウンドと楽曲を納得のいく形で融合できたのは初めてだそう。
まさに「ダイアモンドの海」、この曲だけでも聞く価値は十二分にあるはずだ。