2007年にリリースされたスマパン復活作。
ドラムはジミー・チェンバレンが叩き、他の楽器はビリーが手がけるというSiamese Dreamと同じような状況で制作された。
ジャケットの海に沈む自由の女神、ブックレットに掲載されているアメリカの典型的なセレブであるパリス・ヒルトンの写真、全体的な歌詞の内容からして、当時のブッシュ政権下のアメリカを批判しているかのようなアルバム。
そのためかSmashing Pumpkins史上最もへヴィで怒りに満ちていて荒々しいものとなった。
逆に言えば解散前のスマパンに存在したサイケデリアやドリーミーな感覚、その他様々な音楽性の要素があまり感じられず、へヴィ一辺倒なサウンドになってしまったことが、昔のサウンドを期待していたファンの一部から非難された。
またそのようになってしまったのは他のオリジナルメンバーの不在が原因だとされてしまった。
個人的には過去のアルバムそのまんまな作品よりも新たなアプローチにチャレンジしているところを評価したいし、過去の名作と比べれば劣るといわざるをえないが復活作としては及第点だと思う。
Bleeding The Orchidは90年代のバンドに起きたことに対して遠回しにコメントした曲で、Alice In Chainsへのちょっとしたオマージュになっているとのこと。
ビリーが「1995年のパンプキンズみたいでメロンコリーに収録されていてもおかしくない」といったThat’s The Way、強弱法を用いたNeverlost、ビリーの歌い方が印象的なBring The Light、アコースティックで書いたというFor The Country、オーケストラではなく80年代のキーボードを使用したことが功を奏したバラード風のPomp And Circumstancesなどからは従来のスマパンを感じることもできるが、やはり全体的な印象としては昔のスマパンままではない。
これを認められるか否かが評価の分かれ目だ。