Nirvanaの大ブレイクによってシアトル出身バンドが脚光を浴びるようになったが、キンキラキンの衣装に身を包んでいた80年代のバンドとは対照的な、普段着やボロボロの古着を身にまとった乞食のような彼らのファッションにマスコミが注目するようになり大流行していった。
破れたジーンズ、ネルシャツ、カーディガン、ショーツ、コーデュロイジャケット、ワークブーツ、ニット帽、Tシャツを裏返しに着る、Tシャツ重ね着がグランジ・ファッションの主なアイテムと活用法といったところか。
それらのアイテムはグランジという言葉の元にマーケティングされた。
有名ブランドがそれらの特徴を取り入れ、ファッションショーで発表するようになった。
中には、マーク・ジャコブスのようにグランジを大きく取り上げたことでのし上がったデザイナーや、DKNYのように音楽雑誌にグランジを意識した広告を出すという露骨な商法を取るブランドもあった。
ただし、コム・デ・ギャルソンやマルタン・マルジェラは、グランジ以前の80年代につぎはぎやほつれが目立った服を発表していたようなのでブーム便乗とはいえないかもしれない。
そのようなデザインがグランジと呼ばれるバンドのファッションとリンクしたためにグランジファッションとカテゴライズされたのだろうか?
ブーム後は、音楽は無視されファッションだけ一人歩きし、今でもグランジを取り入れた服が発表されたりしている。
デザイナーはともかく、着ている人はもはやミュージシャンの真似をしているといった意識はなく、単に定番化した感がある。