管理人の私見

管理人はグランジ・ファッションの流行について否定的な考えだ。

音楽が無視されファッションだけ流行るのも良い気分はしないが、最も腹立たしいのは、グランジ・オルタナ・ムーヴメントの核心の部分、流行なんてクソだ、右へ倣えと従う必要なんてないという姿勢には見向きもせず、流行っているからという理由でNirvanaを聞き、古着を着るという輩が大量発生したことだ。

元々、グランジ・オルタナ勢は型破りな存在として登場してきた。
それなのに、レコード会社やアパレル企業などが金儲けに利用し、流行に飲み込まれて型にハマってしまうという悲劇。

グランジ・オルタナ系のバンドは、流行に左右されない個性的な音楽を創っていた。
多種多様なバンドが存在していた。
フォロワー・バンドや個性の乏しいバンドが支持され、みんなが着ているグランジ・ファッションを真似する。
この状況から、個性的なバンドに感化されたと思われる人間はほんの一握りで大多数は流行に洗脳されたわかっていない奴らだったと言わざるを得ない。
流行から生まれる新たな消費で金儲けを狙った企業のカモだったのだ。

真似が悪いわけじゃない。音楽だってそうだが、最初は真似から入るものだ。
だが、フォロワー・バンドを聞き、街中に自分と似たような格好の人間ばかりという状況を見て、流行の馬鹿らしさに気がつくはずだ。
個性の尊重はどこへやら。
しかし、それに気づくことができない思考が停止した量産型人間が世の中には多すぎる。

いまだに続いているのが、有名ブランドがグランジを取り入れるということ。
ボロボロの服を大金をかけて製作し、高額で販売するという手法。
そこには、落ちこぼれが抱いていた成金や拝金主義に対する嫌悪感など皆無だ。
外見だけ盗み取り、精神的な部分は無視されている。
どうせ真似するなら貧乏人の僻みともいえるこの精神性を真似して、ブランドに手を出さずに安い服で工夫してもらいたいもの。

ファッション雑誌にグランジが特集されても、アンチトレンド・アンチ成金といったグランジ・オルタナの姿勢には触れられない。
ただ、Nirvanaがグランジを流行らせ、自殺したといったことしか書かれない。
当事者たちはグランジに呆れていたことも無視される。

グランジ・オルタナ・ムーヴメントはよくロンドン・パンクと比較されるが、ファッションという面でもよく似ている。
金がないという理由でゴミみたいな服を色々工夫して着ていたピストルズのファッションが流行になった。
そういうファッションを真似た服が高額で売り出される始末。

ズボンが破れたら安全ピンで留めるまで。要するに金がなかったのさ。
(ジョン・ライドン)

ピストルズは新しい空間を作り出した。客たちが個性的になっていくのを見るのは気分がよかった
(ジョン・ライドン)

しかしその後は

パンクは、型にハマってしまった。始まりはあんなんじゃなかった。
(ポール・クック)

パンクはファッションしか興味がないヤツが破壊した。
(ジョン・ライドン)

グランジ・ファッションは昔と違って定番になってしまった。
ジーンズをはくとき、ジェームズ・ディーンを意識している人なんて皆無であり、グランジ・ファッションもそれと同じような感覚だろう。
ミュージシャンの真似をしているという感覚は薄れ、ファッションだけが一人歩きしている。
だが定番になろうとも、グランジ・オルタナに感化された身としてはいい気分はしない。


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