音楽雑誌の自炊(電子化)

かなりお久しぶりになってしまいました。
今日は音楽雑誌の自炊についてです。
自炊っていうのは紙の本をスキャナーで読み取って電子化することです。

大量の音楽雑誌の置き場と傷み(カビが生えてきたとか)を未来を含めて総合的に考慮して、電子化を決断しました。
紙である以上、今後傷みがひどくなっていきますしね。
クロスビートはだいぶ前に休刊となってしまいましたが、ロッキングオンは内容的には非常に厳しいんですが義理人情で買い続けておりますし、二十数年分ともなると置き場に困ってきます。

結論を言いますと、私と同じ悩みを抱えていて金銭的に余裕のある方にはおススメですが、完璧主義者には不向きですかねえ。

自炊についてはググれば山ほど情報が出てきますが、雑誌をスキャナーで読み取りやすいように1ページ1ページバラバラになるように裁断し、スキャナーで読み取ってPDF化するという手順が基本です。
裁断しないでスキャンする方法もありますが、時間と手間がかかりすぎて雑誌二十数年分もスキャンするには現実的ではないですし、置き場に困っているのでスキャンしたら捨てるつもりなんで非破壊にこだわる必要はありません。

まず本の表紙の構造についてです。
表紙、裏表紙、背表紙の3つがあります。
写真ではわかりにくいですが背表紙は緑色で塗ってある部分です。
裁断するからには3つとも完璧に残せません。

表紙、裏表紙、背表紙

手で慎重にはがすしてなんとか残すという手段がありますけど写真のように多少粗が目立ちます。

表紙を手ではがしたもの

下の写真のように失敗して背表紙の一部を失ってしまうことも、まあ剥がしやすさは紙質よって変わってくると思いますけど。

表紙を手ではがして失敗したもの

次の写真は裏の様子ですが、左側はノリが残ってしまっています。
ノリがスキャナーの読み取り面に付着してしまうと、スキャンした写真がおかしくなってしまいます。
また白い部分から紙粉が飛び散りそうな感じがします。

表紙を手ではがしものの裏面

まあそういうわけで色々面倒だったり不都合があるので私は3つの表紙を完全に残すのはあきらめました。
ラッキーなことに私が勤めている会社にはなぜかホリゾンの業務用裁断機があるので、それで表紙ごとザクっと裁断しています。

裁断機で裁断

写真のようにこの方法ですと背表紙すべてと表紙裏表紙の一部分が失われてしまいます。
私は全く気にしませんが、完璧を求める方には向いていません。

裁断機で裁断したもの1

裏面です。発行人とか発行日が記載されていますが別に残さなくてもいいと思います。
できる限り残そうとして接着面ギリギリで裁断するとノリが残ってしまうことが多いです。

裁断機で裁断したもの2

裁断が終わったら次はPCに読み取る作業ですが、スキャナーは王道のScanSnap iX500です。
セットしてボタンを押せば1枚1枚自動で読み取っていってくれます。

ScanSnapで読み取り中

重送(2枚重なって読み取り面に送られること)を検知する機能もちゃんと働いてくれるので安心です。
まあ検知されるのは裁断したもののノリでくっついてしまっているページがほとんどです。
ロッキングオンのカラーページは紙質的にくっつきやすいんで心配でしたが重送されることはほとんどありません。

ただ、写真のような読者アンケートはがきを抜き忘れると重送検知にも引っかからない場合があるので注意が必要です。
アンケートはがきを残してもしょうがないんで私はスキャンせずに捨てています。

ロッキングオンの読者アンケートはがき

ScanSnap付属ソフトでPDF化まで可能です。
最高画質でPDF化すると1冊で大体1.5GBから1.8GBぐらいですかねえ。
ページ数やカラーページの量によっても変わってきます。
2000年代前半のロッキングオンはページ数が多いので2GBを超える場合があります。

スキャンが終わったら画像の確認を行いますが、結論からいうと妥協との戦いです。
下の写真はスキャンしたページの一部ですが、中央に縦の白い線が入っています。

スキャンした画像に入っている白い線

これは読み取り面に紙粉や紙くずなどが付着していると発生してしまう現象です。
スキャナーの読み取り面やスキャンする紙に付着したゴミや汚れまでスキャンしてしまいます。
ただこれを完全に無くすのは読み取り面をこまめに清掃していてもなかなか難しいです。

背景が黒い場合や写真のページなどでは目立ちますが、背景が白で文字しかないページではほとんど目立ちません。
まあ音楽雑誌は写真が多いですけどね。

写真のページにしても、好きなバンドの写真に白い線が入ってしまったらスキャンし直しますが、好きでもないバンドの写真なんかに手間をかけるのは面倒なので私はそのままです。

まあ確かに白い線は気になりますが、適度なところで妥協しないとキリがないし莫大な手間がかかってしまいます。
完璧主義者には音楽雑誌の自炊はやはりむいていないです。

音楽雑誌をPDF化したものについてですが、もちろん紙の雑誌として読んだほうが読みやすいです。
紙で見ることを前提にレイアウトされたものですしね。
ただ頻繁に繰り返して読むものではないので許容範囲かなあと思います。

これは音楽雑誌以外の書籍にも言えることですが、タブレット等に入れて持ち運ぶのはとても便利です。
重たくて大きい本を持ち運ぶのとは大違いです。
そう考えると紙にこだわっている音楽雑誌も電子化にかじを切った方がいいかもしれません。

最後に金銭的な話ですが、まずは先程紹介した王道スキャナーScanSnap iX500が45,000円ぐらい。

裁断機は私はラッキーなことに会社にあるのを使用していますが(ただし会社に雑誌を持って行って裁断して持って帰るという手間がかかりますが)、普通は購入しなければなりません。
ピンキリですが一度に200枚裁断できるというDURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DXは40,000円ぐらい。

後は音楽雑誌を約20年分スキャンし、さらにそれ以外の書籍も電子化するということを考慮するとハードディスクが必要だろうと思い購入しました。
万が一に備えバックアップ用も買いました。
3TBを2個で約20,000円。
まあ3TBは余裕ありすぎかもしれません。

あとはScanSnapのメンテナンス用品ですかねえ。
富士通 クリーナF1 FI-C100CF1とかです。
詳細はScanSnap iX500 お手入れ情報を見てください。

最低でも50,000円以上の出費は覚悟しないとダメだと思います。
何年分の音楽雑誌を自炊するわけじゃなく数冊程度であればDMMの自炊キットレンタルの方が良いかもしれません。

去年の9月から開始して本棚がスッキリしてきましたけど、まだクロスビートが6年分ぐらい残っています。

かなり長くなってしまいましたが今日は以上です。
これはあくまで私のやり方なんで興味のある方は自分の道を見つけてみてください。

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