コンニチハ、スフィアン・スティーヴンスです。
アメリカの平均的なドライバー象は、反社会的で病的で復讐心を持っており、ナルシスティックで思いやりがなく、軽率で犯罪的で法を守らず、他人に害を及ぼし自己中心的であり、自分の前を行く車を障害とみなし、それを是が非でも乗り越えようとする(征服しようとする)。
BQEという道路を極めるには、まず無鉄砲で無責任な本能的衝動に身を任せて、良心を棄てて、すべての力を自己陶酔だけに集中させ、自分の中にある最も暗い精神病的な傾向を喚起させて、
堕落した人間の原初の獣性に爪を立てて、恍惚として酔いしれたまま、直進的な動きをする武器(アクセルペダルとハンドル、そして車体をへこませる2トン級のパワーを備えた)で武装するればいい、
俺はクルマ人間だ!(BQEのスフィアン・スティーヴンス自身の解説文から)
日本のドライバーもこんな感じですけどね。
車を運転しているときは世の中クソだなあと思う瞬間の一つです。
スフィアン・スティーヴンスのニューアルバムはどうなんでしょうね?
私はまだ聞いていません。
今日はスフィアン・スティーヴンスのThe BQEというアルバムについてです。
リリースは2009年ですが厳密にいうと2007年作。
面倒なのでamazonのThe BQEの日本盤の解説を引用します。
ブルックリンの由緒あるオペラハウス、BAM(Brooklyn Academy of Music)で毎年開催されている Next Wave Festivalの25周年記念の目玉企画の一つとしてスフィアン・スティーヴンスに委嘱され、2007年11月に3夜連続で上演されたコンポジション/ 映像作品「The BQE」(ブルックリンとクイーンズを結ぶ悪名高いハイウェイ、BQEをテーマにしたもの)。
スフィアン自身が新たに編曲・録音・ミックスも手がけ、映像にも再編集を施した決定版が、CD/DVD2枚組のデラックス仕様でリリース!
つまり映像と音楽が一体となった作品です。
テーマはBQE(Brooklyn-Queens Expressway)という高速道路。
場所を知りたい方はニューヨーク・メトロポリタン地図(ニューヨーク郊外の拡大地図)を見てください。
BQEは278だそうです。
音楽性はクラシックとエレクトロって感じです。
全部歌なしのインストです。
最初見たときは、映像遊びとしては面白いなあ程度にしか思いませんでした。
なぜフラフープが頻繁に出てくるのか?とかね。
amazonの解説にはBQEは「悪名高い」と書いてありますが、渋滞が酷いってことかなあ。
こりゃあ現地人にしか理解できないんじゃないのと。
ブックレットにはスフィアン自身の超長文解説が掲載されていて、日本盤にはその訳が付いています。
それを読んで納得しました。
音楽と映像だけではわかりずらいんですが、スフィアン自身はかなりBQEのことを良く思っていないようです。
以下、BQEのスフィアン・スティーヴンス自身の解説文から一部抜粋。
最新都市計画という名の暴力の下で周辺地区を分断し、多くの産業用地を奪いながら運河の等高線に沿って建設されてきた。
自動車エンジンが発明されるずっと以前から続く町並みや地域環境を生かしながら複雑なネットワークを形成することを目指した1950年代当時の道路建設計画の構想とは相反する場所だった。
インターチェンジの信じがたいほどの使いづらさ、市民に対する道路用地摂取が脅迫的なやり方で行われた。
大きく口を開いた数え切れないほどの深い穴、ヒビの入ったコンクリート、湾曲したガードレール、錆付いた柱壁など、これらは全て高速道路としての寿命が来てしまっていることを示しており
いくつもの急勾配や急カーブ、予測できない迂回路、そして連なる何台ものトレーラーや大型トラック
この道路の存在意義は利用者を運ぶことではなく、あたかもブルックリンやクイーンズというお化け屋敷のようなエリアを通り抜けながらポストモダンな無謀運転のスリルを楽しむために存在しているかのように思えてくる。
これを読んで映像を良く見てみると、錆び付いた橋とか出てきますし、無謀運転のスリルっぽい映像もあります。
東京で言うところの首都高みたいなもんなんでしょうか?
首都高をはじめて走ったときは、これで事故るなっていうのは無理なんじゃないかと思いました。
曲がりくねっているわ、右からも左からも合流してくるわ、合流するときの加速車線が凄く短いところもありますし、そんな中で夜中はバカみたいに飛ばす車もいますし、とにかくはじめて走る人にとっては恐ろしいところなんですw
車線の幅も狭いですし。
首都高の全てを走ったことはないですが、まあ銀座辺りは事故が多いかなあと思います。
案内表示なんて見ていられません。
私は一度道を間違えて、降りて再び700円払って乗るという寄付をしたことがありますw
道を覚えていないと難しいです。
東京近郊の人にしかわからないと思いますけど、はじめて走る人は気をつけてください。まあ渋滞のトロトロ運転だったらある程度は楽なんですが。
これが東京オリンピックに間に合わせるために強引に作ったツケなんですかね?
まさにジェットコースター、無謀運転のスリルを楽しむために存在しているかのように思えてきます。
話をBQEに戻しますが、スフィアンの超長文解説を読んだ上でじっくりアーティスティックな映像に見入っても良いですし、堅苦しいことは抜きに音楽を聞きながら映像をボンヤリ眺めるのもオススメです。
映像には頻繁に車輪と同じまん丸のフラフープが登場するのですが、これが何を意味するかっていうのは、ここで書いちゃうと日本盤に失礼なので、スフィアンの解説を読んでのお楽しみってことで。
amazonのレビューにはインストだから輸入盤でも問題ないと書かれていますが、スフィアンの解説なしには理解不可能な部分もあるので、私は解説の訳が付いている日本盤をオススメします。
解説は10ページもあるので読み応えがありますよ。
最後にThe BQEの写真集。
まずはジャケット。
ジャケを開くと三面体。
映像も三面体でそれぞれ違う映像です。
フラフープ3人衆。
これはいったい何を意味しているのでしょうか?
以上です。
これの首都高ヴァージョンも誰かに作って欲しいなあ。
コメント
the BQE 興味あったので、とても参考になりました!
日本盤入手したいと思います。
スフィアンの新作も楽しみですね~
もう全曲無料配信してるんじゃなかったでしょうか。
amazonを見る限りでは輸入盤と日本盤の価格差が小さいんで、その方がいいと思います。
新作はストリーミングで聞けるみたいですね。
貼っておきましょう。
http://sufjanstevens.bandcamp.com/album/the-age-of-adz