
Melvins (You Tube)
Melvins (メルヴィンズ)の概要
Melvinsはカート・コバーンと同じくシアトルから180kmほど離れたアバディーン近郊出身で、トリオ編成のバンドであった。バズ・オズボーン(Vo,G)とデイルクローヴァー(Dr)の二人は不動であったがベーシストのメンバーチェンジは多い。
活動を開始したのは1983年ぐらいで、当初はテンポの速いパンク・ロックを演奏していたが、ハードコアとメタルを融合させたBlack Flagに影響を受けて演奏のテンポを遅くし、Black Sabbathのようなドロドロとしたヘヴィ・メタルの要素を取り入れるということをシアトル近郊バンドの中でいち早くやってのけたことは、多くのシアトル・バンドに影響を与えることとなった。
詳しくはMelvinsの功績を読んでいただきたい。
キム・セイル(Soundgarden):(1984年のMelvinsのライヴで)みんなが「キム、今の聞いたか?」って叫んでたよ。「メルヴィンズ、めちゃくちゃ遅いじゃん!」って感じだった。メルヴィンズが街で一番速いバンドから一番遅いバンドに変わったなんて、本当に驚いたよ。すごく大胆で勇気のある行動だったと思う。みんなパンクロックとか、アート的な破壊行為をやろうとしていたのに、メルヴィンズは世界で一番ヘヴィなバンドになろうと決めたんだから。
バズ・オズボーン(Melvins):ブラック・フラッグの一件さ。
キム:ちょうどその頃、Green River(ストーン・ゴッサードがPearl Jam結成前に所属していたバンド)とSoundgardenがはじめて一緒に活動を始めた頃だった。マーク・アーム(Mudhoney)とベン・シェパード(Soundgardenのベーシストだが、当時はマーチ・オブ・クライムズというパンクバンドに所属していた)と俺は、いつもStoogesについて話していた。MC5のような、スローで、憂鬱で、幻覚的で、ヘヴィな「フィーリング」について話していたんだ。よくその話をしたよ。でも、Melvinsがそれをやってのけたんだ。
バズ:当時、シアトルのバンドはみんなAerosmithみたいなサウンドを出したがっているように見えたよ。
キム:誰のこと?Green River?俺たちじゃないぞ!
インタビューア: (笑) キム、Melvinsのどんなところがあなたにとってかっこよかったの?
キム:彼らがすごく速い音楽からすごく遅い音楽に移行したのは、勇気ある一歩だったと思う。速いことがパワフルだと思っていたパンクロックの連中にとっては、それは大きな出来事だった。
俺が興奮した理由の一つは、それが俺の密かな楽しみに訴えかけたからかもしれない。俺はずっとスローでヘヴィな音楽が好きだったから、彼らはヘヴィメタルのあるべき姿でヘヴィメタルをやっていると思った。人々は「スローこそメタルだ。スローになったらパンクじゃない」と言っていたし、メタルは眉をひそめられていた。でもMelvinsの音楽にはオペラのような芝居じみたボーカルも、自己陶酔的で終わりのないギターソロもなかった。それにブーツも!(笑)あのヘヴィメタルブーツ。
Melvins / バズ・オズボーンとSoundgarden / キム・セイルの対談 Guitar World February 1995
そのように、シアトルの先駆者と言われたりやグランジのゴッド・ファザーなどと語られることが多いが、それだけでは説明が不十分だ。彼らのテンポの遅いヘヴィな音楽はスラッジやドゥーム、ドローン、ストーナーなどと呼ばれる音楽の先駆けとなったことも大いに評価するべきである。
サウンドはとにかくヘヴィで重苦しく、エクスペリメンタルの要素もあるのでコマーシャル性や大衆性は皆無で、単調なリフや効果音のようなものが延々と続く曲などもあるので、ポップさやキャッチーなメロディを好む人は波長が合わないだろう。好き嫌いがはっきり分かれる音楽だと思う。
上述したようにシアトル近郊では重要なバンドであったが、バンドは1988年に拠点をサンフランシスコに移しており、グランジ・ムーヴメントが勃発した頃にはシアトルには存在しなかった。
しかし、グランジの流行やNiravnaの成功による影響から、1990年代にはメジャーレーベルと契約を結び、3枚のアルバムをリリースした。難解な音楽性であるがゆえに、もちろん大ヒットすることはなかったが。
その後は主にFaith No Moreのマイク・パットンのインディ・レーベルであるIpecacから作品をリリースしている。2026年現在もバンドは健在で、トータルで20枚以上のアルバムをリリースしている。
関連リンク
Melvins (メルヴィンズ)のアルバム紹介
Melvinsのアルバムについては、山崎智之さんのサイトの方が参考になるでしょう。
おすすめアルバム
ポップでキャッチーなバンドではないので、どれを入門用として推奨するか難しいが、これが最適か。






