2007年作。
With Teethから2年後という、NINにしては短いタイムラグでリリースされたのに驚いた人も多かったと思う。
NINのアルバムの中で最も政治色の強く、テーマに沿ったコンセプトアルバムとなっている。
日本盤ライナーによると「舞台は15年先の未来。全体主義による統治が進み、政治的にも精神的にも生物学的にも限界に達した世の中で、ゼロに向かう恐怖のカウントダウンが始まっていく。」というストーリーだ。
その背景にはブッシュ政権や間違った方向に進んでいるアメリカ人に対する怒りがあるのだろう。
Year Zeroに関する謎のサイトを多数出現させて話題となった。
CDは再生すると熱により黒から白に変色する細工が施されており、白くなったCDに数字が浮かび上がるのだが、その数字も謎のサイトにアクセスするための暗号のようなものになっているらしい。
謎のサイトに関することは膨大な情報量なのでninwikiのTimeline of Year Zero Discovery(英語)を参考にしてほしい。
これらはインターネットの口コミで広まっていったようで、ネット時代を強く意識したNINらしいプロジェクトとなった。
肝心の音楽はAphex Twinを連想させるようなドラムなど非常に機械的なサウンドとなった。
古臭いサウンドなどという批判もあったし、過去のアルバムと比べると質が劣る感も否めなかったが、改めて聞いてみるとNINらしいサウンドだと思うし、ポップな曲の中にも奥の深さがあると思う。