女性ロッカーの台頭

誰が昨日の新聞を欲しがる? 誰が昨日の女を欲しがる? そんな奴は誰もいない
(Rolling Stones / Yesterday’s Paperの歌詞から引用)

ロックには元々女性を性欲の処理対象としか考えない傾向があったと考える人もいる。
これらの価値観を強く受け継いだのが80年代に流行したLAを中心としたHR/HMだ。

そんな中、80年代に新しい価値観を提示したのはマドンナだ。
当時開局したMTVを巧みに利用し、次々とイメージを変え、古い女性概念を壊していったらしい。
中でも、Like A Verginのセクシャルな表現は強烈だったとよくいわれる。
また、結婚や離婚など私生活でのスキャンダルも人々に影響を与えたらしい。

そして90年代に入り、グランジ・オルタナというパンク革命の中で、従来の価値観に囚われない個性的な女性ロッカーたちが登場した。

女が性的なことや攻撃的なことをやると、人々はうろたえる。
(シンニード・オコナー)

(女性がバンドで成功する条件として)第一にビューティフル、第二にセクシー、第三に男からの言い訳として知性的ってのがある。
(スカンク・アナンシー / スキン)

ベイブス・イン・トイランドこのような従来の価値観に逆らい、女性ということに捕らわれず自由気ままに活動する女性が台頭してきた。

Babes In Toyland、L7、Hole等の女性のみ、または女性中心のパンク・バンドの魅力はズバリ攻撃性と荒々しさ。
従来のアメリカのメインストリームには無かった表現である。

紅一点系ではSonic Youthのキム・ゴードンのようにバンドで主役級の活躍を見せる女性も登場。

リズ・フェアシンガー・ソングライター、女性Vo系では、イギリスから登場してきたPJ HarveyはアルビニがプロデュースしたRid Of Meで「あなたじゃ私のアソコは濡れない」と堂々と歌って見せた。
Liz Phairも「あなたのフェラチオ・クイーンになりたい」とストレートに性的なことを表現し支持された。

また、NirvanaやPearl Jamに影響された感情剥き出しな音楽性が支持されたAlaniss Morissetはデビュー・アルバムを2,000万枚以上売り上げ、自分の弱さや愛の渇きを歌ったFiona Appleも重要なミュージシャンとして評価された。
Ani Difrancoなどは自らインディ・レーベルを経営し、そこからリリースするという全てを自分の支配下に置く姿勢を見せている。


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