ここではシアトル外のことも含むが、グランジ・オルタナ・ムーブメント直前の90年と91年には優れたロック・アルバムが多い。
革命前夜の盛り上がりだと思うのは強引な解釈だろうか?
主なところを挙げると、90年にはSonic Youthが”Goo”でメジャー・デビューを果たし、Fugaziの1st”Repeater”、そしてJane’s Addictoinのラスト・アルバム”Ritual De Lo Habitual”もこの年だ。
シアトルからはPosiesがメジャー・デビューし、Alice In Chainsは既存のメタルとは違ったヘヴィネス”Facelift”をヒットさせ新しい価値観を提示した。
続く91年には、Soundgardenが”Badmotorfinger”をリリースし、Red Hot Chili Peppersは最高傑作と言われる”Blood Sugar Sex Magic”を発表。
R.E.M.は”Out Of Time”を大ヒットさせた。
Pearl Jamが”Ten”で、コートニー・ラヴ率いるHoleが”Pretty On The Inside”デビューしたのも91年だ。
保守的なメタルとは違うことをやっていたMetallicaは、オルタナを意識したと言われる通称ブラック・アルバムをメガ・ヒットさせ、批判も多いがLAで唯一危険な香りを持ち合わせていたGuns N’ Rosesが”Use Your Illusion “で、商業的に好ましくない2枚同時リリースという選択を選んだのもこの年。
Jane’s Addictionの解散ツアーとしてLollapaloozaが開催され、Nine Inch Nailsが伝説を作ったのも91年。
91年はNevermindだけではないのだ。
この頃のグランジ前夜は、「何かが起こっているという感じで本当に楽しかった時期」だと後にカート・コバーンは語っている。