Smashing PumpkinsのMachina/The Machines Of Godは埋もれた傑作

コンニチハ、ビリー・コーガンです。

だから「アドア」発売後に解散するって決めて、それで解散する前にもう1枚どうしてもアルバムを作りたいってことになったんだ。
で、解散を決めて1枚アルバムを作るってホントに精神的にも肉体的にも大変な作業になるわけで。
だからみんなが、「ああ、大変だあ」とか、「ジミーかいてくれたら…」なんて言い出してね。
で、僕が「みんながそう思ってるならホントにジミーに戻ってきてもらって最後に1枚作ろうよ」って言ったんだ。
それで実際ジミーが復活してくれたおかげで。ハンドのみなの気持ちが落ち着いたというか。
このアルバムがハンドの将来にどういう影響を与えるか心配しなくてよくなったと言うか。
このメンバーで最後にもう1枚アルバムを作る意義が明確になったんだ。(BUZZ2000年7月号)

相変わらずブログの更新はえらい久しぶりになっておりますが、サイトの方は宣言どおり少しずつスマパンのページを更新しています。
その流れで今日は今更ながらSmashing PumpkinsのMachina/The Machines Of Godについてです。
あらためて聞いてみると凄く良いんですよ。

リリース当時に時代の状況を横目にリアルタイムで聞くのと、リリースから何年も経て純粋に音楽だけで判断するとではかなり違います。
私にとってはRadioheadのKid AとAmnesiacを思い出します。
AmnesiacはKid Aと同時期のレコーディング、セッションから生まれKid Aリリースからわずか8か月後にリリースされました。
だからKid Aのインパクトが強すぎてAmnesiacはそれに埋もれがちだったんですが、何年もたった後に聞くとKid AよりAmnesiacの方が良いと思います。
Smashing PumpkinsのMachina/The Machines Of Godもこんな感じです。

The Smashing Pumpkins – Stand Inside Your Love

ビリーのインタビューにもありますが、制作前から解散することは決定していたとのことです。
ただし公には発表されてはいなかったので、「スマパンのラストアルバム」として売り出されたわけではありません。

私はこのアルバムをはじめて聞いたときのことを覚えていません。
あまりインパクトがなかったのでしょうかね。
その後もしばらくは熱心に聞いた記憶はありません。

このアルバムがリリースされた2000年はどんな年だったかというと、オルタナを駆逐していったLimp Bizkitの全盛期でした。
Marilyn Mansonも全盛期。Eminemも2ndが大ヒット。
後は何といっても先程少し触れたRadioheadのKid A。
At The Drive-Inの傑作Relationship Of Commandもありました。
RATMからザックが脱退。
スマパンはMachina/The Machines Of Godリリース数か月後に解散を発表されたんでそれなりに注目を集めましたが、時代にかき消されましたかね。

日本盤の帯の宣伝文句は「轟くドラム、爆音ギター、あのスマパンが帰って来た!」でした。
Adoreが売れなかったから迷走が始まったと思われてもしょうがないかと思います。

The Smashing Pumpkins – The Everlasting Gaze

当時はなぜ熱心に聞かなかったのかは我ながらよく覚えていないんで全て推測になってしましますが、私がこのアルバムを最も聞き込んだのはサイト制作のためでした。
よく聞いてみると日本盤の帯の宣伝文句は不正確だとわかりました。
懐古主義に走ったと勘違いさせるような文章ですが、Adore後のSmashing Pumpkinsの音ですし、進化しているじゃないかと思いました。
ただ、「全盛期の過ぎ去ったバンドの最後の悪あがき」という意地悪で歪んだイメージを持ってしまっていたので傑作だとは思えませんでした。
私のようにインタビュー記事を読み漁り、理屈っぽくロックの歴史について探求していると先入観が先走ってしまうことが多々あるんですよ・・・

で、最近になってサイトの更新作業のためにあらためて聞き込んだんですが、かなり良いと思えるようなりました。
空間系のエフェクトを多用して幻想的な雰囲気を作り出しているところが素晴らしいし、電子音の使いどころも良いし、全体的にメロディも良い。
まあ一般的に最高傑作とされている2ndや3rdに匹敵するかと言われば大声でYesとは言えませんが、このアルバムを埋もれさせてしまうのは惜しいかなと思って筆をとったしだいです。

中古で激安売りされているんで是非と聞いてみていただきたいです。
Machina/The Machines Of Godの日本盤(リンク先はamazon)

ただアナログレコードとなると話は別で、2000年代初頭のレコードは生産量自体が少ない場合が多いんでプレミア価格になることが多いんですよね。
いまさら欲しくなりましたが果たして入手できるかどうか。頑張ってみます。

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