Sound City – Real To Reelの紹介

コンニチハ、Rage Against The Machineのブラッド・ウィルクです。

Rage Against The Machineの1stアルバムをSound Cityというスタジオでレコーディングしたのは、NirvanaのNevermindがレコーディングされたスタジオだったからです。

今日はデイヴ・グロールが制作したドキュメンタリー映画、Sound City – Real to Reelの紹介です。
約1年前の話題ですけどね。

デジタル機器が発達しアマチュアでもプロ並みのサウンドをレコーディングすることができ、あらゆるサウンドをデジタル機器で再現でき、自分の部屋で一人でそれなりのサウンドを製作することが可能になり、そういう人が溢れている現在に一石を投じる内容です。

サウンド・シティ – リアル・トゥ・リール | Sound City – Real To Reel(映画のオフィシャルサイト)

Sound City -Real To Reel 字幕付き予告

2011年に閉鎖されてしまったSound Cityというレコーディングスタジオの話です。
NirvanaのNevermindがレコーディングされたスタジオです。

1969年から始まって徐々に名を知られていき、有名なバンドがレコーディングに訪れるようになっていったものの、CDが登場した80年代ごろからレコーディングスタジオにもデジタル化の波が押し寄せ、Sound Cityはデジタル化に後れを取り没落していってしまいました。

しかし91年のNirvanaのNevermindが大ヒットしたおかげで再び注目を浴びるようになりました。
レコーディングスタジオもネームヴァリューといいますか、冒頭のRage Against The Machineのように「名盤がレコーディングされたスタジオだから自分たちもここでレコーディングしよう」というのがあるようですね。

それにしてもNevermind効果はこういうところにもあったんですねえ。

ドラムの音が素晴らしいスタジオだったようですが、音楽スタジオとして設計されたのではなく、もともとは倉庫だった建物を音楽スタジオに改装したとのことで、良い音が録音できたのは偶然の産物だったというのが面白いです。

Nevermind効果で復活し、デジタル化の流れに逆らいアナログという方向で運営していくとしたものの、そのころとは比べ物にならない近年のデジタル化には勝てなかったようで、2011年に閉鎖されてしまいました。

というのがスタジオの歴史の大まかな流れなんですが、単純にスタジオの歴史だけのドキュメンタリーではありません。

さまざまなレビューでアナログVSデジタルと表現されていますが、私はデジタル機器に支配された音VS人間らしい音って印象を受けました。
デジタル機器の功罪について思いを巡らさざるをえないような内容です。

Sound Cityの閉鎖に伴いSound Cityの特徴の一つでもあったNeve 8078というコンソールをデイヴが買い取り、自身のスタジオ606にセッティングし、使い始めました。

そしてSound Cityにゆかりのあるミュージシャンとセッションを始めます。
このシーンがこの映画のハイライトでしょうか。
他人の弾いていたギターリフからアイデアを膨らませようとするデイヴなど、スタジオ内で他者と試行錯誤しながら音楽を製作していくさまが映し出されています。

それは映画のサントラとしてリリースされています。

大御所ポール・マッカートニーも非常にテンションが高いように見えました。
いい歳なのに熱くなっています。
みんなであーでもないこーでもないと試行錯誤して完成した曲を一発録り。
それが一時期話題になったポール・マッカートニー & Nirvanaです。

一発録りというのは各楽器を個別に録音するのではなく、全楽器で一斉に演奏しているのをレコーディングすることです。
不完全な演奏も人間らしいということです。

最近ではこういう人間らしい手法とは対極をなすもので溢れかえっていますから、これを見たらいろいろと考えさせられると思います。

デジタル機器に頼らず使いこなしている聡明な男としてトレント・レズナーが出てくるのも面白いですね。

デイヴ自身が映画内で「スタジオの歴史から主題が変わっていった」と言っているように当初はスタジオの歴史だけの映画にしようと思っていたようです。
制作しているうちにいろいろと思うところがあったのでしょう。

そういうわけでなんかまとまりのない紹介でしたが、おススメの映画です。
私自身はWOWOWで見ましたが市販もされています。
輸入盤ブルーレイにも本編だけ日本語字幕が付いているようです。

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サントラももちろんおススメです。
知らない人も多く参加しておりますけどね。
最も好きなのはトレント・レズナーとジョシュ・オムが参加したMantraですかね。
鍵盤とノイズが絡むもろトレント印な曲です。

Mantra – Dave Grohl, Josh Homme, Trent Reznor (ノイズを重ねる前の一発録りヴァージョン)

私はレコードで買いましたけど、もちろんCDでもリリースされています。
配信でもね。
以下のリンクも全てamazonです。

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