Nine Inch Nails / The Slipのレコードの音

コンニチハ、アップルです。

Mastered for iTunesの提供を開始しました。

アップル、「Mastered for iTunes」対応楽曲と制作ツールを提供開始

気になるのは「マスタリング段階からiTunesの音源専用に最適なチューニングを施せる点が特徴となる。」という一説。
iTunesの音源に最適なチューニングって何なんですかねえ?
まさかこれ以上音圧を上げるとでも?

前回の続きで、音質に最も影響が出るのはCDだのレコードだの圧縮音源とかメディアの問題ではなく、マスタリングやミキシングなどの制作側の意図だということ。


私がいろいろ聞いてきた限り、CDよりもレコードの方が良い音がすることが多いです。
ですが、レコードだから無条件に良いってわけでもありません。

ダメなレコードを挙げるとMetallica / Master Of PuppetsのMFSL盤で紹介したヤツです。
記事を書いた当初は「気に入っている」と書いてあるんですが、じっくり聞いてみると迫力が無い音です。

あとはNirvana / In Uteroのリマスター盤を聞き比べ(2009年ORG盤)で書いたORG盤とか。
これもCDの方が良いような気がしてきました。

どちらも好きになれない原因はマスタリングに起因します。

ダメなのはMetallicaばかりと思われる可能性があるので書いておきますが、Master Of PuppetsのオリジナルUK盤は素晴らしい音が出ます。

以前書いたことの繰り返しはここまでにして、何とかレコードの音を体験してもらいたいといろいろ考えておりました。
レコードから制作したMP3でも違いは出ますし、それなりに良い音がしますんで。

そうなると、Nine Inch NailsのThe Slipしかありません。
ただ、このレコードの音は微妙なんだよなあ・・・
でもこれしかないので。

2008年にリリースされたNine Inch NailsのThe SlipはCreative Commons Attribution-Noncommercial-Share Alike licenseの元にあるんで、合法的にアップロードできます。

2008 Nine Inch Nails / The Slip MP3 (Vynil Rip M97xE)

2008 Nine Inch Nails / The Slip MP3 (Vynil Rip DL-103)

上はSHUREのM97xE、下はDenonのDL-103を使用してレコードからMP3を制作しました。
こういうMP3でも違いは良くわかります。

Nine Inch NailsのThe Slipというアルバムは、本人が無料で配布しているんで、普通のMP3はこちらからダウンロードできます。
nine inch nails the slip

レコードから制作したMP3は当然のことながら音は小さいです。
ボリュームを上げて聞いてください。
携帯プレーヤーにはあまり向いていない音です。

Light In The Skyでは派手にプチノイズが入りますが、レコードのその部分にキズが付いているからです。
こういうプチノイズもレコードの味っていう意見もありますが、個人的にはここまで酷いと聞いていられませんw
新品で買ったのに傷だらけとか、盤面にゴミが付着しすぎとかレコードはいろいろあるんです。

前回書いたボカシ効果という点ではM97xEの方が顕著でよくわかると思います。
カートリッジで音が変わるのがレコード。
The SlipだとDL-103よりもM97xEの方が好きです。

キンキンしていて音が飛んでくるような感覚も弱くなっております。
ここまでは良いんですがね・・・

「ここから更に低音が増して厚みのある音に感じられる」っていうのが、私にとってレコードの方が音が良いって感じられる王道パターンなんですが、残念ながらNine Inch NailsのThe Slipのレコードは逆に低音がCDヴァージョンよりも弱くなっています・・・
Head Downを聞けばよくわかります。

なんだか弱い音に思えてしまう。

ですから私にとっては、このレコードの音は絶賛できません。
かといって酷評するほどは悪くないと思います。
音圧が弱いと感じられるので疲れない音ですし。

でもCDよりも良い音とは言えないかなあ。
気分によって聞き分けたいような。

みなさんはどう思われるでしょうか。

まあ必ずしもレコードの方が良い音がするわけではないってことで。

純粋に音楽メディアとしてデジタルとアナログのどっちが上なのかは難しいです。
ただ、デジタル音源については作り手がレコードのような音を製作しないだけ。

レコードのような音は一般的に嫌われますし、制作側は音圧競争で勝つことに必死ですからねえ。

だから、現在の私が思っているのは音楽メディアの問題ではなく制作側の問題の方が大きいかなあということです。

本来ならThe Slipではなく、他のレコードの凄い音を聞いてもらいたいんですが、それをやると違法アップロードになってしまうんで、残念ながらできません。
まあデジタル世代の方にレコードに興味を持ってもらえれば幸いです。

コメント

  1. くさや丼 より:

    初めまして よくこのサイトを見てますが、僕は音楽超初心者なのでコメントするのは恐れ多いと思ってましたが、気になる事があるので質問させていただきます。

    僕はよくiPhoneか家にある適当なラジオで音楽を聞いていて、音質には全くこだわりがありませんでしたが、この記事を見てレコードの「厚みのある音」に興味を持ちました。
    ですが敷居が高そうで手が出せません。
    オススメのプレイヤーとかがあれば教えていただきたいです。
    後、デジタルとの違いが明確なレコード等も知りたいです。

    もう一つ、この記事とはあまり関係無いですが
    Nine Inch NailsのGone, Stillという曲をYouTubeで見つけました。
    この曲は音源として発売されているのでしょうか?
    調べてみましたがよくわかりません。

    いきなりあつかましくて申し訳ないですw
    よろしくお願いします。

  2. Hyottoko より:

    はじめまして。
    自分はDenonのDP-500MとDP-1300MKIIというプレーヤーしか使用したことがありませんが、その二つは良いプレーヤーだと思います。
    ただ、DP-500Mにしても5万以上ですし、フォノ内蔵じゃないので、他の機器にもカネがかかります。

    手頃なのだとDP-300Fでしょうか。
    フォノ内蔵ですしカートリッジも変えられますしオートですし。

    デジタルとの違いが明確なレコードは過去に色々紹介してきましたが、大物だったらNirvanaのORG盤はオススメです。
    後はMetallicaのMaster Of PuppetsのオリジナルUK盤です。

    レコードはカートリッジで音が大幅に変わるので、まあM97xEというカートリッジで聞けば良かれ悪かれCDとは全く違う音が出ます。
    The Slipでは違いが大きく出ませんが、例えばSufjan StevensのIllinoisなんかは良い音がします。

    NINのStill, Goneという曲は、元々And All That Could Have Beenというライヴアルバムの限定2枚組に収録されていました。
    現在はオフィシャルサイトのnin.comで販売されているStillというアルバムで聞くことができます。
    http://www.nin.com/albums/

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