ローファイは死んだのか?

コンニチハ、Pavementのスティーヴン・マルクマスです。

いまのローファイ云々というものが胡散臭い部分が多いよ。
だって、笑っちゃうじゃないか、「俺たちの次のレコードは少しだけローファイにしようと思ってるんだ」なんていう奴だっているんだぜ。
だけどさ、聴けるようにするためには、少なくともミディアム・ファイでなきゃだめだよ。

俺たちは音をありのままにしておいて、その中に含まれるローファイな部分が好きなんだよ。
例えばアンプがブンブンうなっている音とかね。
まあとにかく、ビースティー・ボーイズのことを誰もローファイだなんていわないだろ。
彼らだって歪んだ音を使ってるのにね。

ローファイってのはなにもウォークマンで録音することじゃない。
確かにローファイの多くは貧困という独創性の母から生まれたところもあるけど、今そう呼ばれてる音の大半は驚くほどハイファイな手法で録音されてるときてる。

お金のないミュージシャンがいい音楽を創る上で前進していけるんなら構わないけどさ、いまやメジャーレーベルのバンドが採用しようと躍起になっている「90年代的サウンド」なんだから。
この歪んだ感じが、つまりいわゆる電気的な残響感が90年代の正体なのさ。(Pavement スティーブン・マルクマス / Wowee Zoweeの旧日本盤ライナーより)

今日はローファイの話題です。
まあ以前に書いた内容に似ています。
ブログはネタ切れ気味だからマンネリ化したベテランミュージシャンのように同じことの繰り返しw


ギター機材の最新情報については疎いんですが、最近こういうエフェクターが存在すると知りました。
どんな音でもローファイに変えてしまうそうです。
Ibanez / LF7

正確な発売日が良くわからないんですが、2009年なのでしょうか?

こういうのを見ると、ローファイの意味合いもずいぶん変わったなあと思います。
もちろん悪い意味でです。

グランジファッションと同じようなもんです。
カネがないからボロボロの服を着ていたら、それが流行となって金持ち連中が高級なボロボロの服を着るようになった。

アンダーグラウンドなバンドでカネがないから素朴なサウンドに仕上がっていたのが流行となって、多額の予算があるバンドが高性能な機材を使って素朴なサウンドを鳴らすようになった。

つまりはワザとらしいローファイですよ。

まあ冒頭のスティーヴンの発言はWowee Zoweeからの引用、つまり少なくとも1995年ぐらいには彼はそう感じていたようです。
ただ、その頃のワザとらしいローファイサウンドと言われても私はパッと思い浮かばないんですがw
人によってはIn Uteroを挙げるかもしれませんw

時は流れて今現在ですが、ローファイな音を出せるエフェクターやサンプラーが登場しているわけです。
まあ機材に精通しているわけではないんで、どれくらい出回っていて使用されているのかはわかりませんけど。

ただ、ワザとらしいローファイかは別としても、ヘロヘロな歌声のバンドが多すぎると思います。
以前、Pithforkで高評価されそうなローファイインディポップ、ギターポップバンドにはウンザリと書いた記憶がありますが、年々悪化しているような…

Dum Dum Girlsは聞いたことがないんですが、「USインディ・ローファイ・リバイバルど真ん中の大型新人」とか言われているところを見ると、なんとも言えない気分になります。

肯定的にとらえるなら、ローファイは全てを許したんだと思うよ。
確かにそれを逆手にとって商売してる連中はごまんといるけど、いわゆる音楽を開放したって点じゃ、ローファイはすごく前向きな考え方だ。

曲の終わりにギターをアンプからブチッと抜いて、おーっ、抜けちまいやんの、とかいう叫び声が入っていたとしても、文句を言われないっていう。
そういうのはいっこうに構わないし、ローファイのポジティブな考え方だよ。(Pavement / マーク・イボルド ロッキングオン1996年3月号)

「全てを許した」とか「音楽を開放した」というのは、下手でもOK、サウンドがヘロヘロでもOK、逆にそれがいい味出してる!って価値観を浸透させたってことです。

PavementやSebadoh、少年ナイフらが開放した扉をくぐってきたのが今のバンドたちなんでしょうが、今の状況は好きになれないなあ。
昔のバンドと似たようなことをやっていて、その次の扉が開くバンドがいないって感じです。
ポ●プパンクと似たような状況ですよ。

まあローファイと呼ばれていて良いバンドもいますけどね。

日本でも相対性理論が売れているところを見ると、ローファイなギターポップが流行っているのかなあと思ったりします。

神聖かまってちゃんに対する評価で、「単なる下手クソバンド」と「下手なのがいい」っていうのにわかれているのを見ると、やっぱり若者は若いバンドに価値観を提示してもらうのかなあと思ったり。

今日はこれまで、長文を読んでくださった方々、ありがとうございます。

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