2010年10月5日

音圧至上主義的マスタリングについて調べてみた

Metallicaのリマスターはどうなんでしょうねえ?
私はまだ買っていないのでわかりませんが、amazonのレビューを読むと音圧が上がったという評価もチラホラ。

今日はその音圧と、更には音圧至上主義マスタリングについてです。

音楽が好きな人なら誰しも「アルバムによって音の大きさが違う。」と感じたことはあるでしょう。

特に古いアルバムなんかは音が小さくてボリュームを上げることがあるでしょう。
時の流れは早いものでNirvanaのNevermindさえ、最近のアルバムと比べると音が小さく感じてしまいます。

それは音圧が違うからです。
最近のアルバムは音圧が最大レベルに近いんで、小さなボリュームでも良く聞こえます。
でも音圧が大きいために失われてしまうものもあります。


音圧って何?と言われても、まあ難しい話で私も100%理解はできていません。
「聴覚上の音の大きさ」と言われても難しいですし、まあ「音の迫力」って思って良いんじゃないっすかw

音圧優先のマスタリングの問題 Wikipeia

こういうのを音圧至上主義とかいいます。
自分でレコーディングしてマスタリングまでしている方は良くわかると思います。

なぜ限界まで音圧を上げるかというと、小さい音量でもインパクトを与えるためです。
CMとかラジオでかかったとき、その方が有利だからです。

Wikiによると日本国内では相変わらず音圧至上主義のマスタリングが支配的だそうで、日本国内バンドを例に出します。
まあ音楽は聞くものであって見るものではないのですが、見ればすぐわかります。

BUMP OF CHICKENのSupernovaの波形

これはBUMP OF CHICKENのSupernovaという曲の波形です。
私は好きじゃないんですがw、興味のある方はBUMP OF CHICKEN Supernova YouTubeでどうぞ。

絶えず最大レベル音が出ていて、あんまり波形って気がしないでしょう?
見た目が海苔みたいなんで、こういうのを海苔波形と呼ぶらしいです。
まあ波形を拡大すると、波形らしくギザギザしているんですけどね。

ここまでレベルを上げて、よく音が割れないなあと感心してしまいますw

音圧を上げるには最も大きな音と最も小さな音の差(ダイナミックレンジ)をなくすのが有効です。
ですが、音の大きさには限界がありますから、元々大きな音はあまり大きくすることができません。

だから小さな音を大きくするわけですが、それをやっちゃうと最も大きな音と最も小さな音の差(ダイナミックレンジ)がなくなるわけですから、強弱がなくなり不自然になります。
元々ダイナミックレンジが小さい曲はともかく、特にダイナミックレンジが大きいクラシックでそれをやると致命的です。

まあロック、特に突っ走るような曲ならそれもアリかなあとは思ってしまいますが、次はNirvanaのTerritorial Pissingsの波形です。

NirvanaのTerritorial Pissingsの波形

爆発的に疾走する典型的な曲ですが、ご覧の通り絶えず最大レベルの音圧は出ていません。
余裕を持たしています。
そのぶん音は小さく感じますけど、ボリュームを上げれば良いだけの話でもあります。

まあTerritorial Pissingsは特異な例ですが、結構みんな音圧至上主義的マスタリングですよw
それに曲によってはその方が有効でしょうし難しいところです。

Nine Inch NailsのCloserの波形

この典型的な海苔波形はNine Inch NailsのCloserです。

Arcade FireのKeep The Car Runningの波形

これはArcade FireのKeep The Car Runningです。
Neon Bibleを聞いたときは音が小さく感じられたので、ここまで音圧が高いとは意外でした。

まあこの音圧至上主義に逆らったことをしている人もいます。

ベン・フォールズ、最新ソロ作の音圧改訂版(音楽ファイル付)と大学生によるア・カペラ作をリリース
ベン・フォールズの音圧改訂版CDと音圧の話

二つ目のリンクを熟読していただきたいですが、アナログレコード時代には音圧を今ほど気にする必要はなかったのこと。
「デジタル・レコーディングに移行し始めた頃」のお話も興味深いです。

結局、アナログレコードが最強なんですよw
同じアルバムのレコードとCDを聞き比べると、「CDの方が各楽器のアタック感が強くてうるさい」と思うことが多いですけど、この音圧至上主義的マスタリングに原因があるんじゃないかと思ってしまいました。

この辺がCDの限界なんですかねえ?

で、マスタリングをやり直すリマスタリングですが、リマスターと称してただ音圧を上げただけのものが本当に高音質と言えるのか?という疑問も抱くわけです。

まあ長くなったので次の機会にでも。

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投稿者:Hyottoko | 投稿時間:17時13分 | コメント(9)

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コメント

  • なるほど。
    すごく勉強になりました。

    これから聴くときに気をつけて聴いてみたいと思います。

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    投稿者:gase | 投稿日時:2010年10月5日 22時22分

  • 日本の音圧をあげまくっている曲を聴くと、耳が疲れます。そして、逆にそっちに慣れてくると今度はNirvanaのNevermindなんかが物足りなくなってしまうんですよね・・・なんだか一瞬騙されたような気になります・・・

    むしろ海苔波形の音圧で楽しみたいのは、やはりマイブラのアルバムですかね・・・リマスター盤はあと何年かかることやら・・・

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    投稿者:VWQ | 投稿日時:2010年10月5日 23時42分

  • マイブラのリマスターまっているのなら、自分でやっちゃうという方法もあります。ちょっとネットで勉強して、フリーソフトを駆使すれば自分で音圧あげられます。自分はそうやって聞いてますよ

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    投稿者:素人エンジニア | 投稿日時:2010年10月6日 04時33分

  • >gaseさん

    まあ音楽は感じるものなので、こういう理屈っぽいことは気にしない方がいいかもしれませんw
    最終的には理屈ではなく好き嫌いがものをいうんで、難しいところです。

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    投稿者:Hyottoko | 投稿日時:2010年10月6日 10時36分

  • >VWQさん

    個人的には、銀杏BOYZの君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命のように、バカなノリで猛突進したいならアリだとは思います。
    でも凛として時雨なんかは悪い意味でうるさすぎる気がします。

    NINやArcade Fireなんかは聞いていて疲れることはないんで不思議なものですね。

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    投稿者:Hyottoko | 投稿日時:2010年10月6日 10時47分

  • >素人エンジニアさん

    代表的なのはSoundEngineでしょうか。
    興味のある方はどうぞ。

    Lovelessに関しては、現行のCDは海苔波形ではないようですけど、やっぱりアタック感が強いので、個人的にはアナログレコードの柔らかい音が好きです。

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    投稿者:Hyottoko | 投稿日時:2010年10月6日 10時51分

  • はじめまして。
    邦楽ロックでも、アートスクールの最新作は海苔でもなく、アナログ的でとても良かったです。
    アンチ音圧至上主義を念頭に置くと、理想はペイヴメントの4thな気がします。

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    投稿者:ハイザワ | 投稿日時:2010年10月6日 19時40分

  • はじめまして。
    国内海外に限らず、音圧というか疲れない音にこだわる製作者が増えるといいですね。

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    投稿者:Hyottoko | 投稿日時:2010年10月7日 18時26分

  • テレビコマーシャルの音が大きすぎるという話

    フランスでの話。

    france2で報じられてた。
    CSA(Conseil superieur de l’audiovisuel)に視聴者から苦情?…

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    投稿者:民族音楽に関するメモ3 | 投稿日時:2011年10月16日 11時34分