Pavement(ペイヴメント)の紹介と影響力

前々回のNew Eccentric(ニュー・エキセントリック)は現状を打ち破るのか?と前回のLo-Fi(ロウファイ)について思うことをの続きです。

Lo-Fiの代表的なPavementの紹介です。
Last.fmのタグ付けではNeutral Milk Hotelに次いで2位の座にいますね。

90年代オルタナに影響を受けたと公言している最近のUKバンドの音は聞いたことが無いので何とも言えません。
ですが最近のUSインディバンドを聞くとPavementをはじめとする90年代にLo-Fiと呼ばれたバンドを連想することが多々ある。
情けないヴォーカルと弱々しいサウンドを聞くとね。

例えばClap Your Hands Say YeahVampire WeekendSpoonなどの弱々しいヴォーカルと力の抜けていくサウンド。
CocoRosieSay Hi To Your Mumなんてど真ん中ストライク。
Okkervil RiverSufjan Stevensだってその要素を持っている。
The Shinsも脱力的なサウンドだ。


でもPavementを連想させるからといって、Pavementの音楽そのまんま!というわけではありません。
Pavementの一部分を感じさせるというか、良い意味で影響を受けているのかなあ?
そこが面白いところです。
まあ個人的には飽きてきたけどw

特に下手で力の無いヴォーカルにはPavementを思い出させられますが、イマドキのバンドが表現しているのはPavementとは別の感情。

Pavementの音楽はロウファイそのものだけど、このバンドの下手クソで脱力感溢れるサウンドは「自虐的な負け犬」とか、「世の中をおちょくっている」とか、NirvanaやNine Inch Nailsとは全く違ったアプローチで「絶望」のようなものを感じさせます。

Pavementは89年に活動を開始。
第二のNirvana発掘に力を注いでいたメジャーレーベルに拾われたようです。
92年のSlanted and Enchantedというデビューアルバムの、素朴で無気力な音楽性が有名メディアで大絶賛されて注目を浴びました。

この頃の日本公演では、本当にやる気の無いチャランポランなステージだったそうです。
観客無視、「ライヴはリハーサル」といった雰囲気で、世の中を馬鹿にした態度には爆笑するしかありません。
俺も見たかったなあ。
この様子は2ndアルバムのCrooked Rain, Crooked Rainの国内盤ライナーに書かれています。

94年の2ndアルバム、Crooked Rain, Crooked Rainでは「ロックンロールで興奮して熱狂すること」を完全否定。
Range Lifeの歌詞ではSmashing PumpkinsとStone Temple Pilotsを名指しで批判。
Fillmore Jiveでは「ロックンロールにオヤスミを もう誰も必要としていないんだから」と、ピストルズ後のジョン・ライドンと同様にロックを殺そうとしました。

95年の3rdアルバムWowee Zoweeでは、チャランポランな態度やロウファイサウンドから繰り広げられる「ヤケクソになった負け犬」という感じがピークに達した曲が収録されています。
AT&Tという曲はPavementの最高傑作だと思います。
他にもBrinx JobBest Friend’s Armがオススメです。

95年にはロラパルーザに出演しましたが、オルタナではなくグランジを求めていた大衆から罵声を浴びたようです(苦笑)。

その後は音楽的に前進した2枚のアルバムをリリースし、99年か2000年に解散。
中心人物だったStephen Malkmusはソロで活動しています。

ヘロヘロなサウンドで人をおちょくったような感覚だったらCrooked Rain, Crooked RainWowee Zowee
イマドキのUSインディに通じるサウンドだったらBighten The Cornersがオススメです。

コメント

  1. NIHILISM Ver2.0 より:

    PavementのBrighten The Cornersと再結成と金銭トラブル

    コンニチハ、Pavementのスティーヴン・マルクマスです。 Smashing …

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