08年にEminemを振り返る

2000年代を振り返るということで色々書いていますが、今回は毒舌な白人ラッパー”エミネム”です。
ウチにサイトに訪れる人々はあまり興味のない人が多いと思うし、商業的なのも否定できない。
でも俺は好きです。
聞いたのは久しぶりだったけど良かったです。
最高傑作は”The Eminem Show”かな。

最後のスーパースターと呼ばれることが多いですが、実際のところエミネム以降はロックなスパースターは登場していない。

つまり「世の中クソだ!」と言い放ち、良識者やキッズの親が眉をひそめるような危険な存在でありながらも、レコードを1000万枚以上売り上げ、反逆的なキッズの憧れの的になったのはエミネム以降は登場していないってことです。
日本でもEminem Showは100万枚ぐらい売れたんじゃなかったかな。
現在、最も近いのはMy Chemical Romansでしょうが、過去に登場してきたスターと比べて劣る存在なのは否定できない。

だからエミネムが現在の時点で最後なのですが、最後のロックなスーパースターはあろうことにもラップ界から登場したのです。
エミネムがブームになったときは、反逆的なロックはラップに取って代わられたと思ったものです。
実際はEminem並に衝撃的なラッパーは登場しなかったけど、当時のロックと言えばLimp Bizkitだったので・・・

ただ、日本じゃラップの流行に乗っかろうとしてる人々が大勢食いついただけって感じかな。
幕張メッセでの来日公演に行ったけど、客層を思い出すとね・・・
まあ、マリファナらしき匂いも立ち込めていましたけど(苦笑)

ラップはロック以上にリリックが重要だけど日本は所詮英語圏内じゃないしね。
ウチのサイトにもエミネムの和訳を求める人がたくさん訪れたけど、エミネムの毒よりもトレンドを追っかけるのに必死な人々が多数だったと思う。

来日公演で覚えているのはオープニングで有識者達が「エミネムは危険人物。」だと熱弁しているであろう映像。
ステージに観覧車があって楽しそうな雰囲気だけど、パフォーマンスは暗いというか、影を感じさせるようなものだった気がする。

リリックを見ると危険人物なのが良く分かる。
曲の中では犯罪のオンパレード。
そりゃあ、副大統領夫人も怒りますよw


1stの”The Slim Shady LP”では、個人的な不満や妄想、人生について面白おかしく毒舌にラップしている。
それが300万枚もの大ヒットするとその後は「成功による混乱」もリリックに登場してくるようになる。

2ndアルバム”The Marshall Mathers LP”でも毒舌ぶりは相変わらずだが、StanやWho Newではカート・コバーンやエディ・ヴェダーが一足先に体験した苦しみが語られている。

ここまで自分がビッグになるなんて思わなかった
子供に影響を与えるなんて思わなかった
俺の一言でヤツが手首を切るなんて思わなかった
俺の一言でヤツが女を殴るなんて思わなかった

また、妻とのいざこざ、狂った母親との争い、各種訴訟問題などが降りかかってきた。
私生活を暴露されるというマスコミのレイプにも疲弊した模様。

続く3rdアルバムは「俺の人生は大衆にとって単なるエンターテインメントだ! Rape Me!」と言わんばかりの”The Eminem Show”と名付けられた。
サウンドも毒舌リリックもピークに達した感があるが、遂には引退を示唆するかのようなリリックも登場。

エミネム・ショーは閉幕かと思われましたが、続いて2004年に”Encore”をリリース。
ブッシュとビン・ラディンを扱ったビデオや、マイケル・ジャクソンの整形された鼻を皮肉ったビデオが話題となりましたが、パワーダウンは否めないかな。

その後エミネムは徐々に表舞台から姿を消していった。
そしてロックスター難産の時代が始まり現在に至る。
まあ、ロックスターなんて存在しなくても良いんですけど。
特に危険な香りのない形だけのロックスターはね。

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