エモ嫌いのエモ研究:その4

いい加減にこの話題が嫌になってきたので今日で最後にします。

最近のエモと呼ばれる代表的なバンドをちょっとだけ聞く限り、Fall Out BoyやPanic At The Discoのようなバンドがチヤホヤされている商業的なムーヴメントだという印象です。
中には面白いバンドが埋もれているのかもしれませんけど。

俺が最も不愉快なのは、rockin’on2007年4月号のエモ特集のFugaziのレビューが代弁してくれています。

かつてはハードコアを根底に持ってかつ叙情と情熱を激しく訴えるバンドがエモと呼ばれていた。

まあエモと呼ばれる当事者が嫌がっていたし、俺もこの括りはどうかと思いますが、問題は次。

現在は、肝心のハードコアどころかパンクの片鱗も無いバンドがエモと呼ばれている。
お願いだからそれらと一緒にしてくれるな!、というバンドまでが現在のエモに含まれている。

これが俺にとってのエモ・ムーヴメントを不快に思う1番の理由。

元々はくだらないジャンル分けだったエモですが、最近は商業的なバンドまで含まれるようになり、昔より酷い最悪の事態になってしまったってことでしょうか。
グランジと似ていますねぇ。

最近のエモバンド、ポップパンクバンドを好きなキッズにFugaziを聞かせても、「こんなのパンクじゃない」なんて言うんだろうな(苦笑)。

以下、古き良き”エモ”バンド
いつもながら超長いです。


At The Drive-In

このバンドが注目を集めていた時期はエモとは呼ばれていなかった気がしますが、エモいと言われれば理解はできます。
俺にとって”Relationship Of Command”はニューメタルやラップメタル一色だった頃、突如出現したリアルな怒りの塊のようなアルバムだった。
腐った音楽シーンに出現した救世主みたいな。
アンチ商業主義、ダイヴ禁止令なども共感できた。
今のエモとは絶対に一緒にして欲しくない!
10点。

Fugazi

“Repeater”の一曲目”Turnover”を聞けば、エモバンドよりエモーショナルなのが理解できるでしょう。
歌詞は訳していないので分からないけど「鉄の意志」のような熱いものを感じる。
ぬるま湯パンクにはできない芸当。
9点。

Bright Eyes

これもエモいといわれれば理解できるが、エモと括られるのは不愉快。
アコギ・エモとか言われているのでしょうか?
コナーのアコギとリアルな叫びを商業バンドと一緒にするな!
10点

Weezer

後付ながらも、現在のエモの始祖と言われるのはしょうがない。
でも、このバンドの”The Good Life”以上に涙ちょちょ切れメロディを鳴らしたバンドはいないですね。
飽きやすいのは泣きメロパンクと同様なので個人的には好きじゃない。
5点

Death Cab For Cutie

歌詞は読んでないけど、”The Photo Album”を聞く限りエモと呼ばれるのは理解不可能。
メロディは良いけど泣きメロって感じはしない。
音楽性も”音楽ジャンルとしてのパンク”ではない。
アイデアの乏しいバンドとは別次元。
7点

The Dismenberment Plan

このバンドもDCFC同様、”Emergency & I”を聞く限りエモとされるのは不可解。
エモという言葉の意味が変わったということなんでしょうねぇ。
8点

Sunny Day Real Estate

実はグランジオルタナ期にSUB POPにいたバンド。
個人的にはFoo Fightersのメンバーがいたバンドというぐらいしか知らなかった。
典型的な泣きメロパンクではない。
ミドル・スローテンポで粘着的に暗く歌い上げるパンクサウンド。
確かにエモいが悪くは無い、聞き続ければもっとハマるかも。
5点

Cursive

“The Ugry Organ”を聞く限り、エモいのは理解できます。
でも、良い音楽を作るより売れてスターになることを重視しているバンドと一緒にして欲しくないね。
このアルバムを聞けば、いまどきのエモの代表バンドがどれだけ音楽のアイデアに乏しいかわかるでしょう。
ドロドロした内面を描いたって感じだし。
まあ、奥が深そうだけどまだ数回しか聞いていないので取り敢えず6点。

Eastern Youth

Wikipediaを見ていてこのバンドがエモコアと呼ばれていたのを思い出した。
古くから活動している日本のパンクバンド。
「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は泣きメロパンクで確かにエモい。

でも、イースタンユースが熱唱するのは孤独。
孤独といっても男女関係のことではなく、人生そのものの孤独。
哀愁、虚無、諸行無常、日本語による風景描写が素晴らしい!
フラれたことばかり歌っているバンドとは格が違いすぎる。

日本のバンドに興味が無い人にアピールするために、海外のインディーバンドから評価が高いと書いておきます。
At the Drive-InやThe Dismenberment Planと交流があった記憶がある。
8点。

結局エモというジャンル分けなんか気にしない方が良いですねぇ。
でも、オルタナティヴが好きな人は最近のエモ代表バンドを聞くと失敗する可能性が高いでしょう。

これにて”エモ嫌いのエモ研究”は終了です。

コメント

  1. あきら より:

     ふむふむ。ATDIとBright Eyesが間違いなくエモ???ってのは共感です(笑)。
     まぁ僕的に「エモ」なんて括りはどうでもいいですね。

  2. Hyottoko より:

    俺はエモと一緒にされるのは耐えられません。

  3. サース より:

    最近のエモと呼ばれるバンドはマイケミとかフォールアウトとかしか聞いたことありませんが個人的には大嫌いです・・・なんかこんなのただの売れ線ロックとしか思えません。
    こんなのロクでもないバンド達とフガジやブライトアイズが一緒にされちゃ困りますよね。
    キッズにもフガジの良さをわかってもらいたいんですがフガジ自体知ってるキッズはあまりいないと思います・・・。
    At The Drive-Inも凄いですよね!ライブも映像で見たら凄かったですし!

  4. Hyottoko より:

    そうですねぇ、RageとLimpを一緒にされるのよりも不愉快です。
    At The Drive-Inは凄いですよね。
    久々に聞いてみても熱くなれました。
    ライヴを見逃してしまったのが「俺の人生の後悔」の一つです。

タイトルとURLをコピーしました