歌詞の解釈:The Stalin “ワルシャワの幻想”

暇すぎるので、以前サイトでやっていた歌詞の深読みをこのブログで復活させることにしました。
歌詞の解釈に改めて。

このコーナーは俺の勝手な解釈ですから当然正解ではありません。
逆に間違ってもいません。
歌詞の解釈は自由です。
製作者の背景を全く気にしないで自由に楽しむのもアリですし、その逆もアリ。

記念すべき第一回目は日本のパンクバンド、”ザ・スターリン”の”ワルシャワの幻想”。
以前に書いたヤツが予想外にも人気があるようで。

俺の存在を頭から輝かさせてくれ
メシ喰わせろ!
お前らの貧しさに乾杯

歌詞はこれだけですw
曲名は後から変更されたとか、町田町蔵率いるINUの”メシ喰うな”との関係は脇に置いておきますが、内容は社会主義批判だと思う。

社会主義とは何か?調べ出すとキリがないので、資本主義・社会主義を見るといいでしょう、簡単に理解できると思います。

ワルシャワはポーランドの首都で、ワルシャワ条約機構のことだと思います。
戦後、アメリカとソ連は冷戦に突入するわけですが、ソ連を中心に東ヨーロッパの社会主義国家の間で締結された軍事同盟。
アメリカと西ヨーロッパ諸国の資本主義国家による北大西洋条約機構に対抗する形で結ばれたようです。

ソ連型社会主義は豊かな生活が待っているというのは幻想だったということかな。

細かいことは省略するので資本主義・社会主義やWikipediaなどを参考にして欲しいのですが、ソ連型社会主義っていうのは一党独裁に陥りやすい。
今の北朝鮮を想像すると良いでしょう。

自由がないのです。
ほとんどが国営で、国民生活に国家が介入してくる。
国家の言い成りになるしか生きる道はない、一個人が輝けるシステムではない。

貧困をなくして平等な社会を実現するというのは素晴らしいように見えますが、70年代には国民の生活が苦しくなった。
理由もここでは省略しますが、ほとんどが国営だから個人はおろか企業間でも競争が無かったのが大きいんじゃないかな。
みんな同じ給料だからねぇ。
隣の店に負けないように、より良いモノを作ろう!というのが無く、新しいモノやサービスが生まれる世界ではなかった。

結局、70年代には東側諸国の経済が停滞、食料に困るほど国民の生活は苦しくなったようです。
だからメシ喰わせろ!と。

この曲が製作された10年後の91年にソ連は崩壊してしまいました。

今の北朝鮮で聞けばとてもリアルに響くとは思いますが、社会主義とか東側の崩壊とかを抜きにしても何かしら感じられるんじゃないかと思います。
抑圧されている気分とか。

短いけど良い歌詞ですね、曲も。

コメント

  1. あきら より:

     最近、日本人的ナショナリズムに関する書籍を読む機会が多いので、資本/社会主義に関する問題に関しては僕にも想うところがありますね。
     本を読んでいても知識は皆無に等しいので安易に発言はできませんが、僕の見解は「どっちもどっち。良い面もあれば悪い面もある」かなぁ。とても稚拙な意見だけど。
     「アメリカ的資本/民主主義」なんて僕はクソったれだと思うし、日本の今の政治・経済が成功しているなんてもはや誰も言わないでしょう。
     ただ、資本/社会主義どちらにおいてもですが、その政策が極端になってしまうのが問題なわけでしてね。オーストラリアなんかは政権がつい先日交代しましたが、比較的住み良い国だそうです。

     ある人物が提唱している論理があるんですが、それは「マイノリティが住み辛い国の政策は、実はマジョリティにとっても住み辛い政策なのだ」というものです。僕はこの考えに同調します。要するに「少数派を排他的に扱う政治」というヤツの事を指摘しているわけですが、これは今の日本にも大いに当てはまる。

     先日北野武のTV番組で「独裁国家で何が悪い!」みたいなのがやってましたね。あれは僕も観たんですが、必ずしもああいった国々に歩調を合わせなければとまでは思いませんが、日本も学ぶべき部分が多かったように感じました。

     長文失礼しました。

  2. Hyottoko より:

    俺も浅い知識なのでレスし難いのですがw、オマケにその内ブログのネタにしようとしていたことなのですがw

    「日本は最も成功した社会主義」というのには同意します。
    アメリカとソ連型社会主義の中間だったのかな。

    そこそこに平等、過剰すぎない競争って感じで、極端なスラム街の話は聞いたことないですし。
    年功序列も全否定はできません。

    ただバブルが弾けて不況になってから、日本ももっと個人間で競争しないと発展しないって感じで、成果実績主義とか能力給とか、ついには格差社会という言葉が出てくるのは、アメリカ化してますよね完全に。

    マイケルムーアの映画のように、裕福層しか医療保険に加入できなくなるかもしれませんし、生活保護もなくなるかもしれません。

    Limp Bizkitのフレッド・ダーストが、「俺が大統領だったら税金の額をみんな同じにする。」とかホザいていた記憶がありますが、こういう金持ちも増えると思います。

    経済面だけ考えたら、一昔前の日本はバランスが取れてて、まあまあ良かったと思います。
    これ以上アメリカ化して欲しくはないですねぇ。

    たけしの番組は見ていませんが、結局のところ独裁だろうがなんだろうが国民が満足した生活を送れたら良いんじゃないかとw
    結果を出し続ける超有能な政治家ならば何年でも首相をやって欲しい気がします。

    問題は、メシが喰えない国の独裁者かなあ。

    それにしても、最近のプーチンに関する報道を見てると、何でロシアって悪者独裁者がよく似合うんだろうって思う今日この頃ですw

  3. あきら より:

     ははは。フレッド・ダーストが言いそうな言葉だww

     日本の経済に関しては、やはり「バブル以降の後始末」が大きな焦点なわけで、僕はバランスはとれていなかったように思うんですよ。我々庶民には政府やマスコミは本当のことを言わないので、騙されている国民が多いだけのような気がします。

     確かに企業は儲けていたかもしれませんが、あの「世界のソニー」だって数年前に大失敗してます。では隣国の企業「サムスン」や「LG」はどうかというと、東南アジアの各国に行くと一目瞭然ですが、ソニーなんかよりもデカデカと街中に看板を出していたりします。空港の薄型テレビも、全てサムスン。「松下(パナソニックブランド)」は長年の宿敵「ソニー」と同じような轍を踏まず成功したんですけどね。

     なんてったって国民一人当たりの借金が1,000万とも言われてたんですよ?つい最近の政府の発表だと一人当たり約652万と報道されましたが、これも実に怪しい。
     アメリカ経済が今とても悪いですが、今後さらに悪化するようなことがあれば、日本経済は必ず破綻するでしょう。昔から「アメリカが咳をすれば、日本は風邪をひく」と言われてますが、現在ではそのアメリカが「風邪」をひいてるんですから。

     長くなって恐縮ですが、最後にこれだけ書かせてください。

     そのたけしの番組で取りあげられた社会主義・独裁国家に、ブータン(現在は民主化された)というアジアの仏教国があります。数年前に唯一無二の国王ワンチュクが自ら決断し国民に向かって声明を発表したんですが、驚くことに国民のほとんどが民主化に反対したんです。中には泣きながら「王さま、民主化するのはどうかおやめ下さい」という人もいました。しかしワンチュク国王はグローバル化する世界の情勢を窺いつつ、苦渋の決断で民主化政策をとったんです。この国王は国民から絶大な支持を受けていました。
     じゃ、日本は???「お飾り」だけの存在である天皇は、果たして何の意味があるのか?総理大臣の存在にも意味なんてない。だって「総理」の椅子に座る人物だって、結局は「誰か」に操られているに過ぎないんですから。それにこの国を牛耳ってるのは、悪しき組織「自民党」と「官僚」です。

     昨今では自民党の「自堕落さ加減」に国民もやっと気が付きはじめたようで支持率も低下の一途を辿っているわけですが、政権交代に期待したいところです。
     でも、政権が変わっても、この国の「体質」が変わるかどうかまでは・・・疑問ですね。

  4. pignic より:

    ザ・スターリンは大昔に『虫』を聴いたくらいでよくは知らないんですが、『ワルシャワの幻想』は面白い歌詞ですね。私には、『お前ら貧しいからハングリーでいられるんだな。羨ましい。』と読み取りました。よその国に目を向けられる程、余裕があるとも。

    まあ、不景気だのなんだの言っても世界と対比してみれば、少なくとも若者がポップミュージックに現を抜かせるだなんて豊かですよね。物質的には飽和状態だし、社会保障もある程度は整っているだけに、次の命題を達成するのはとても困難だとは思いますが、世の中が完全な楽園だったら私は退屈になって自殺したくなると思います。不満が燃料というか。だからこそ、『ワルシャワの幻想』はとても面白いと思いました。

  5. Hyottoko より:

    >あきらさん

    民族浄化は気になりますが、ブータンはある程度成功しているのですね。

    俺は、諸悪の根源は政治家に資金提供している企業や団体だと思っています。
    カネのかかる選挙や政治家活動を改めない限り、何も変わらないと思います。

  6. Hyottoko より:

    >pignicさん

    面白い解釈ですね!
    どんな社会でも不満を持った人は存在するでしょうし、俺も愚痴を言い続けるだろうなw

    日本は他と比べて平和だからS級バンドが出てこないのかもしれませんね。
    それはそれで良いことなのかな・・・

    スターリンはStop Japというアルバムが好きです。
    最近、全曲レコ倫から修正を余儀無くされた歌詞を復刻させたものがリリースされたみたいで気になっています。
    新生スターリンの”殺菌バリケード”も良いんですけど残念ながら廃盤で・・・

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