商業的成功の否定その2(金目当てに近づく人々)

今回も成功によって生じる負の部分を考えてみます。
昨日はリスナー側だったので、今日はミュージシャンの立場から。

成功するとそのバンドを利用して一儲けしようと大勢の人間が近づいてくる。
親戚だといって近づいてくる人間が増え、たいした仲でもなかったクラスメートたちが押し寄せる。
親や親友ですら態度が変わる。
これらの人間の目的は金だとわかっているから人間不信に陥る。

そして、一番厄介なのがゴシップ系のマスコミである。
この手のマスコミは、金儲けのためにはプライバシー侵害は当たり前だし、事実を捻じ曲げることを平気でする。

カート・コバーンの場合、コートニーと結婚したことで、シド&ナンシーっぷりを大衆受けするように報じられた。
特に、ヴァニティ・フェア誌の記事がきっかけで、2人には親権者としての能力がないとされ、子供擁護団体と裁判で戦うハメになった。

また、この記事には彼らの近辺者のコメントが匿名で掲載されていて、人間不信を強めることになった。
Rape Meの歌詞はこのことも暗示しているようだ。

レイン・ステイリーは普通にバンドを取材しにきたローリングストーン誌の記者に、予想外にも彼が如何にドラッグ中毒かを、注射針の痕の写真とともに報じられた。

俺たちはモノとして扱われてるんだと気づいた(エディ・ヴェーダー)

これらの金儲けを目的とした怪しい人間と戦う姿勢をメインストリーム規模で示したバンドはグランジ・オルタナ期の直前にも存在していた。
後に旧体制とされるGuns N’ Rosesだ。

アクセル・ローズも同様に人間不信に陥った。

マスコミに対してはインタビュー拒否、ライヴの取材や写真撮影拒否、カメラマン恐喝、気に入らない記者の実名を歌詞で公開するなど具体的な行動に出た。

だが、殻に閉じこもる王様となって、バンドメンバーとの関係すら壊れてしまった。

GNRもまた、成功の影を明らかにしたバンドなのだ。

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