Mercury Rev (マーキュリー・レヴ)

Mercury Rev (マーキュリー・レヴ)の概要

80年代から活動を始め、オルタナムーヴメントが終焉しつつあった98年にようやく一般的に知られるようになった苦労人。

音楽性はサイケデリックと言われることが多い。
ヴァイオリン、フルートなどのオーケストラ楽器、ノイジーなギター、サンプリングなどの多彩な楽器を使用し、プログレ、ジャズ、ブルース、R&Bなどの多彩な音楽性を通過した、壮大なロック・シンフォニーが特徴だ。
また、単純なコード進行を反復させるのもMercury Revの個性だ。

Mercury Rev 24曲(You Tube)

Mercury Revは80年代後半にニューヨーク州バッファローで結成された。
デヴィッド・ベイカー(Vo)を中心に、短編映像やビデオ作品に音楽を勝手に付けるところから始まっている。

Mercury Revでも活動が本格化するまで、ジョナサン・ドナヒュー(Guitar)はFlaming Lipsに1年半ほど在籍していたこともある。
また、後にプロデューサーとして有名になるデイヴ・フリッドマン(Bass)もFlaming Lipsのアルバムに参加している。

UKのインディレーベルであるラフ・トレードに見出され、グランジ・オルタナ・ムーヴメントの波に乗ってメジャーレーベルと契約するも、メインストリーム規模で聞かれることは無く、CMJチャートを中心に評論家やマニアックなリスナーからの高評価を得るに留まり続けてしまった。
グランジを求める大衆には見向きもされなかったと分析されることもあった。

93年に出演したロラパルーザでは、「音が大き過ぎる、ノイズが強烈過ぎる」との理由で、ツアー途中で降板させられてしまった。
また、バンドの中心人物であるデヴィッド・ベイカーが脱退。
デイヴ・フリッドマンは家族との時間を大切にしたいとのことからツアーを拒否、レコーディングのみに参加するようになった。

その後はジョナサン・ドナヒューがリードヴォーカルを取るようになり、メロディアスで明るい雰囲気に変わっていった。
サウンドも初期の混沌としたノイズや激しさが抑えられ、オーケストラ楽器が主役になっていった。

98年の”Deserter’s Songs”でその路線が開花、世間一般からも高評価を得て、結成から10年以上経てようやく陽の目を浴びることとなった。

その後は01年に最高傑作と言われる”All Is Dream”をリリースし、Summer Sonicにも出演。
Flaming Lips、Mogwai、Number Girlのプロデューサーとして名を馳せていたデイヴ・フリッドマンが8年振りにライヴに参加したことでも話題になった。

オルタナティヴ・ムーヴメント期には注目を浴びなかったが、現在もバンドは健在だ。

08年にはアルバムを2枚リリース。
Snowflake Midnightというアルバムは通常通りのリリースだが、Strange Attractorというアルバムはネット上で無料配信した。
メジャーとの契約が切れたことから独立を宣言してネットでアルバムを配信しているNine Inch Nailsと違って、現在も全世界にアルバムを流通させるのにはメジャーレーベルに頼っているようだが、彼らなりにインターネット時代を意識したアクションをとっている。

関連リンク

Mercury Rev (マーキュリー・レヴ)のアルバム紹介

スタジオアルバム

Yerself Is Steam

91年の1stアルバム。

ヴァイオリンやトロンボーン、フレンチホルンなどのシンフォニックな楽器とSonic Youthのような激しいギターノイズが同居した奇妙な陽性ポップとでも言えばいいだろうか。

デヴィッド・ベイカー時代は現在のMercury Revとは違ってギターのノイズを多様するのが特徴だ。
そのような路線も個性的で素晴らしかったし、壮大なシンフォニーには後の音楽性に繋がる片鱗を感じさせる。

ノイジーなギターとフルート、女性コーラスの融合が見事なChasing A Bee、穏やかなBlue and Black、単純なコード進行の壮大な繰り返しでトリップさせられるFritteringが聞きどころ。

Boces (ルーザー)

93年のメジャーデビュー作。

Yerself Is Steamと同じような奇妙な陽性ポップという路線だが、Bocesの方がバラエティ豊かでユーモア溢れる内容になっている。
1曲目の10分にも及ぶMeth Of A Rockett’s Kickの、わけのわからない多彩な展開を聞けばYerself Is Steam寄りも奇妙なのが理解できると思う。
その後もおかしな曲が展開される。

初期のMercury Revだったらこのアルバムをオススメしたい。
最近のMercury Revにはない混沌とした世界も見事だと思う。

バンドの中心人物だったデヴィッド・ベイカーはこのアルバムを最後に脱退、Mercury Revは転機を向かえることとなった。

See You on the Other Side

95年の3rdアルバム。

デヴィッド・ベイカーが去った後のアルバムだが、直ちに音楽性が激変したわけではなく、Empire State (Son House In Excelsis)のように混沌としたノイズも少なからず残っている。

このアルバムの特徴はジャズなどを連想させるような吹奏楽器を大幅に取り入れていること。
Close Encounters Of The 3Rd Gradeではソウルフルな女性の声も入っている。
特に後半のノイズに頼らない爽快なポップスは見事だし、その後のアルバムに繋がっていったのかと思う。

当初は他のアルバムと比べて完成度が劣ると思っていたが、じっくり聞けばそんなことはない。
上の2枚よりもとっつきやすいので初期のMercury Rev入門として最適だと思う。

Deserter’s Songs

98年の4th。
Mercury Revが一般的な認知を得ることとなった出世作に当たる。

このアルバムでも目立つのはバイオリンなどのシンフォニックな楽器で、雰囲気もドリーミー。
だがAll Is Dreamほど大袈裟な感じはしない。
逆にこのぐらいの方がちょうどいいと感じる人も多いだろう。

“Endlessly”に代表されるように、音色が美しい悲しげなバラードソング集とでも言えばいいだろうか。
ただ、アルバム後半には”Delta Sun Bottleneck Stomp”や”Rag Tag”など軽快で楽しそうな曲もある。

個人的にはAll Is Dreamの方が好きだが、このアルバムも傑作、入門にも適している。

All Is Dream

2001年リリースの5thアルバム。
様々な楽器や音楽性を取り入れてきたMercury Revが到達した最高傑作。

オーケストラをフューチャーし、単純なコード進行と甘い歌声、儚いメロディによるサウンドは、まさに夢の世界にいるようだ。

オーケストラを大々的に導入した”Dark Is Rising”、ドリーミーなギターが印象的な”Tides Of The Moon”、甘い声とオーケストラがマッチした”Chain”、シンプルなメロディを壮大に奏でる”Lincoln’s Eyes”など、名曲のオンパレード。

All Is Dream
V2 North America
¥250(2024/02/29 01:47時点)

The Secret Migration

2005年の6thアルバム。

前作”All Is Dream”と比べると、オーケストラのサウンドよりもシンセサイザーの音が目立つ。
曲は短くてコンパクトになった。

“Vermillion”に代表されるようにキャッチーで聞きやすいのだが、逆に以前のような奥深さというか凄みが後退してしまった気がする。

Secret Migration
ユニバーサル
¥203(2024/02/29 01:47時点)

Snowflake Midnight / Strange Attractor

2008年の7thアルバム。

音楽性はMercury Revの幻想的で浮遊感という特徴にエレクトロでダンサンブルなドラムを融合させたもの。
美しくて儚い感じのするアルバムだと思うし、この新たな試みは成功していると思う。

上述したようにSnowflake Midnight発売と同時にStrange Attractorというアルバムをオンラインで無料配布した。

Strange Attractorの音楽性は簡単にいうとSnowflake Midnightと同様に打ち込みドラムを取り入れたサウンド。
ただし歌が入っていないインストゥルメンタル・アルバムだ。
Snowflake Midnightよりもこちらの方が好きだという人は多いと思う。

Strange Attractorはレコードしかフィジカルリリースされていなかったが、Snowflake MidnightがCD5枚組のボックスセット化された際にそのうちの1枚としてCD化された。

ページの先頭へ戻る

シアトル以外のオルタナティヴ・バンド08へ戻る

バンド紹介へ戻る

トップページへ戻る

Hyottokoをフォローする
GRUNGE ALTERNATIVE (グランジ・オルタナティヴ)の総合サイト
タイトルとURLをコピーしました