Dinosaur Jr. (ダイナソー・ジュニア)
Dinosaur Jr. (ダイナソー・ジュニア)のアルバム紹介
Dinosaur Jr. (ダイナソー・ジュニア)の概要
83年にマサチューセッツ州で結成された轟音ギターバンド。
当時は、Jマスシスのギターがあまりにも爆音だったため、各地のクラブから出入り禁止になったらしい。
インディの名門SSTをへて91年にメジャーデビュー。
ハードコア・パンクに影響されたサウンドを爆音ギターで演奏するが、メロディはポップでスウィート。
Jのやる気を感じさせない無気力な歌声もこのバンドの魅力。
「ニール・ヤングとSonic Youthを足した」と形容されることもある。
Dinosaur Jr. 31曲
ダイナソー・ジュニアがユー・アー・リヴィング・オール・オーヴァー・ミーを出し、その中でノイズの要素と、メロディを自然に融合させ、たった1本のギターで信じられないようなレコードに結晶させた。
(Sonic Youth / サーストン・ムーア CROSSBEAT1995年5月号から引用)
また、パンクバンドなのにギターソロをやりだしたことを評価する声もある。
ダイナソーが面白かったっていうのは、パンクロックバンドであるにも拘らず長々とギターソロをやりだしたところだよね。
ギターソロを演るなんて行為は本当にやばかったわけ。
そんなもの聞きたい奴なんて誰もいなかったんだからさ。
それをやって許されるバンドは70年代のテレヴィジョンだけだったけど、あのバンドでさえギターソロのせいで結構やばいことになっていたしね(笑)。ダイナソーは音楽の拡張性みたいなところを追求していってさ。
インディで音楽をやっている連中にとって、そこから新しい道が開かれていったと思うんだ。
(Sonic Youth / サーストン・ムーア BUZZ Vol.41 April 2003から引用)
後期になるとノイジーな部分が影を潜め、Jのメロディが際立っていった。
オリジナルメンバーはJの他にルー・バーロウとマーフだったが、イギリスのインディチャートで1位を獲得した3rdアルバム”Bug”をリリースした後にルーが脱退してSebadohでの活動に専念するようになると、Jが大部分の楽器をプレイするという、Jのワンマンバンドと化していった。
バンド名義での活動は97年頃まで続き、その後はJのソロ名義となったが音楽性は大して変わりはない。
2005年、オリジナルメンバーで突然再結成。来日公演も果たしアルバムも製作した。
関連リンク
Dinosaur Jr. (ダイナソー・ジュニア)のアルバム紹介
1.スタジオアルバム
You’re Living All Over Me
87年の2ndアルバム。
Bug同様、インディ時代の超ノイジーなサウンドが聞ける。
ただし良くも悪くも低予算で製作されたショボいサウンドだ。
うるさいギターなのに泣きのメロディ、やる気の無いロウ・ファイなヴォーカルなど相反しそうな要素をまとめ上げた音楽はこの頃から健在。
“Kracked”、”The Lung”、”Show Me The Way”など名曲が多いのでオススメ。
ただし”Show Me The Way”は現在出回っている再発盤には収録されていないようだ。
Jマスシスはこれをベストアルバムに挙げている。
You’re Living All Over Meの日本盤(紙ジャケ)
Bug
88年にSSTからリリースされた3rdでオリジナルメンバーとしては最後のアルバム。
このアルバムを最高傑作だという人も多い。
Green Mindよりもノイジーなので、やかましいのが好きな人はこちらから聞いた方がいい。
Jの轟音ギターが全体を支配しつつもメロディアス。
ノイズとメロディを自然な形で融合させたとの評価にも頷ける。
代表曲であるFreak Scene、壮大なThey Always Come、ワウが印象的なYeah We Know、カオスティックなDon’tなど全曲ハイクオリティだ。
ただしJマスシスは、バンド内が上手くいっていないのに製作を急かされたとしてワーストアルバムとしている。
Green Mind
91年のメジャーデビュー作。
Dinosaur Jr.といえば、このアルバムかBugだろう。
インディ時代と比べるとノイジーなギターは減少したが、アコースティックギターを使用するなどメロディに磨きがかかった印象を受ける。
屈指の名曲であるThe Wagon、勢いのよいHow’d You Pin That One On Me、アコギのイントロが印象的なBlowing Itなどアイデアの幅が広くバランスも良い。
塞ぎ込みがちな雰囲気を感じさせる引き籠もりロックの代表的な一枚。
Where You Been
Green Mindに続いて93年にリリースされたメジャー2作目。
Green Mindでは失われたノイジーなギターが復活した印象を受ける。
それだけではなくピアノ、オルガン、ストリングスなど様々な楽器を取り入れた。
上の3作に埋もれがちだが悪いアルバムではない。
Without a Sound
94年作。
良い意味でJマスシスの成熟を感じさせるアルバム。
ギターソロもJの歌もメロディが素晴らしい。
全体的に歌を大事にした雰囲気で、大人びた曲も聞かれる。
メロディを最重視するならこのアルバム。
More Light (J Mascis + The Fog)
バンド解散後、2000年にリリースされたJのソロアルバム。
ソロといってもメジャー後のダイナソーとなんら変わりがない。
爆音ギター、やる気のないヴォーカルといった特徴は健在で、なおかつバランスがいい。
そして今作では泣きのメロディが優れているので、Dinosaur名義にこだわらなければ入門として最適だ。